真喜屋力のTeBiCHi note

映画『パイナップルツアーズ』(1992)監督。TVアニメ『アークエとガッチンポー』監督…

真喜屋力のTeBiCHi note

映画『パイナップルツアーズ』(1992)監督。TVアニメ『アークエとガッチンポー』監督。BOX東中野、桜坂劇場などミニシアターの立ち上げにもさんか。現在は沖縄アーカイブ研究所代表。沖縄県内の8ミリフィルムの収集と保存、公開を行っています。

最近の記事

「琉装で結婚式」のルーツを考えた

“#ちむどんどん反省会”というハッシュタグが生まれるほどに、“まちがいさかし”ゲームとして楽しまれているNHKの某連ドラ。「’70年代の沖縄の結婚式の花嫁衣装が和装」という正しい歴史考証まで、「沖縄の結婚式は伝統的な琉装です」と否定されてかわいそうだった。まあ若い人や本土の人であればそのような歴史認識も仕方がない。 ただ同様の誤解をしたツィートに『パイナップルツアーズ』の『春子とヒデヨシ』の結婚式シーンのスチルが、例として貼り付けられていたので、他人事ではない展開になり、変

    • 僕とイエスと掘っ立て小屋

      2004/05/13(初出:TeBiCHi.com 2004/05/13) 運命の赤い糸というものは、なにも恋人たちを結ぶためだけにあるのではない。人と人との出会いと別れの数だけそこかしこに結ばれては消える、無数の糸の絡み合い。まあ36年も生きていれば、いろいろな糸が絡みついてくるものだけど、とっくの昔に切れたと思っていた赤い糸が、文字通り紆余曲折を経て目の前に現れることもあったりするのだ。 新宿の街をブラブラしていた時、その声は突然背後から響いてきた。しょぼい街宣車のス

      • 島豆腐とトラウマ

        島豆腐は、もちろん子供のころから食べていたが、実はそんなに思い入れはない。ただ大人になって、どうも本土の木綿豆腐とは違うものらしいと知ってから、チョイチョイ気になるようになったくらい。それはつまり大学生になって本土の人間と関わったころからだ。彼らの証言では「日本の豆腐は水の中に漂うか弱い存在」と言うことを聞き、確かにそれは僕の知っている豆腐ではないと、己の沖縄 アイデンティティに目覚める中に、島豆腐は今も大きな意味を持つ。 記憶の中の島豆腐は、近所の商店の涼しげな棚の上に

        • 失われていく物と消えない想いを訪ねて

          脚本家、金城哲夫の書斎に続く階段が無くなったと聞き、この目で確かめようと見に行ってきました。たまたま職場が南風原町にあるので、1月のポカポカ陽気の元、つらつらと自転車を漕いで行ってきました。 哲夫さんの書斎は、金城家の家業である「松風苑」の庭に建つ離れの二階。外からは急な階段が付いていて、一階の部屋を通らずに直接出入りできる様になっている。 円谷プロを辞め、東京を離れ、戻ってきた沖縄で、新たな野望を展開するべく用意された「秘密基地」とも言える書斎。僕の妄想の中で、哲夫さん

        「琉装で結婚式」のルーツを考えた

          noteはじめ

          とりあえず、勢いで始めてみた。 なんというか、普段「沖縄アーカイブ研究所」と言うブログをやっているものの、あちらは公式なもので、あまり私的なことはかけない。かといって、個人ブログを立ち上げようと思えば、こってデザインとかあれこれしたくなるし。noteを利用して、あれこれ記録してみようかと思って悶々としていたところ、知人から誘われたので、2022年ということではじめることにした次第です。