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コモディティになるな

(2020年9月11日「中国法務の扉」記載のコラムをリライトしています。)

最近あまり本を読めていないが、先々週くらいまで2日に1冊くらいのペースで本を読んでいた(軽い本。とにかく本が好き)。中でも故瀧本哲史氏の本がとても響いた。

3年くらい前に同僚弁護士に勧められた時は読もうとまで思わなかったが、8月に入ってから一気に気になり始め、読むなら今だなという感じで同氏の著書等を何冊か読んだ。

全部名著だが、特に気に入って蛍光ペンを引きながら読んだのは大阪弁護士会が出している『若手弁護士の新キャリア』という瀧本さんのインタビュー記事(大阪弁護士会がとても太っ腹で、誰でもインターネットで読むことができる)。

弁護士ではないのに(ないからこそ?)、弁護士の独特な世界を一刀両断しつつ、弁護士の悩みにシンプルだけど適切な回答をくれている。私などはもはや若手ではない年次になっているが(14年目)、「コモディティな弁護士(自分がやっても他人がやっても変わらない仕事をする弁護士)になるな!」、「自分で考えて社会を動かせ!」という強烈なメッセージが、冷静で知的な言葉の端々からあふれ出ていて、やたらとテンションが上がった。これからも何度となく読み返し、新人が入るたびに勧めることになる予感。

本や言葉はスッと入ってくるタイミングがある。偶然というか、必然というか。

今入ってくる言葉を大切にしつつ、持っている自分の武器を磨き、使い方を研究していきたい。瀧本さん、早すぎる。コロナの時代の生き方を語っていただきたかったな。

今あるほとんどの仕事がAIにとって代わられるというのが一時話題になった。弁護士の世界でも盛んにリーガルテックという言葉を聞くようにもなっている。
しかしアメリカでの調査研究では、弁護士業務のうち機械で自動化できたのは13%だけだったとのこと(今月のビジネス法務に石田京子先生が「AIは弁護士になれるか?リーガルテックと弁護士法72条をめぐる考察」という興味深い投稿をしておられ、その中で紹介されている)。少し意外。

まだまだ弁護士の仕事が機械に取って代わられることはなさそうということにホッとしつつ、弁護士にしかできない仕事を追求していきたい。

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