謎の昏睡は続くよいつまでも
ともあれ、私は最寄りの総合病院に搬送されました。
これ、実はすっげいラッキーなことなんですよね。このご時世、空き病床とかICUとか、医療体制とか、すべてが足りていません。遠隔地の得体の知れない病院に担ぎ込まれる方が「当たり前」。
最寄りだからこそ、いち早く処置もできる。処置が早ければ死亡率も低くなる。生きてても重い後遺症が残るリスクも減る。私に「何か」があった場合、家人が駆け付けやすい、など。。。
幸運に幸運が重なり、私は「ほとんど一瞬だけ」目を覚ますことができました。どうやら手術前の説明を受ける場らしい。
主治医らしき人から、氏名と生年月日、当日の日付を聞かれ、自己紹介を「余計なアホなこと」を交えず「聞かれたことのみ」答えました。私にしては珍しくおとなしい。
「今日は何年何月何日ですか?」という質問だけには、頑固に「2020年8月31日」と言い張ってたことを憶えてます。私は頑なに、今年の思い出なき淡泊な夏を終わらせたくなかったらしい。
というのは冗談で、完全に9月1日からの記憶がリセットされてしまったようです。脳怖えぇ。。。
その時の記憶はその程度で、意識はひたすら混濁するのみ。手術等の説明は家人にすっかり任せていました(私はこういうのはしっかり聞いてがんがん質問しにいくタイプです)。あらゆる同意書の類、署名欄は家人の代筆でした。
仕方ないんです。手術はまだ始まっていない。私の脳内はまだ、動脈瘤がブッシャー!!している極めて危険な状態。私は余計な茶々やくだらないツッコミなど入れないで、おとなしく眠っていた方がなんぼマシなんです('A`)
次の記憶は、(たぶん)手術中に見た夢。全身麻酔なので当然意識はないままです。
半端なく苦しい夢でした。呼吸ができない。。。
皆様、呼吸ができない夢って見たことあります?
水中でも、高山でも、宇宙空間でも、夢の中なら息ができますよね。でもできない。
これは悪夢だ!(実際そうですが)。覚めなければ死ぬ。絶対しぬ。でも自分ではどうもできない。誰か助けて!!!
後から読んだ診療明細書には、「人工呼吸器によるうんたらかんたら」と書いてありました。
ノドに傷痕はなかったので、エクモではなく気管挿管とNPPVによる呼吸確保だと思われます。これなら人工呼吸器のリズムに自分の気管と肺が対応できれば(とりあえず)酸素はスムーズに送り込まれます。
体が自然とそのメカニズムに気付いて、ようやく私はこの苦痛から解放され、(夢の中で)静かな眠りについたのでした。
(次回も、まだ意識は完全に戻らないよ)
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