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NHK杯山下九段vs上野女流最強位の対局が楽しみすぎる

いよいよ、12月6日(日)

第68回NHK杯テレビ囲碁トーナメント 

山下九段vs上野女流最強位の放送です!

解説は張栩九段!

対局者も解説者も大好きな棋士の方ばかりなのでずっと楽しみにしていました。

今回は先生方の好きな所と、楽しみにしている点を書いておきたいと思います。

まず、山下九段は「平成四天王」の1人で、その中でも1番最初にタイトルを獲得した方です。

"魔王"とも呼ばれる事のある井山先生と平成後期ずっと戦い続けてきた…つまりタイトルホルダーか、挑戦者であり続けた、とんでもなく強い方です。

しかし、昨年末から今年の初めにかけて、不調の時期がありとても心配でしたが、自粛明けから調子を取り戻されたご様子で、今なおトップ集団を走り続けておられます。

今期の初戦で初手「5-5」を放ち半目勝ちで3回戦に進出されたので、今回の対局でも何かやってくれるのか?それとも、その剛腕を発揮されるのか?期待してしまいます。

そして、そんな"剛腕"山下先生の対局者が"ハンマー"上野先生!!

まだ19歳なんですね、上野先生。

いや、見た目や話し方はゆるふわ系で、ただただ可愛らしい方なのに、盤上では相手の石を取りに行く剛腕型って、ギャップ凄くないですか?

現在の女流タイトルは上野先生と藤沢里菜先生、鈴木歩先生の3名が保持されていますが、この3人超強いんです。七大棋戦の本戦進出や、リーグ入りまであと1勝とか、一般棋戦優勝、準優勝とかこの数年で囲碁界の歴史に新しいページを刻み続けている方々なんです。

今期の2回戦では、序盤で予定変更があり石を獲る展開ではなく、ヨセで競り勝った上野先生。

先日のタイトル戦の解説の先生方が「最近は序盤もヨセも更に上手くなってきた。石獲らなくても強い」とおっしゃっていたので、今回はどんなスタイルで戦われるのか楽しみです。

さらに!解説が張栩先生!!

今期のNHK杯は張栩先生の解説無いのかなと、半ば諦めかけていたので、表にお名前を見つけた時は嬉しくて大変でした。

しかも、なんて好カード。実は、上野先生がNHK杯に初出場された年の大会でも張栩先生が解説者だったんですよね。

その時も、上野先生vs蘇耀国九段という好カード。ちなみに蘇先生と張先生はお互いを親友と公言されている仲。

その蘇先生は上野先生が院生の頃から、とても才能のある子だと評価していて、研究会等で面倒を見ていたこと。

また、安全だと思っていた石に襲いかかり獲っていく様を

"大きな…重そうなハンマーを振り回して追いかけてくるイメージ"

と面白く例えていたというお話を披露されていました。おそらく、これが今の上野先生の代名詞"ハンマー"が全国的に認知された瞬間ではないかと私は思っています。

解説の先生は色々なタイプがいますが、張先生の解説は「囲碁って面白いんだろうなぁ」と思わせてくれます。なぜなら、張先生が本当に楽しそうに解説されるからです。

良い手が打たれると「この手にはこういう意味がある。だから良い手です」と、とても分かりやすく教えてくれますし、たまにそうでもない時は「自分なら打たない。こっちに打つ」とバッサリ切っていく(笑)でも、それが嫌味な感じはなく、"こういう図もあったけどね〜"と変化図(大抵めっちゃ早くて、難解で、聞き手の方も見守られている)を示される時の張先生の、ある意味ワクワクしている姿を見るだけで、楽しめます(笑)

新しい布石の披露になるのか?

ハンマーの叩き合いになるのか?

"戦い好き"の山下先生と上野先生の対局を"実利派"と言われる張先生がどう捌くのか?

楽しみです!