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(62)サロン・デュ・ショコラ2022 その3

今週も私が今週も私がサロン・デュ・ショコラ東京でアテンド通訳を担当させていただいている
M.O.F.ショコラティエ、フレデリック・アヴェッカーさんについて綴らせていただきます。東京でアテンド通訳を担当させていただいている
M.O.F.ショコラティエ、フレデリック・アヴェッカーさんについて綴らせていただきます。

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FRÉDÉRIC HAWECKER

HPは以下の通りです。
www.hawecker.com/


(フレデリッック・アヴェッカー:40代@アヴィニヨン/フランス)

(アヴェッカーさんはファースト・ネームからフレッドと読んでいますので、
以下フレッドと記させていただきます)

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(Q1、2は先週の記事をご参照ください)

Q.3 この仕事で一番大切なことは何だと思いますか?
A.3「勿論味が一番大切です。イメージした味を具現化するには高い技術と知識と、そして質の良い素材が必要です。
幸運なことに、私の住む南仏プロヴァンスには良質な素材が豊富にあります。
明るい太陽の恩恵を最大限に受けた広大な土地がもたらす美しい風景と、
多くのインスピレーションを与えてくれる素晴らしい食材に恵まれたこの故郷を私は深く愛しています。」

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Q.4 プロヴァンスへの思いをもう少し聞かせていただけますか?
A.4 「私はガナッシュにオリーブオイルを使うこともありますが、
故郷への貢献の意味からもプロヴァンスの小さい生産者や精製所の高品質のオリーブオイルを
選んでいます。
情報収集を綿密に行い、時には直接生産者の下へ出向き、素材を激選します。
オリーブオイルと相性のよい地元のハーブ、例えばラベンダー・レモンバジル・ミント・ジンジャー等をバランスよく使い、同様にラズベリーやアプリコット等の果実、アーモンドもプロヴァンス産のものを選んでいます。」

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(写真はサロン・デュ・ショコラ オフィシャルムック2018 別冊家庭画報 世界文化社 より)

「幼い頃はプロヴァンスの小さな村La tour d'aiguesラ・トゥール・ディーグに住んでいて、
近くには美しい城やワイン生産者のブドウ農場がありました。
私はこの田舎暮らしが心底好きだったし、よく散歩やサイクリング、時にはキャンプを楽しみ、時には家族とDIYもしました。
ここアヴィニヨンでの生活もプロヴァンスの自然の恵みに満たされています。
新作のインスピレーションが湧いたら、ノートに書き留め、すぐさま試作します。
この仕事をするための環境や条件、プロヴァンスのすべてが私にとって完璧なんです。」
(次回に続く)

本日のおまけ~ちょっとした (56)サロン・デュ・ショコラがくれたもの 3

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プロの通訳の方、飲食分野でのフランス留学経験者が多い中で、
どちらにも該当しない私がアテンド通訳の仕事をいただけるのは幸運なことだと思っています。
自分の技量が足りない部分を補うために、
担当のショコラティエの関連記事を読んだり、youtube動画を観たり、
会期が始まるまで、できる限りの準備をします。

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フレッドは、2018年に初めて上記のオリーブオイルを使ったガナッシュをサロン・デュ・ショコラで紹介しました。
会期の前日プレス関係の方をお招きする日があるのですが、通訳していて一瞬頭の中が真っ白になってしまったことがありました。
「オリーブオイルの他にガナッシュにはなにがはいっているのですか?」という質問に
フレッドが
「牛乳と風味をつける他の食材を・・・」と話を続けたのですが、
私は、
「オリーブオイルと牛乳?どうやってそれを凝固させるの?」と一瞬頭がスタックしてしまい、フレッドが次に話していたことが飛んでしまったのです。
例年、事前にある程度の情報は伊勢丹さんから頂き、下準備して臨むのですが、その部分は抜けていました。
正直、個人的に想像すると、かなりオイリーで胃の重くなる、あまりイメージできない組み合わせだったので、集中が途切れてしまったのです。
秒数にするとせいぜい0.1秒くらいのことなのですが、
こういう時に慌てると収拾がつかなくなるもので、耳が赤くなっているのが自覚できました。
再度聞き直して、事なきを得ましたが、その時のフレッドの心配そうな顔を顔を思い出すと今でも冷汗がでます。

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通訳の仕事を通じて、多言語を日本語に変換する技量も勿論、
「黒子に徹する」「相手の意図をしっかり聞く」「場の空気を正確に読む」等々、
私が個人的に自分の課題だと思っている点にも、しっかりと向き合わせていただけていると思っています。

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