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㉟ルルド~ 祈り

コロナ禍で、2020年、2021年と、夏の旅行はお預けとなっています。

先週ご紹介したルルドへの旅は、2019年でしたが、
その地を訪れることを提案したのは意外にも夫とその友人でした。

(ルルド ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%AB%E3%83%89)

特に信仰心が強いわけでもない二人が旅の起点にしたのは
偶然だったのでしょうか。

私の方は、ルルドに行くのであれば、
奇跡の水を持ち帰ってプレゼントしたい人が数人いました。

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ルルドのハイストリートには奇跡の水を入れる空のボトルや
マリア様関連の品、土産物類を並べた店が軒を連ねていました。

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車椅子の方、付き添う看護師もしくは修道女達、
杖をついた足元のおぼつかない方、
それぞれどのくらい遠方からいらしたのか、
単なる観光客であるのが申し訳なく感じるくらいで、
こんなに沢山の真剣に「祈る人」を目の前にしたのは初めてだったかもしれません。

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のちに列聖され聖女となったベルナデッタ・スビルーの前に

ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%BC

マリア様が現れ、奇跡の水が湧き出ることを教えたという岩窟にも
長蛇の列ができていました。

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私自身は、具体的に宗教を持っているわけでもなく、
哲学を深く勉強したわけでもなく、
実は今現在も「祈る」ことに対して、
頭の中できちんと整理できずにいます。

最近、たまたま手に取った中野信子さんの『脳科学からみた「祈り」』を読んで
腑に落ちたことがありました。

その著書の中で紹介されているのですが、

『「ファンクショナルMRI(機能的磁気共鳴画像法)」など
脳内の動きをリアルタイムで観察できる画期的新技術が登場し、
脳科学は1990年代以降飛躍的に進歩しました。』

「ミラーニューロン(共感細胞)」の研究で、
私達がどのように他者に共感するかという仕組みがわかってきたそうで、

私達の脳は、恋愛や金銭的な報酬よりも、ずっと、「社会的報酬」を欲する器官で、他者との共生、人を愛し、人のために尽くすことに大きな喜びと幸福を感じるのだそうです。

そして、「よい祈り」により、分泌される
(幸せホルモンと言われる)オキシトシンが免疫力を高め、
天然の妙薬になり、様々な病気の改善・治癒にも大きな力を発揮する、と。
但し、「祈りを惰性にしない努力」も必要である、と。

ついつい、日常の些細なことに揺れてしまうのですが、
今あるものに感謝して、その時の自分のベストを尽くせたとき、
「人事を尽くして天命を待つ」という思いに至れた時、
誰かの為に、真摯な気持ちで祈れた時、
確かに、私自身も清々しい幸福感を感じられる気がします。

禅寺では、清掃や厨房で食を担うことも、修行のうちと考えられていると
聞いたことがあります。
職業であれ、役割であれ、
黙々と目の前の課題に取り組むことも、
広義での「祈り」なのではないかと思えます。

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