子どもが産まれて、少し楽になった話

夏休みだ!どこに出かけるかな〜。いやいや、家で一日中好きな本を読んだり昼から風呂に入ったりして、夕方はつまみを作りながらビール飲もう。

なんて。もちろんそんなことはできない。仕事は夏休みに入った。けれど休み前に終わらせようとした大量の仕事が終わらず結局、自宅でやることに。休み前の1週間、子どもが風邪を引き、熱は上がったり下がったり。当然、保育園はお休み。夫と交代で休みをとったりテレワークに切り替えたりして、世話をした。夜中に仕事を片付けようとしたが、子どもは不機嫌でなかなか寝ないし、寝ても1時間ごとに起きる。辛い。眠い。イライラ。

さすがに海外には行かないものの、遠方に出かける独身の同僚を見ていると正直羨ましい。お金も時間も労力も自分のために全部使える。いいなー…。

でも。じゃあ独身に戻りたいか、子どもができる前に戻りたいかと言われると、違う。子どもが産まれてから生きるのが少し楽になった。

子どもの頃から「成果が出ないと居場所がない」環境だった。自己肯定感はとても低い。進学で地元を離れて、初めて恋人ができた時、ようやく「ただ生きてるだけでもいいんだ」と思った。振られた時、もう社会人になっていたけど、違う会社の人に心配されるほど落ち込んだ。「結局、私じゃダメなんだなあ」。今から思うとモラハラタイプで、あの時別れておいて本当に良かったんだけど。

しばらく仕事が私の軸になった。努力しても頑張っても結果が出なければ会社にはマイナスで、そんな自分はいる価値がない。だから少しでもミスすると動揺して、会社からどんなに理不尽な事をされても飲み込み、無理な仕事をし続けた。転職しても仕事へのスタンスは同じだった。

育休を経て、フルタイムで復帰した。会社でミスしようが成果を出そうがこの子には関係ない。ごはんを食べさせて、授乳して、オムツを替えて、着替えさせて、時々通院して。仕事とは別の軸ができた。

こんな私だけど親なんだ。それは揺るがない事実。子育ての「成果」なんて分からない。そう気づいてから、前よりは「成果が出ないと生きる価値がない」みたいな思い詰め方をしなくなった。

ただ、生まれ育った環境が与える影響は絶大で今も私の根っこにある。娘には、こんな思い詰め方をしてほしくない。だから出来るだけ本人のやりたい気持ちを伸ばしてあげたい。





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