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さいしょの一歩

当時、mixiで知り合って一緒にカフェ巡りなんかしてた友達にある日彼氏が出来た。
「おめでとう~、どんな人?」
聞くと彼女は嬉しそうに
「力士なの!いいよー。カッコいいし、強くって!!」

という、予想のナナメ上行く答えをしてくれた。
交際相手に強さというものを重要視していなかった私は「はあ・・」という他なかったのを覚えている(笑)

しばらくして彼女は、私にこういってきた
「今度さぁ、紹介したいひとがいるからさ!私と彼氏と4人で飲もうよ!」

と誘われた。
正直に言うと、お相手に大変申し訳ないのだが・・「なんか面白そうだな」と思っていったのが8割(笑)

夜、友達と友達の彼氏と合流する前に、昼間に二人でお茶でもしてきなよ、と友達から言われた。

浅草にホテルをとったので、そこから歩いて約束の場所に向かった。

浅草はさすが力士のホーム・・着物に髷姿でも、周囲は慣れたものである(笑)

遠目からでもわかった。2m近い力士がこの時間にその場所で誰か待っていた・・。待ち合わせには力士ってわかりやすいな・・と、どうでもいいことを思ったりした。

はじめましての挨拶をして、近くのファミレスでお茶でもといって歩きだした、そのあとだった。

2mの彼の踏み出した一歩がとても大きいのだ(なんかの格言じゃないけど・・)
彼の一歩に対して、私は小走りでついていく。
実家に戻って数年していたが、いくら車社会といえど、そこまで体力は落ちていなかった(今はかなり落ちたけど)
だとすると、彼の歩みが非常に速かったのだ。

彼は振り返りながら
「一歩が大きいですかね。すいません、ジロジロ見られるのがいやなので・・」
とホームとはいえ力士という職業故の悩みを私にいきなり伝えて、スタスタと歩みを進めていく。

ファミレスに着くころには、私も疲れ切ってしまっていた。
私は力士相手に追いかけるマスコミみたいに、ずっと小走りでついてきてたのだ。スポーツ紙の相撲担当の人って・・大変だと思った(笑)
悪い人ではなかったし、とてもいい人だった。

そのあと友達と合流するまで、二人でドリンクバーでお話をしたけど何の話をしたかは全く覚えていない。

ただ、強いとか優しいとかいう以前に、とにかく歩幅が大きくて歩くのが速い印象しか残らなかった(笑)

もしかしたら当時、相撲部屋の不祥事続きがあった時期でもあり、街で力士見かけると人から色々言われるから、あまり見られたくなかったのかな、と今は思ったりもします。

ま、力士と待ち合わせしてドリンクバーいくという、なかなか出来ない経験はしました(笑)


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