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誰でもプロの作詞家・作曲家になれる本【1】

この文章は、私が2021年に発売した電子書籍「誰でもプロの作詞家・作曲家になれる本」https://amzn.asia/d/6gybyUP (税込550円)の内容を、一部変更して転載しています。

はじめに

「誰でもプロの作詞家・作曲家になれる?」
誰でも? プロ? と、おそらく半信半疑で、でもちょっと興味がある。そんな気持ちでこの本を手に取ってくださったものと思います。ありがとうございます!
 
最初に言いきっておきますね。
この本に書いてあることを実行したら、本当に「誰でも」プロの作詞家、作曲家として活動を始めることができます。
 
この本には、私が現在運営している作詞家・作曲家養成講座の中でお伝えしている内容のほぼすべてを詰め込みました。私自身の30年間の作曲家としてのキャリアと、20年間の作詞家・ミュージカル作家・音楽プロデューサーとして得た知見。それらをすべて「言語化」し、今すぐ読んで役に立つ事柄だけをギュッと凝縮したのです。
 
そのため、この本は、他の作詞作曲の教本とは大きく違う点があります。
 
たとえばあなたが作曲を学ぼうと思ったら、まず取り組むのは楽器の習熟でしょうか。DTMも使いこなしたいところですね。音楽理論やコード理論も難しいけれど、習得すれば音楽性も高まるかもしれません。
 
しかし、この本ではそういった音楽技術の習得には触れません。
 
私がお伝えするのは、すぐにプロとして一歩を踏み出すために必要なことだけです。
 
でも、そのノウハウさえわかれば、あなたに今後必要なものが何か気づくことができます。目的が具体的になるのです。やみくもにDTMや理論の入門書の1ページ目から読むよりも、あなたの今後の目的・目標が定まってから、興味のおもむくままにかじり始めても、遅くはありません。
 
作詞についても同じです。日々SNSに言葉を書き綴るのが好きだったり、文章力にはちょっと自信がある、という方も多いと思います。でも、そこから作詞家へ道を進めるにはどうしたら良いと思いますか? 詞の書き方を習得しさえすれば、プロの作詞家になれるのでしょうか。
 
そもそも、『プロ』って、なんなのでしょう。
 
 
かつて、音楽業界でいう「プロ」とは、メジャー系レコードレーベルからデビューすること、その楽曲を提供すること、あるいはテレビCMや映画音楽を書く人を指しました。
 
今は、YouTubeなどで誰でも自作曲を発信できます。そこから火がつき、瞬く間にビッグアーティストとなるケースも、もはや珍しくありません。私は『一億総クリエイター時代』と呼んでいます。誰もが自己表現しようと思えばそこにフィールドが広がっている、とても面白い時代だと思っています。
 
この本は、今この時代に「音楽と言葉で表現してみたい」と思うあなたに向けて、最初の一歩を後押ししたくて書きました。
ユーチューバーやティックトッカーを目指せという話ではありませんので安心してくださいね。私は作曲と作詞のプロとして、今この時代に必要とされるプロの作詞家・作曲家の世界へ、あなたをお連れしたいのです。
 
お話したい事がたくさんあります。きっと、知らなかった世界のはずです。
どうぞ、最後までおつきあいください。
 
作曲家・脚本家・音楽プロデューサー
まき りか
 

 
 
誰でもプロの作詞家・作曲家になれる本
 
目次
 
 
第1章           誰でもクリエイターになれる時代がやって来た
 
・プロとアマの境界線は崩壊した
・「桃鉄」から「ミュージカル」まで
・音楽業界30年、変わったこと変わらないこと
・いまが旬!クリエイターの発表の場「メタバース」と「NFT」
・音楽は「他人の時間を使って表現する芸術」である
 
 
第2章           【作詞家 基礎編】作詞家になるために必要なこと
 
・作詞家ってどういう仕事?
・「書いて欲しい」と言われる作詞家になるには
・好きな曲を「作詞家目線」で吟味してみよう
・作詞は日記を他人に見せるようなもの
 
 
第3章           【作詞家 実践編】グッと良くなる、作詞の方法
 
・詞先か、曲先か。
・秘伝⁈『作詞シート』
・詞を書く
・渾身の1曲より「数稽古」
 
 
第4章           【作曲家 基礎編】作曲は誰にでも出来る
 
・子どもが紙にラクガキするように、歌をつくろう
・曲は「記録者」がいれば作れる
・理論で必要なのはこれだけ!
・既存の曲で完成イメージを膨らませる
 
 
第5章           【作曲家 実践編】「名曲」と言われたい!作曲の極意
 
・歌い手の表現力、世界観、キーレンジをまず知る
・詞先と曲先の違い。そして編曲。
・「いい曲」は、どこがいいのか?
・まきりか流「作曲の実践風景」
 
 
第6章 作家集団コミュニティの時代へ
 
・「コライト」が大流行の音楽シーン
・切磋琢磨しあうコミュニティの大切さ
 
 
おわりに ―今日から一歩を踏み出そうー


第1章 誰でもクリエイターになれる時代がやってきた


・プロとアマの境界線は崩壊した

 
 
 作詞、作曲、あるいはシンガーソングライター、バンド、楽器演奏家。これらの活動をしている人々の間で、いつも話題になることがあります。それは
「何をもってプロと名乗れるのか」
という問題です。
 たとえば、他人に職業を聞かれて「私は作曲家です」「ミュージシャンです」と言えるかどうか。そういう意味では、まず「音楽で食べていけている」ことが、プロと名乗れるひとつの指標になると思います。主な例としては
 
・CDの販売やライブの収入で食べているミュージシャン
・作詞・作曲の注文が途切れずにある作詞家、作曲家。
・出演料や指導料を収入源としている演奏家
 
などがあるでしょう。
 
 しかし、本業は別に持ちながら週末のバンド活動でもけっこう人気を得ている、なんていう人も少なくありませんし、最近はYouTubeで火がついて人気が出るアーティストも増えました。
 
 かつて、シンガーソングライターやバンドマンの夢は、メジャーレーベルからデビューして曲がヒットすることでした。しかし現在は、地上波の音楽番組よりもネット上の動画で情報を得る人が増え、ミュージックビデオを公開するアーティストも多いです。
 極端にいうと、音楽はもうお金を払って買うものではなくなりました。AppleMusicなどのサブスクがあるじゃないかと言われるかもしれませんが、1曲1再生あたりの印税はこんな感じです。
 
・Amazon Music Unlimited・・・1円
・Apple Music・・・・・・・・・1.1円
・LINE MUSIC・・・・・・・・0.7円
・Spotify・・・・・・・・・・・0.3円
・Amazon Prime Music・・・・0.4円
(2021年8月調べ)
 
 サブスクで私たちが楽曲を1回聴くたびに、これらの金額が、権利者つまりレコード会社へ支払われます。
 そこから慣習的な相場でおおよそ、著作者へは2〜3%、歌唱したアーティストへは1%が支払われます。わかりやすく計算するために印税を仮に1円とすると、作詞家作曲家へは0.03円、歌唱アーティストへは0.01円。
 つまり、作詞家作曲家は、1万回再生されてようやくそれぞれ150円。
3万円の印税を受け取るためには200万回再生が必要なのです。
 
 過去のヒット作が多数ある大物アーティストならまだしも、新進のアーティストにとっては、このサブスク時代に楽曲を作って発売しただけでは収入に繋がりにくいことがよくわかります。
 
 そこでレコード会社などの発売元は、CDに様々な特典をつけて「グッズ」として販売したり、ライブのチケットやそこでの物販を主な収入源としています。コロナ禍ではライブの多くが中止となりましたが、業界全体がどれだけ大きな打撃を受けたか、想像していただけると思います。
 
 もはや楽曲だけを売って収入を得ることが難しくなりました。しかし、それと同時に、誰もがYoutubeなどで発表したり、AppleMusicなどで販売ができるようにもなりました。収入を得る方法も多様化しています。プロアマの境界線はついに崩壊。むしろ何がプロかアマかなんてことを語ること自体がナンセンスという時代です。
 
 あなたなら、これを「悪いニュース」と、とらえますか?
 それとも「良いニュース」だと歓迎しますか?
 
 私は、すべての人に活躍のフィールドが広がる、とても楽しい時代になったと思いました。普通に考えたら、作曲家作詞家としては失業の危機かもしれないというのに・・・(笑)。
 でも、おかげさまで私は、現在も作詞作曲の依頼が途切れることなく、経済悪化の影響も受ける事なく、プロとして収入をいただき続けることができています。
 
 その違いはどこにあるのか。
 
 自分自身や周囲を振り返って考えてみた結果、私が結論として導き出したのは、次のふたつです。
 
 ひとつは
『いい歌!』と言われる楽曲を提供し続けること
 
 もうひとつは
時流の流れに乗って行動すること
 
 です。これが、誰でもクリエイターになれる混沌の時代のなかでも、プロの作詞家・作曲家として生きていく方法です。この章では、あなたの脳を「プロ思考」に変えていくコツをお話ししましょう。
 
 

 
・「桃鉄」から「ミュージカル」まで
 
 
 自己紹介が遅くなりました。
 私は現在「まきりか」というペンネームで作曲家・作詞家・脚本家をしています。最近は主にミュージカル、ラジオドラマ、テレビドラマも書いています。また、アーティストへの楽曲提供や音楽プロデュース、企業CMやイメージソングの作曲や、歌手のキャスティングを含めたプロデュースを手がけることも多いです。
 また、ペンギンレーベルというインディーズ音楽レーベルを運営しています。2021年には出版社も立ち上げました。
 
 
 初めて作曲家として仕事をしたのが1991年、約30年前になります。大学を卒業後、ゲーム会社「ハドソン」に作曲家として、新卒で入社しました。
 今でこそゲームの制作会社は人気就職先ですが、その頃は「ゲーム業界」という言葉すらありませんでした。大卒で入社を希望する人も少なかったと思います。そんな中、ゲームもほとんど触ったことがないのに、「作曲家募集」という文言に惹かれ、軽い気持ちで受けたらなんと採用されたのです。
 
 ちなみに、採用試験で曲を作ってデモテープを送るまで、作曲をしたことがありませんでした。中学2年生まではピアノをかなりガッチリ習っていたのですが、音大に行く気がなかったので高校受験と共にやめました。そのあとは、音楽とは無縁でバンドすら経験がありませんでした。
 私が「作曲は誰でもできる」と言っているのは、こんな自分自身のルーツにも基づいているのです。
 
 社会人としての最初のキャリアが作曲家という、なんとも異質なスタートでしたが、成長著しい会社の中で次々と新作ゲームの作曲・編曲を担当させてもらうことができました。
 最初の仕事は「桃太郎電鉄」シリーズです。
 桃鉄といえば、多くの世代の方がご存知でしょうか。作曲はサザンオールスターズのベーシスト 関口和之さん。編曲が私でした。当時はまだ2作目で、ゲーム機もPCエンジンからスーパーファミコンが登場し・・・という懐かしの時代です。桃鉄がこんなに長く愛され続けるヒット作になるなんて予想もしていませんでした! キングボンビーのテーマなど、今では定番曲といわれる曲を数多く製作しました。
 桃鉄以外にも、古いゲームファンには今も人気が高い「ソルジャーブレイド」「天外魔境Ⅱ」などの作編曲に参加しました。
 
 その後、経営コンサルティング会社に転職しましたが、週末起業で企業CMの作曲を続けていました。28歳で独立起業し、作曲業に加えて、ビジネス雑誌や書籍の編集もしていました。マーケティング・コピーライターとしても、複数の企業と契約し仕事をしてきています。
 
そうこうするうち、20代の終わり頃でしょうか。「文章も書けるなら、作詞もできるんじゃない?」と言われて、Jポップの作詞を手がけるようになりました。それ以来、作詞作曲の両方で、アーティストへの楽曲提供をしています。
 
「作詞も誰でもできる」と私が言うのは、このように私も軽い流れで始めたからです。大事なのはまずやってみることと、引き立ててくれる人と繋がることです。この事は、第2章以降でも詳しく説明しますね。
 
 
 それから数年経った、2005年頃。ふとしたキッカケから、子どものミュージカルスクールを立ち上げました。市民ミュージカルでも子役養成所でもなく、一般の子が「おけいこ事」としてミュージカルの舞台に立つ日本初の機関だったと思います。
 子ども達は普通の子たちなのですが、指導者は現役のミュージカル俳優。スタッフはプロの舞台を手がける錚々たるメンバー。大人の出演者は、三宅裕司さんが座長をつとめる「劇団スーパー・エキセントリック・シアター」の看板役者さん達です。チケットも有料で「ぴあ」で販売していました。
 
 歌って踊って自己表現するミュージカルは、子どもの情操教育に役立つという信念のもと運営していましたが、他のどこにもない体制を創り上げるのには大変な時もありました。でも今、当時の生徒達は大学生・社会人となり、それぞれがやりたい事をどんどん行動に移せる頼もしい人物に成長しています。その姿を見ると、やっぱり「表現する」ことは手段が何であれ、人を輝かせてくれるのだなと実感しています。
 
 そして、当時の私は、そのミュージカル公演をやるために、見よう見まねでミュージカルの脚本と曲を書くようになりました。理由はただひとつ、他の人に頼む予算がなかったからです(笑)。
 
 ところが、その公演を見た舞台のプロデューサーから「面白いものを作っているから、プロでやらないか」と声がかかり、2012年。42歳の時に初めてプロのミュージカル興業で脚本家・作曲家としてデビューすることになったのです。(ミュージカルスクールはその後、経営を委譲)
 作家としては遅咲きも遅咲きです。しかも演劇界出身でもない。デビュー当時はよく
「あの『まきりか』とかいう、ひらがな四文字のヤツは何者だ? 劇団四季にも、下北沢の小劇場にもいなかった」
などと噂されました(笑)。
 
 それから今日まで、多くの製作会社から依頼が途切れることなく脚本と作曲のお仕事をいただき、おかげさまでミュージカル作家として知られるようになりました。私の作品、特に曲が「泣ける」と言われることが多く、誰からともなく『まきりかメロディー』と言っていただくようにもなりました。
 
 
・音楽業界30年、変わったこと変わらないこと
 
 
 長い自己紹介になってしまいましたが、私がここでお伝えしたかったのは、縁に導かれるように行動したことで、また次の展開を誰かが運んできてくれたということです。
「偶然ではなく、必然」などという言葉もありますが、ここへ至るまでの様々なターニングポイントで、まさに「必然の出会いだった」と思えるような体験がいくつもあり、それが現在への道を形成してきてくれました。
 
 でも、それは私だけに起こった奇跡や、私にしか備わっていない才能とは思いません。
 冷静にふりかえってみても、何かを生み出すクリエイター、とくに世の中の流行を生むような音楽を創り出そうとする身であるならば、時代の変化の中で常に新しい潮流をキャッチしていくことは、やはり必要不可欠であったと思います。
 
 私は、作詞家になりたかったわけでも、ミュージカル作家を目指したわけでもありませんでしたが、自分が「音楽と言葉を書く」ということだけを武器に、たとえ形を変えてでも
「生き残ろう」
と、無意識で思っていたのかもしれません。
 生き残るために時代の変化をキャッチしたい、変わりたい、そう強く願って周囲を注意ぶかく眺めていたことで「必然の出会い」につながることができたのではないかと感じています。
 
 また、30年も作曲活動をしていると、音楽業界にも、日本経済全体にも、さまざまな変化がありました。
 たとえば1990年代、ヒット曲はドラマ主題歌とのタイアップで生まれました。CD売り上げ数百万枚も続出という時代です。テレビもその頃までは予算が潤沢にありました。ドラマの劇中曲作曲や、CMソング作曲のギャランティは、当時に比べるとだいたい三分の一程度の金額になった感覚です(当時がバブっていただけかもしれませんが・・・)
 
 報酬のことだけを見ると、現在は夢がなくなったように思われるかもしれませんが、そんなことはないと思います。
 私が思うには、メディアがどう変化していこうと、音楽業界は
「常に新たな才能を求める世界」
です。それは時代が変わろうとも、決して変わりません。
 
 そして、世の中の人は、常に新たな音楽に出会い、心を動かされることを望んでいます。聴く人の日常にその曲は溶けこみ、その人の人生の思い出の一部となっていくのです。
 音楽を提供する側として、それは喜びであり、夢であり、永遠のロマンです。
 
 いまどきは音楽が売れないから。不況でギャラが安いから。プロかアマかわからないヤツが溢れ出してるから・・・。などと、ネガティブな言葉を身にまとって、この誰もがクリエイターになれる千載一遇のチャンスの年をつまらなく過ごすなんて、もったいないことです。
 まず行動に移した人から、見える世界が変わってきます。
 
 

 
 
・いまが旬!クリエイターの発表の場「メタバース」と「NFT」
 
 
 この本を書いている2022年2月現在、クリエイターの間で「NFT」の可能性が大きな話題になっています。技術と時代は日進月歩なので現在の状況は省きますが、みんな
『何かが大きく変わる』
という予感だけは強く持っています。
 
 アートの分野が先行していて、音楽も一部のミュージシャンから少しずつ広まってきていますが、音楽NFTの将来性は現段階では未知数と言われています。
 ですが、私は、ひょっとしたら将来、ほとんどの音楽はNFTになるのではないかと思っているのです。
 NFTは、とてもシンプルな事だけをいうと、それが売買されるたびに著作者も利益を得られる、これまでにない「クリエイター=著作者を守れる」仕組みです。まだ試行錯誤の過程にあるとはいえ、少なくとも、現状のように音楽がネットでほぼ無料で入手され、どれだけコピーされても著作者に還元されない状況を打破したいという「うねり」を、著作者やアーティストの側から感じるのです。
 
 また、「メタバース」という言葉も急速に使われるようになりましたが、私も2018年から
「VRの世界が、音の世界と相性がいい」
と注目し、いち早く音楽レーベルの「ペンギンレーベル」を設立しています。
 ペンギンレーベルでは、バーチャルのキャラクターを企業と共同プロデュースしたり、音だけのミュージカルドラマのアルバムをリリースしています。
 メタバース上でライブやミュージカルを発表することが主流になる時代も、そう遠くないと4年前から感じていましたが、いよいよ本格的に動き出した感があります。
 
 これらの話題は、この本に直接関係ないように思われるかもしれません。ですが、音楽業界は、これまでとは比較にならないスピードで進化しています。これからの時代にも『プロ』の作詞家・作曲家として生きていくには、新しい流れはたとえサラッとでも、キャッチアップしておくほうが良いですよね。
 
 
 そこで、私が20代に、経営コンサルティング会社にいた時から実践している
『世の中で注目されている事柄に一瞬で詳しくなる方法』
をご紹介します!
 
 
 まず、その事柄に関連する「書籍」で、面白そうなものを5冊ピックアップして読みます。5冊というと多く感じられますが、ざっと流し読みでも構いませんので必ず5冊選んでください。2〜3冊だとハズレもありますし、著者の偏った意見で書かれている場合もありますが、5冊読めば、そうしたハズレや偏見も含めて、世の中で話題になっていることの全体像が多面的につかめてくるようになります。
「5冊」がポイントです。
 
 次に、個人ブログやnote、WEBニュースを検索し、「あまり当てにならない」という前提で流し読みします。実はよくわかっていない状態の人が書いているケースが多いからです。それなりに詳しそうな肩書きの人だったとしても、一個の記事をうのみにしないようにしましょう。
 ただ、世論の盛り上がりや最新状況は、ここでつかむことができます。
 
 ここまでで、なんと、もう「ちょっとした専門家」ぐらいの知識を身につけることができています。ウソみたいですが本当なので試してみてくださいね。
 
 次にオススメなのは、これだと思ったセミナーや講座を何かひとつ、実際に受けてみることです。今ならオンラインで気軽に参加できるものが見つかる事も多いと思います。生で話を聞いてみると、書籍とは違う情報も得られます。
 この頃にはもう、「他人にちょっと解説できるぐらい」詳しくなっていると思います。
 
 ぜひ、今後のあなたの「血肉」を作るために、実践してみてくださいね。
 
 

 
 
・音楽は「他人の時間を使って表現する芸術」である
 
 
 ここでは、プロの作詞家・作曲家、アーティストである未来のあなたに、語りかけたいと思います。
 
 どうせなら
「いい曲!」
「いい歌!」
「名曲!」
「神曲!」
と、みんなに言われるようになりたいと思いますよね?
 
 私も、「いい歌」を作ることはとても大事にしています。
 
「いい歌」の定義もいろいろありますが、ここでは
 ・メロディーや歌詞が、リスナーの心にグッとくること
 ・クライアントや演出家などの狙いどおりであること
としておきましょう。
 このような曲を作ることができれば、それだけで「次の仕事」につながる可能性が飛躍的に高まります。
 
 それに、音楽は、他の芸術と違う点は
「時間を使う芸術」
だということです。
 
 絵画ならば、目に入った一瞬で訴えかけられる感覚があるでしょう。(厳密にいえば絵画も鑑賞して感じるまでに時間は経過しますが)
 
 音楽だけが、鑑賞する人の、人生の時間を、必ず使うのです。
 
 そう思ったら「しょうもない曲を作って、人の時間を奪うわけにはいかない」と謙虚な気持ちがわいてきて、一曲一曲に全力を注ごうと、気が引き締まります。
 
 もちろん、人には好みもありますし、誰かにとって「いい歌」でも、また他の誰かは「クソみたいな曲」と吐き捨てるかもしれません。(きたない言葉でスミマセン(笑)。若い人はクソとかバカとかをすぐ使うので、そういうニュアンスで使ってみました)。
 どんなに心血を注いだ作品も、SNSなどで好きなように評されます。
 
 ただ、私たちはプロです。私たちにとってお客様は、リスナーや観客であると同時に、クライアントや演出家、監督、プロデューサーなのです。
「いい曲だった」
「いい仕事をしてもらった」
と思ってもらえるような仕事をすること。それがプロの条件です。
 そして、プロならばきっと次の仕事につながります。奇跡の一回よりも、継続していけること。これが本当のプロです。
 
 さあ、ここまでで、あなたの中には「プロ思考」が芽生えたはずです。
 
 あなたのこれからの人生をどうデザインするかを思い描きながら、そろそろ具体的に『作詞家』『作曲家』としての作品づくりを、マスターしていきましょう。
 ここからがいよいよ、面白いところです。
 

第2章 【作詞家 基礎編】作詞家になるために必要なこと

へ続く。


<お知らせ>
現在、「まきりかの『おとだま塾』」として作詞講座・作曲講座を実施しています。
2024年は6月15日開講です。
月1回、全5回、10月5日までに自分だけの「歌」を作って修了します。

2024年は、すべての塾生さんの詞に、まきりかが曲を書きます。
プロを目指すまでではなくても、世界にひとつの自分の歌を作ってみたい。
何かを表現してみたい。あるいは、完成曲の商用利用も可能です。
あなたの想いを形にしてみませんか? お待ちしています!

『おとだま塾』のページ
https://j2p23.hp.peraichi.com/



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