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クリスマスカラス (410字) 〜毎週ショートショートnote参加作品〜
クリスマス。人間達にとっても待ち遠しい日だけど、それはカラス達も同じ。
だって、売れ残ったり余ったりしたごちそうが、たくさん街中に捨てられるんだもの!
中でも七面鳥はこの日しか食べられないレアなごちそう。ありつけたら、そりゃもうハッピー。
この日、人間の子供達は白い袋を持ったサンタのおじさんを待つけど、カラス達は黒い袋を持ったコックのおじさんをレストランの裏口で待つ。
街の賑やかさも落ち着き始めた夜ふけ、疲れた顔をしたコックのおじさんが黒い袋を置いた。
さぁ、パーティーだ!ビルの屋上や街灯の上で待ち構えていたカラス達が一斉に群がる。
くちばしで器用に袋を破ると……あったあった、七面鳥!色めき立つカラス達。
だけどその時、耳をつんざく轟音……ゴミ収集車だ!
慌てて飛び立つカラス達。収集車は、七面鳥も他の袋もあっという間に持っていってしまった。
カラス達は車の走り去った方を見て、何かを訴えるように恨めしげに鳴くばかり。
カー、って。
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