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書きたい時に書きたい事を書きたいだけ

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【フォトログ】『偸盗』芥川龍之介

誰がこの児の親であろう― 阿濃(あこぎ)は、この時、唄をうたいながら、遠い所を見るような眼をして、蚊に刺されるのも知らずに、現ながらに夢を見た。 人間の苦しみを忘れた、しかもまた人間の苦しみに色づけられた、うつくしい、傷ましい夢である。(涙の知らないものの見る事ができる夢ではない。) そこでは、一切の悪が、根底を払って、消えてしまう。が、人間の悲しみだけは、—空をみたしている月の光のように、大きな人間の悲しみだけは、やはり厳かに残っている。・・・・

    • 芥川龍之介

      あなたは「この作家の書いたのもを全て読まなければ」といった使命感にも似た感情を抱いたことがお有りだろうか? 芥川龍之介 僕はこの作家にそれを抱いている。 名前だけは知っていて授業で羅生門や杜子春を一通り読んだ程度の知識 それがひょんなことから1年ほど前、『或る阿呆の一生』を手に取り読み始めた。或る阿呆とはどんな人物か、純粋な興味からだった。 『或る阿呆の一生』は物語ではなく、芥川の自伝的なもので死ぬ間際に書かれたらしい。自分の人生を回顧して書いたのではなかろうか。そ

      • 突然ですが、就活やめました。

        こんにちは。 京都の大学の3年生makitakeと言います。 突然ですが、私は今日、就活を辞めました。 そう決めた理由とこれからについて、 何回かに分けながら、 ざっくばらんに書いていこうと思います。 1回目の今回は、私の就職活動の経過について、書こうと思います。 まず、私の自己紹介を軽く行います。 東海地方出身で京都の私立大学の3年生(21歳) 体育会部活で主将を務めいる ゼミも精力的に活動 アルバイトも行う。 こんな感じです。 部活動はほぼ毎日あり、ゼミ活動、

        • 『ヴィヨンの妻』太宰治 

          太宰治の作品はこれまで、あまり読んでいませんでした。 代表作『人間失格』を中学2年時に読み、文から滲み出る暗さに衝撃を受けました。 その当時の感性では理解できないものがあり、 本棚の奥にしまい込んだ記憶があります。 それからというもの、 太宰の作品=陰湿 という固定観念ができてしまい太宰の作品は遠ざけてきました。 それから時が経ち21歳になったほんの数日前。 太宰治の『ヴィヨンの妻』を帰省するバスの中で読みました。たまたま下宿先にあって文量もちょうど良さそうだったので。本

        【フォトログ】『偸盗』芥川龍之介