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おウチde俳句「第16回写真de俳句」分析(人選編)
「夏井いつきのおウチde俳句くらぶ」というサイトに「写真de俳句」というコーナーがあります。
毎月発表されるお題(写真)を見て、俳句を投稿すると、夏井先生に「天」「地」「人」「並」「ハシ坊(箸にも棒にも)」(+選外)を選んでいただけるというものです。
第16回「写真de俳句」の並選の傾向を分析した前回の記事が以下です。
全体傾向は前回記事に記載しているので、今回はボリューム少な目になります。
人選の傾向から見えてくる並選との違いについてです。
■今回のお題:麗らかな川辺
![](https://assets.st-note.com/img/1650442291468-NGDepqdjcu.png?width=1200)
■人選の傾向について
人選は348句でした!(並選は2592句)
※良い単語を使うことで良い俳句が作れるとは限りませんし、ありふれた言葉を使った名句もたくさんあること、理解しております。遊びだと思って笑って見ていただけると幸いです。
①頻出単語
はじめに、「よく出てきた言葉」Top20です。
![](https://assets.st-note.com/img/1650443669453-blPHS3gBol.png)
春、犬、冬、川がTop4でした。上位ランキングは並選と同じで、出現割合もほぼ同じです。
(比較のため、右にグレーで並選の順位を並べています)
②共起ネットワーク
ざっくり説明すると、「よく使われた言葉・一緒に使われやすい言葉」を一覧化した画像です。
![](https://assets.st-note.com/img/1652001679512-ORSOjJbNYp.png?width=1200)
こちら、同じ俳句の中に出現する単語同士の関係性の図です。
円が大きいほど出てくる数が多く、太い線で結ばれているほどつながりが強いことを表しています。
同じ色で塗られているエリアは、関連の強いグループです。
一番目立つのは右のほうにある「春」、左の方にある「犬」。
「冬」はこちらには出てこないですね。
並選と比較し、句の絶対数が少ないので、冬に関しては「この組み合わせが多い」と言い切れる組み合わせが抽出されなかったのだと思います。
>春や冬、冬うらら、風光るといった映像のない大きな季語に、犬、あるいは空、川、雪、土手と大きな景色を描写した俳句が人気のようです。
↑上記は並選の方の記事に書いた内容ですが、今回「春の川」が多いことからも、類似の傾向がある可能性が高いです。
「犬」についてはどうでしょうか。
前回記事では「散歩」「土手」等の単語が線で繋がれて出てきていましたが、
今回は「嗅ぐ」が上位となっています。
(数が少ないためあくまでも仮説ですが)「犬の散歩」「犬のいる土手」から更に一歩踏み込んで、犬の鼻先にクローズアップしているところがポイントかもしれません。
例えば、人選の犬句は以下のような句がありました。
鼻先、首元、毛など、ピントを合わせた映像の切り取り方が鮮やかですよね。
春一番犬の円形脱毛症 / ひでやん
犬の嗅ぐ川の匂ひや冬旱 / 海峯企鵝
麗かや牧羊犬に銅の鈴 / 渥美こぶこ
プードルの毛は抜けません春の風 / ⑦パパ
第16回「麗らかな川辺」《人》① | 夏井いつきのおウチde俳句くらぶ (ouchidehaiku.com)
せっかくなんで、私の句も見て下さい、、笑
土筆茹でる犬は笑うから好き / 冴
■といいつつ、天の句
春の道だれも知らない区歌うたふ 山本先生
(第16回「麗らかな川辺」《天》 | 夏井いつきのおウチde俳句くらぶ (ouchidehaiku.com))
素敵……!
この素晴らしい句に対して、組長のコメント以上に私から申し上げることは当然ないのですが、(上記リンク先を読んでいただければ……)
「春の川」「春の空」ではなく、「春の道」としたところに、歌いながら歩くゆったりした時間の流れ、一歩一歩の足裏の感触、作中主体の日々の生活が表れていると感じました。
ということで、「並選」句に「春」とか「冬」が多いからといって、それがイコール凡人ワードだというつもりはもちろん全くございません!!!天獲ってるし……
■まとめ(仮)
①「(季節)の(大きな景色)」の五音は他の選択肢もあるかも
⇒一般化するあまりわけわからん見出しになりましたが、「春の川」「冬の空」みたいなフレーズのことです。そのような上五・下五が今回とても人気でした。
勿論、このようなフレーズの利用が良いとか悪いとかではないです。
据わりの良いきれいなワードにパパっと決めちゃわないで、もっと効果のある「春の○○」がないか?と一度立ち止まって考えるのが大事だと学びました。(天の句みたいに、、)
②クローズアップしてみると良さそう
⇒今回だと「犬」を描写するとして、「犬の散歩」「犬のいる土手」とざっくり描写したところから少しクローズアップして俳句のタネを探すのも効果的だと言えそうです。
犬の鼻先、手先、足先、毛の感じ、色んなところにピントを合わせるとまた新たな感動が見つかりうるのかなと思います。
第20回の締め切りが明後日ですので、これらのポイントに気を付けてそろそろ俳句を考え出そうと思います。
また気が向いたら簡易版を投稿しますね。
ご指摘あればよろしくお願いします!
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