お散歩しましょう|今日も京とて、お番茶日和(4/22)
2020年4月20日(月)
ゴミの日。バラに水やり。大宮の「ラトナカフェ」に閉店の張り紙。こうしてひっそりと閉じていく店も少なくない。悔しい。自転車でソルム。ゾンビさんが、カラスマ大学の事務所から(本物の)大学の授業配信するのを、私は企画書や原稿を書きながら見守る。いい感じで始まったのを見届けて、徒歩3分の出版社までお使いに行き、2,000円に値下げしているシャクヤクの鉢植えを買うのをぐっと我慢、松原商店街で、おはぎと多分今年はこれで食べおさめの桜餅を買って、2時間の(本物の)授業が終わった頃を見計らい、事務所に戻る。無事に(本物の)授業が終えられて安堵したゾンビさんと少しおしゃべり。「久しぶりに人としゃべった~」と言ってもらえて、それだけでうれしい1日。街にこんなに人がいないのに、信号待ちで編集者の竹井さんに数年ぶりに会った。「京都駅まで歩いてきたけど、ガラガラやったわ」。元気そうで何より。体温は36.2度。
2020年4月21日(火)
いいお天気。ここ数日、町内の小学生たちが、できたばかりのコインパーキングを格好の野球遊び場にしている。いつもなら叱られるところだけれど、車の量が少ないので、おおらかに許されている感じ。オムロンの立石さんの訃報。午後、自転車で祗園まで。千本から堀川通りまでは割と普段通り、烏丸通までは日曜の朝のような気配。烏丸以東は人影だけではなく交通量もなく、祗園は映画のセットみたいにシンとしている。同じ京都市内でも、東西のグラデーション。「鍵善」で特別に販売されている「祗園まもり」とお干菓子、向かいの「松葉屋」で松露を買う。松葉屋のおじちゃんのボヤきにいつも通りちょっと付き合う。芙紗ちゃんの店にも寄ったけど休み。帰り道、竹屋町通の「平野豆腐」で厚揚げを買う。体温は36.4度。
京都カラスマ大学の高橋マキです。ウィズコロナな日々を「離れていても一緒に学ぶ」方法として日記を始めることにしました。詳しい経緯は、初日のブログをご覧ください。
さて、本題。
今日の課題:お散歩しましょう
今の京都の街の様子を見ておきたくて、千本から祗園まで自転車をゆっくり走らせました。千本から西へ向かって、御池通、三条通、河原町通、鴨川、祗園をくねくねと。鴨川にカップルの姿いないけど、川床の準備は着々と進んでいます。京都の街は「自転車サイズ」と言われるほどにコンパクトで、ちょっと行けば繁華街に行けたり、山に行けたり、御所に行けたり。私も普段は、自転車を愛用しています。
だけど時々、地方へ取材に行って(私の本業はライターです)「次の場所まで、歩こうと思うのですが、何分くらいかかりますか?」と問うと(地方に行けば行くほど車社会なので)たいてい変人扱いされます。そして「20分くらいかな~」と言われた場所まで歩き出すと、実は1時間以上かかることもしばしば(笑)。懲りて帰りは誰かの車に乗っけてもらうと(たいていみなさん快く送ってくださる)、その距離ものの数分で、思わず適当に「20分くらいかな~」と言ってしまった人の気持ちもわかったりして。
京都でも、普段は自転車で移動する距離を歩いてみると、ちょっとした発見がありますよね。京都駅からうちまで何分か。御所からうちまで何分か。いつ役に立つかなんてわからないし、その数字は今やGoogleMAPが瞬時にしてはじき出してくれる時代ではあるのですが、歩いて20分、40分、1時間という感覚を、身体で知っておくのはなんとなく、大切だと思うのです。
その間に、どんなお店があるか、どんな気になるお家があるか、どんな公園があるか。その間に、どんなルートバリエーションがあるか。自分が歩ける範囲で、手に入れられるものはなんだろう。
もしかすると、人にとっては「帰って寝るだけ」の場所だった「家」の外側に広がる「neighborhood(ご近所)」を、歩くペースでつぶさに観察することは多分、新型コロナウィルスによって私たちが奪われてしまっている気がする8割「じゃないほう」、つまり「人間の暮らしに必要な2割」の活動に入ると思います。国や空気によって制約される「不自由な8割」の側に心をとらわれず、2割の側をつぶさに見てみれば、自分の暮らしの意外な豊かさに気付けるかもしれません。
「2割側の世界を大切に。自分の身体で暮らしを計ろう」
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