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意外に知られていない「人を動かす褒め方」

社会人に「最近、褒められましたか?」と聞くと、大抵の人は首を横に振ります。なかなか褒められないようです。
その逆も然り、褒めることも少ない人が多いです。

おそらく、大人ならできて当たり前という気持ちがあるのでしょう。
しかし、大人でも、どんなに立派に熟した人でも、褒められたら嬉しいものです。


人を育成する人は、褒めることが重要で欠かせない。と心していると思います。

ですが、ただ褒めればいいというわけではありません。

「きれいだね」
「スタイルがいいね」
「スーツが似合うね」

このような褒め言葉は、もちろん言われたら嬉しいですが、相手を動かすまでの効果はほとんど無いと思ってよいでしょう。

「できるよ!」
「大丈夫だよ!」

このような励ましに近いものも勇気づけられますが、だいぶ抽象的です。相手のなかに後まで残らないですし、相手を動かすまでには至りません。


褒めることは、単に相手を気分よくさせればいい、というものではないのです。


育てる過程においては、相手の成長を考え、行動を起こさせる=相手を動かす褒め方でないと、意味がありません。

相手を動かす褒め方には3つのポイントがあります。

1)人の心に残る褒め方をする。

褒めるところは、相手の行動や考え方がベスト!
具体的に、「あの時こんなことをしていたから、責任感が強いんだなぁ。と思った。素晴らしいね。」と伝えます。
すると、相手は、また次にそのようなシーンになったり、褒められたことをする度に思い出します。

2)相手の伸びて欲しいところ(弱点)を褒める。
弱点は、改善点ではなく褒めることと捉えます。

例えば、時間にルーズな後輩に対して。
毎回遅れることに対して「遅れたらダメじゃないか」と注意しがちです。それを止めて褒めるのです。

以前、実際に私が後輩に行なった事例を紹介します。
いつもルーズな後輩がたまたま時間通りに来た時に、
「早く来て偉いね。しっかりしてるなぁ」
と言ってみたのです。
すると、彼女は照れくさそうに、でも嬉しそうに微笑み、翌日以降は遅れることがほとんどなくなりました。
 

他の場面でも活用できます。

話すときに声が小さくなってしまう人に、「いい声してるね、もっと聞きたいな」と言ったりするのも効果的です。

人は、誰かに褒められたところを伸ばそうとするものです。相手の弱点を、敢えて「誉め言葉にして伝える」と、それがゆくゆくは強みに変わっていくのです。


3)誉め言葉に加えて自分がどんな影響を受けたか、を添える。
褒める言葉のあとに、自分の感想を伝えます。

仕事ぶりを褒める際に「すばらしいね」「熱心だね」という褒め言葉で済ませません。「真似ようと思う」「こんな仕事をする人は見たことない」など、自分の感想やこれからの自分の行動などを添えます。
ここでのポイントは「Iメッセージ」。主語は自分です。私はこう思った、と伝えると、率直に伝わります。

相手は、自分の影響力に酔いしれ、褒めてくれた人を特別な存在だと思うようになります。


上記の3つのポイントを行なうには、相手に関心を持ち、よく観察することです。

私は成人するまで、親からほとんど褒められたことがありませんでした。親は、私の性格を配慮し、意図的にそうしていたのだと思います。
高校生の頃、進路か何かの話をしていた際、叔母に褒められました。
「あなたは本当に努力家よね」と。

とても驚きました。

私が知らないところで見ていてくれたのか。
努力していると思ってくれていたのか。

私は自分に対し、そう思ったことがなかったのですが、一気にぎゅーん!と力が湧いたのをハッキリ覚えています。
素直に嬉しくて、自分を誇らしく感じました。

そしてその後、壁にぶつかった時、もうここまでかと思った時に、叔母の言葉が必ず反芻され、自分を信じて乗り越えてきました。
誉め言葉の威力、凄まじいです。まさに、人を動かす褒め言葉です。


褒め言葉のバージョンアップ、ぜひお試しを。

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