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ところ変われど変わらぬは人なり〜coffeehouseエリカ@竹の塚

扉を開けると常連さんと思しき老齢の女性が煙草をふかす姿が目に飛び込んできた。

うむ、、、
一瞬躊躇した僕に、いらっしゃい、どうぞ、とマスターらしき男性が明るく迎え入れてくれる。

こちらへ、と案内されたのは4人席。
座るとすぐにお水とおしぼり。
そうそう、喫茶店はこれ、まず、お水とおしぼり、これなんだよね。

モーニングお願いします、と伝えると、モーニングは2種類ありますとマスターがテーブル横のメニューを指す。

厚焼トースト500円とハムトースト550円。
厚焼トーストをオーダーする。

するとすぐにカップに入ったコーヒーが供された。
僕は、どちらかというと、食べたあと派である。コーヒーは、何かを食べたあとに飲みたい、食べながらよりは。

まぁいいかとコーヒーを一口すする。
あっ、美味しい。

このお店では、コーヒーはオーダー後に淹れてくれるわけでない、淹れたてですらない様子。
カウンターをみると、コーヒーサーバーにコーヒーが入っている。
オーダーされたらそこから注ぎすぐに出す仕組みのようだ。

これはこれで嫌いではない。
なぜなら、席について、まず、すぐにコーヒーを頂けるからだ。

香りや味わいを追求するならば、オーダーしてから一杯ずつ淹れてくれる店に限る。
しかし、街の喫茶店である。しかも、モーニングタイムだ。
さっとコーヒーを飲んで、モーニングを食べて、いざ仕事! そんなお客さんも少なくなかろう。
出かけに、まずコーヒー。これはこれで、上等なサービスなのだ。

モーニングはなかなかのボリュームだ。

バナナが半本添えられたサラダ。
かたすぎず、柔らかすぎず、ゆで卵は絶妙。
厚焼トーストにはじめからバターを塗ってあるのが、ザ喫茶店、とても好きだ。

バンを頬張りながら、あらためて店内を見まわす。
4、50代のマスター、さらに年配のお婆さまといってよい女性がキャッシャー前に座っている。

ここ、coffeehouseエリカは、昭和の時代から長く続く喫茶店で、たびたびメディアにも登場している。
惜しむらくは、3年ほど前に、長く続けていた竹の塚駅前から移転してしまったことだという。

ネットで調べたその情報をみて、、、
むむっ、、、

僕は、その昔、手のかかるクルマ、メルセデスベンツS124に、W124の500Eのエンジンやボディの一部を換装し、車屋さんがモーターショーに展示するためにつくったクルマを譲り受けて、愛車にしていた。

7年ほどの間、整備のたびに預けていた車屋さんに通うためにいつも、竹の塚からバスに乗った。
三郷の方へのバス待ち時間を、喫茶店で過ごしていたことを思い出した。

何度か訪れていたのだ、このエリカに。
古臭いが、居心地の良い喫茶店で、本を読んだりして、バスまでの時間潰しをしたのだ。
そうだ、このおばあさんには見覚えがある。

まだまだ暑いですねぇ。
またお越しください。
会計の際に、おばあさんに、親しげにそう声をかけていただいた。

僕のことを覚えている?!
そんなはずはなかろう。
このおばあさんは、前からいつも誰にでも親しげにしていたことも思い出した。

ところ変われば、、、
いやいや、ところ変われど人は変わらず、だ。

◆coffeehouseエリカ

東京都足立区東伊興3-3-15
https://website-773442461561879391082-cafe.business.site/

https://r.gnavi.co.jp/8zmx3gwp0000/






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