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出版社とのやり取りを通じて、商業出版を目指すように

「なになに……出版企画書って、そんなに重要なんだ」

出版社にコンタクトをするため下調べをしてみたところ、原稿よりもなによりも、出版企画書を提出しなければならないことを知りました。

ウェブサーチしたところ、出版企画書のテンプレートはネット上でも簡単に入手可能で、一部の出版社では出版企画書の体裁のコンタクトフォームが提示されていました。

そこで、まずは包括的な項目が含まれているテンプレートを探し出して、項目ごとに記入してみることに。


書き出してみたら、出版企画書には「想定顧客」、「本の体裁」、「想定読者」や「価格」も記入しなければならず、本の内容が重要だと思っていた私は少々驚いてしまいました。

そして、出版企画書に含めるべき項目が広範囲であったこともあり、書き上げるだけでもかなり時間がかかりました。

はじめは、項目を埋めることだけでも相当な時間がかかり、正直面倒な作業だなと感じました。さらにネットで調べ続けると、出版企画書はありきたりに項目を埋めるだけでは不十分とのこと。

有料の出版企画書作成コンサルを提供するサービスも見つかりました。
「未経験者が、編集者に採用される出版企画書を書くことは無理」というコメントも目に付く有様。


「出版企画書って、そんなに作成するのが難しいの?」

出版経験がゼロで、出版業界について知識がほぼなかった私は、出版企画書を一人で作成できるという自信はなかったです。

でも、経営コンサルをしていた時、クライアントへ「企画提案書書」を書きまくっていた身であったことを思い出しました。
そして出版のための企画書作成だって、今まで得た知見を活用したらやれないことは無いだろうと徐々に思うようになってきました。

昔書いた企画提案書について考えていたら、実にシンプルなポイントを思い出しました。

企画として通る本は、ビジネスとして受け入れられる水準のもの、つまり「売れるもの=利益を生み出すもの」。
そのことに気が付いたら、どんな内容を出版企画書に書き込めばいいのか自然に理解することが出来ました。

「なんだ、昔書いていた企画提案書とそう変わらないじゃない」
そう思えたら、気が楽になりました。(笑)


本を売る際のアピールポイントの一つに、著者のプロフィールがあります。(だから、多くの有名な方が本を出します)
経歴については遠慮がちに書くよりも、アピールすべきことは明確に書く方が良いと気づきました。

また、販促活動についても積極的な方が受けが良いようです。
売ることに積極的な著者の方が、プラスの評価を得るような気がします。
「私は書くだけだから、売るのはお願いします」と考えてしまいがちですが、書くのも売るのも、全方位でやる気があります!とした方がいいのでしょう。

仕事の時企画提案書を何度も書きなおしていた経験から、出版に向けた企画書も何度も書きなおす前提で作ることにしました。そして、推敲を重ねて何とか形のあるものにすることが出来ました。

とりあえずウェブで原稿を受け付けている6つの出版社に、出版企画書と原稿の一部を提出することにしました。

9月末にコンタクトしたところ、10月半ばぐらいまでに大体の出版社から返信がありました。

一部からは、「自費出版なら契約します」という返信。
また、一部からは「共同出版なら契約できます」と連絡をいただきました。


共同出版を提案いただいた2社からは、実際に契約書のドラフトをお送りいただきました。
でも、契約内容を読んでみると、本は出せても本当に書店に置いていただけるのか、多くの人にリーチできるのか不明でした。


「本を作れても多くの人に読んでもらえないなら、本末転倒だなあ……」

そう思うと、やはり出版社が本気で売るために動く商業出版でなければ、本を出す意義があまりないような気がしてきました。


商業出版する本として選ばれるには、多くの人が読みたいと思うレベルの内容である必要があります。確かにハードルは高いけれど、それぐらいの内容にしなければ、本にする意味はない、と考えるようになりました。

「自分一人よがりのエッセイを書くのではなく、読んでくれた人の役に立つ内容にまで昇華させなければだめなんだ」

出版社とのコンタクトを通じて、そう思うようになったのです。そこが、商業出版への道への転機だったと思います。




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