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ワークショップ第07回[20200518-0524]『世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学』【読書会】

この記事はコミュニティ内部向けの記事になります。ご了承ください。

どうもみなさん。今週のワークショップを担当するマッキーです。1週間よろしくお願いします。
始めるにあたって、今回のワークショップに対する私なりのスタンスや意図を明らかにしておいた方が円滑に進むと思いますので、まず先に述べさせていただきます。
私にとって本コミュニティのワークショップ自体、一種の“遊び”だと思っています。決して軽んじているわけではありません。糧を得るためでも、将来の実利を得るためでもなく、ただただ興のため行われる営みの中にこそ、本当の学びは息を潜めているはずです。

本ワークショップには、様々なものを題材に多様な意見を述べあう場が置かれています。そこで思考し、自身の意見を表現しあるいは異質な意見を吸収することで、日常の環境では決して得られない刺激を味わえる可能性が眠っています。ただこの遊びには目に見えないハードルも現状存在していると感じます。それは、初期段階特有の『生みの苦しみ』と『羞恥心』です。皆さんばらばらのバックグラウンドを持つ以上、ワークショップで題材になるものに対してほとんどの人は“門外漢”のはずです。ゆえに意見を求められても「いや何とも思わないけど・・・」がスタートになる事が多いはずです。空っぽから曲がりなりにも自分なりの意見を構築し文字表現に落とし込むことは非常に骨が折れます。また、空っぽからの表現というものは恥ずかしいものです。時として、広場の真ん中で知らない人に向けて創作ダンスを踊るような自己開示感を伴います。
上記は、実際にこの1か月半に私が感じたハードルです。私は自分自身がこの遊びを楽しむためにこのハードルを越えていけたらなと考えています。

前置きがめちゃくちゃ長くなってしまいましたが、今回のワークショップの書籍はこちら。

本書は若手哲学者 近内悠太氏のデビュー作です。氏の思想哲学が一般読者向けの平易な文体で展開されています。氏はこの世界を動かす動力は基本的に資本主義、すなわち交換経済であるとしまたそれを原則肯定しています。しかしながら同主義の下、価値の即自的交換のみを追求することの限界や失敗をも指摘し、それらを埋め合わせる補修材としての贈与を提示しています。贈与は贈り手にとっては未来完了であり、受け手にとっては現在完了である。つまり贈与とは、今現在と過去・未来を交錯し、時間を超えて人と出会いなおすことなのだ・・・。本書を読むことで世界を見通すためのちょっとした眼鏡をかけることができます。しかしお気づきの通り、この眼鏡は若干度が強めで、しかも著者の色がごってり付着した色眼鏡です。必ずしも気に入る必要はありません。今回は他人の眼鏡をかけてその視座からの景色を体験してみませんか?この眼鏡の見え方をメタ視点で考えることで、自分のかけている透明なナニかの存在の片鱗を感じることができれば素晴らしいのではないでしょうか。

ということでワークショップとして、やっていただきたいこと。


■最初の(月)(火)で(できれば(月)に)
①本書内の気になったキーワード・表現を抜き出して簡単な感想を添える。 or ②著者の展開する議論その他本全体についての意見。 (腑に落ちる・落ちない。なんでも結構です。) or ③本書に登場した概念や関係性について、自分の実生活に活かせるアナロジーなどを述べる。

【ポイント】
考え始めてから15分程度以内で書き終えることができるあえて“質の悪い”意見を出していただきたいです。ワークショップ初期の段階では質より量を大切にしたいので、ご協力いただければ幸いです。逆に言えば、ワークショップに15分程度お時間を頂ける方にはコメントを頂きたいです。笑

なお、私からはできるだけ皆さんの意見にコメントさせていただきます。私も門外漢なので大したコメントはできないかもしれませんが、一緒に考えていきたく思います。

(水)から週末
①他の方の意見を読み、自身に刺さるものを見つけ出しコメントする。
②本書やワークショップでの議論からの学び・気づき
※ほかの方の意見へのコメントは(月)からしていただいて全く問題ございません。


【ポイント】
この1週間は試みとして、コメント力を磨いてみませんか?笑
どんな意見に対しても、自分の土俵の中でコメントできる部分を見つけていく力は大切です。相手の意見を抽象化し理解すること、自身の具体とのアナロジーを見つけること、それらを短い文章に落とし込むこと・・・表現の勉強にもってこいなのではないかと思います。
私はあまり得意ではなく、会議でもよくだんまりしてしまうことが多いので、この機会に頑張って練習してみようかと思います。

それでは、一週間よろしくお付き合いください。


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