全部なくなったけど、私は幸せです。たったひとつだけ残ったものがあったから。
友達との会話の中で、
今も覚えている印象的な一言がある。
すごくささいな何気ない会話だったけど、
今も時々思い出す会話。
どんな流れだったかは
分からないけど、
友達の親が住んでいる
古いマンションが空室だらけになっているという話をしていた。
当時は華々しく最先端で
いい場所にあったから、
高価で憧れのマンションだったらしい。
何十年ローンを組み、必死に働いて、
そこに住んだ。
けど、
そのマンションは古くなり、
受け継いでくれる人もいなくて、
空室だらけで、