【セルフライナーノーツ】#6. サンキューサンキュー【ノーマライズ】
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【セルフライナーノーツ】#4. dialogue【ノーマライズ】
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【「サンキューサンキュー」楽曲クレジット】
作詞：小田貴音 作曲：小田貴音 編曲：万貴音
【楽曲解説】
アルバムには必ず1曲は入る「4つ打ちダンスポップ」。アルバム全体の流れとしては、実はこの曲がラストナンバーなんです（次曲「ユキマチ」はエクストラトラック的な意識で置いてます）。
そして「じゃんごーじゃんごー！」「ハローハロー」に続く「同じ単語を2回繰り返すタイトル」シリーズの1つでもあります。このシリーズ、もっと作りたいと思ってはいるものの、なかなかピンとくるものに出会えず。「ソーリーソーリー」とかは作れる気がしないもんなあ。笑 ちなみに「一つ一つ」はタイトルこそ同系統っぽいものの、コンセプトが違うのでこのシリーズには入らなかったり。
思いを言葉にして伝えるのって意外に難しい。思春期の恋愛感情なんかは特にそうだと思いますけど、日常の挨拶や感謝、謝罪の言葉を素直に伝えられない人って結構います。自分も例外に漏れず、いらんことはペラペラとよく喋るけど、自分の感情をストレートに伝えるのには謎の抵抗、というか恥ずかしさがある。気持ちを乗せる分、拒絶されるのが怖いからなのかな。
「言わなくても伝わる」なんて幻想、悪く言えば責任放棄だとも言えてしまう。仕事でもそう、「言わなくても分かれよ！」って言われたら「んなもん分かるか！」って答えたい。笑 言わなきゃ伝わらないんです。頭の中にいい曲が鳴っていても、取り出して音にして聴いてもらわないと証明出来ないのと一緒。
とはいえ、すぐに変えられるなら誰も苦労しない。伝えられない自分にがっかりすることだって今までたくさんあったでしょう。ましてや「愛してる」だなんて。でも、その中で一番チャレンジできる言葉が「ありがとう」だと思います。
感謝されて嫌な人なんてそうそういないもの。人は感謝されると嬉しく感じます。自分もその人との関わりで嬉しく感じたから「ありがとう」を伝えたくなったわけで。ほら、どっちも幸せ。「サンキュー」ってみんな幸せなプレゼントなんです。何も減らず、幸せだけが増える。魔法の言葉です。
軽ーい感じでいいんです。重たくなくていい。言ってみ？救われるぜ。
【音の解説】
4つ打ちダンスビート、ブラス、ストリングス、おまけにチップチューン（ファミコン音源）も全部乗せ、という豪華編成ながらキレも良くまとめた激ポップな楽曲。今振り返ると、ちょっとピアノに責任負わせ過ぎたかなって印象もあるんですが、この時の精一杯だったのかなあと思ってます。
アレンジは明確に元ネタがありまして、中学時代から敬愛してる及川光博さんの「バラ色の人生」です。この曲のアレンジャーが日本が世界に誇る「CHOKKAKU」さんなんですけども（広島出身の方です）、CHOKKAKUさんのセミナーに参加させてもらった時にこの曲を送って聴いてもらったことがありました。笑 めっちゃくちゃ緊張したのを覚えてます。
「ハッとさせるもの、人を振り向かせる要素を加えてみるといいと思う」ってお返事をいただきました。ちゃんと聴いてくださったんだなあ…と感動したあの日。自分が一瞬とはいえリアルタイムで教わった、世界の最前線で仕事されてるクリエイターのCHOKKAKUさん、武部聡志さんの存在はとてつもなく大きいです。
アレンジの話に戻ります。土台はいつものドラム／ベース／ピアノ／アコギで固めつつ、ブラス・ストリングス・チップチューンの役割分担をいつもより明確に考えて進めました。この編成だと細かいフレーズはブラスに預けがちになるんですが、ストリングスでもリードを取りたかったので、その差し引きをかなり考えました。こういう時はDTMってほんと便利。いくらでもトライアル&エラー出来ますからね。人力でやると大顰蹙です。苦笑
と、間奏ではチップチューンでもリードを取ってみました。このフレーズ、香り付け程度ではあるんですが、モチーフはドラクエ5なんです。
うん、絶対分からん。笑 メロディじゃなくて響きにインスピレーションを受けたんです。体に入った音がいつどうなるかは分からないってことなんでしょうかね。
「終わる詐欺」をしたのもこの曲が初めて。ライブで特にこの辺効果的なエフェクトになったかなあと思ってます。無音部分に「サンキュー！！」って言えるのが実に良い。
【あとがき】
アルバムでのラスト曲的な立ち位置で作られた「サンキューサンキュー」、ライブでも終盤戦で歌うことが多い曲です。コンセプト的にも合致してるか。
音楽すること、歌うことも「独りよがり」では成り立たない。「受け取ってくれる人」がいてこそ成り立つのが音楽です。そしてもっと前提に立ち戻ると、自分が生きていることも、産んでくれた親を始め、誰かのおかげ。自分の根源は「ありがとう」が無ければ成り立ちません。感謝できる自分でありたいし、感謝の気持ちを忘れずに死ぬまで生きていきたい。
次回は最終回「#7. ユキマチ」です。アルバムのエクストラトラック的存在、かつ万貴音の冬歌の最高峰。お楽しみに。
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・シングル「クローバー」
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・シングル「優しい言葉」
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・アルバム「ノーマライズ」
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・アルバム「Ancient Collections」
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・シングル「ごめんあそばせ feat.桑原しおり」
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・シングル「にらめっこ」
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