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さらば

 おフランスの言葉はとんと判らないのだけれども、時折会話の中に混ぜるとカッコいい。気がする。例えば、人の話を聴いて「ウィ」なんて応えたりとか、なにかを食べた際に頷きながら「うーん、セボーン」とか言ったりすると、だ。
 この辺、英語じゃあ格好が付かない。人の話を聴いて「アハーン」なんつって頷くのも、飯を喰って「ヤムヤム、ヤミー」とか言うのも、どうにも格好が良くない。
 極めつけは感謝の言葉。「サンキュー」とか「サンクス」とか、全然格好良くない。一方フランス語は「メルスィー」である。
 カッコいい。
 「ぼくの日記、こんなところまで読んでくれてサンキュ!」
 これではまるで、一昔前のロック歌手だ。
 「こんなところまで、ぼくの日記を読んでくれるなんて、メルスィー」
 ほら、カッコいい。一味違うアーティスティックでアンニュイな雰囲気がギュンギュン漂ってくる。
 ただ、気を付けなければならないのは別れ際の言葉。
 目当ての女性と一晩を過ごして、別れ際に思わず「アデュー」なんて言いたくなる。が、言ったが最後。『アデュー』とは永遠の別れを意味する言葉なので、「良い思いをさせて貰ったが、きみとはこれっきりだ。バーイ!」みたいな意味になってしまう。
 この場合、『オ・ルヴォワール』を使うのが良いとのこと。やっぱりカッコいい。
 ま、なにはともあれ、ここまで読んで下さった方はこの記事をエメだと思って下さるとボナーなので、スキを押して下さい。
 シルヴプレ……ザマス。
 オ・ルヴォワール。

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