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お看取りから学んだこと

前回みほさんへのインタビューを通して、そして学生と接する中でもお看取りの経験ってかなり大きなところだなと感じたので今回はその辺りを書こうかなと思います。
あくまで現場経験の浅い私の主観も入っているのでさらっと流してもらえたらと思います。笑

私は正直入社する前まで、あまりお看取りを不安に感じたりしたことはありませんでした。
ただ、今思うとそれは経験があったからとかではなく、逆にほぼ経験がなかったからこそ、身近に感じることができず人が亡くなるということへのイメージができていなかったのだろうなと思います。

親族の中でもその時亡くなった経験があるのは、私が小学校5年生の頃。曽祖母のだけ。かつ曽祖母も病院で老衰を迎えたこともあり、両親や祖父母は立ち会えたとのことでしたが、私は亡くなった姿を見ただけでした。
だからこそ、入社前の学生さんがそこをすでに不安に感じていることは働くイメージができていることでもありすごいなと感じています。

初めて経験したお看取り

そんな中意外と早くお看取りを経験することになります。
入社して3ヶ月が経った頃。突然先輩に声をかけられました。

A様がそろそろ危ない状態だからお部屋に会いに行こうか。お看取りは中々経験することができない貴重なことだから。

A様は100歳を超えていたこともあり、先輩からもすぐに教えていただいた方でした。元々私が入社してすぐの頃はみなさんと一緒になんとかですが、食事もとられていて、いつも周りの方の中心にいるような方でしたので私の中でも印象的な方でした。

私が覚えることに必死になっている中で気づいたら体調が悪化してしまい、お部屋から出ることが難しくなっていたため、気がついていませんでしたが先輩に誘われ久しぶりにその姿を見ることになりました。

やはり、亡くなる瞬間に向き合うということはこれを書いていても泣きそうになるくらい重く、なんとも言えない感情でその時も胸がいっぱいになりました。

たくさんの人に見守られて最後を迎えた

私はそういう場面でも泣くことまではないだろうなと思っていたものの、やはりいざその時になると周囲の方が泣いているところや少ないながらも感情が湧いてきて気付けば泣いていました。

そんな時誘ってくれた先輩が、ご家族や職員に対して声をかけた言葉がとても印象的で覚えています。

元々施設に来てからも穏やかな印象からお友達が多く、職員からも好かれていたA様。多くの方は明け方ひっそりとなくなることが多いけれど、今回は夕方の1番職員も多くご家族も駆けつけやすい時間を選べばれたんですよね。
仲の良かったご入居者様もなくなる瞬間は無理でもその前にお部屋に来てくれる方も多くて、最期まで多くの方に見守られながらなくなることができて良かったですね。

以前のみほさんの話でもありましたが、最期の瞬間自宅にいても家族が立ち会えないことがある中で、多くの方に見守られながら迎えることができた。
そして立ち合わせていただけたことは貴重な経験だったなと思います。

他のご入居者様や家族に対しても経験を活かしていける



もちろん私自身その方に対して、もっとできたことはあるのではないかと感じることもありました。でも、その方が亡くなってしまった以上はむしろできなかったことや、学んだことを他の入居者様や自分の家族に対して行っていけるのではないかなと思っています。

普通であれば誰かの死に直面するということは中々ない経験なので、家族に対しても冷たく接したり、まだすぐに死ぬわけではないから大丈夫でしょ、と思ってしまいがちかなと。

ただ、私はこの方や、その後経験するお看取りの方も踏まえて、いつ何が起こるかわからないからこそ、今も元気に長生きしてくれている祖父母に定期的に電話をしたり、時には温泉旅行に出かけたり、美味しいものを食べたりしています。

後であれをしてあげれば良かったという後悔を少しでも減らすことができると教えてくれたのは、お看取りの経験があったからだなと思っています。

もちろん、いろいろやっていてもいざその場になると、もっとと思ってしまうところだとは思います。

それでも普通であれば家族くらいの死しか立ち会えないところで、責任はありつつも多くの方の最後に寄り添うことができる、そして彩りを添えることができる仕事としてとても誇りのある仕事だなと思っています。



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