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新春龍漫才 【干支漫才2024】

キン「オレ達、キングギドラ!……キンでーす!」

グギ「グギでーす!」

ドラ「三波春夫でございます」

キン「おい、令和やぞ!堂々とレツゴー三匹師匠パクりやがって!」

ドラ「ドラでーす!三匹合わせてキングギドラ、よろしくお願いしまーす!」

キン「まぁ、三匹というか一匹というかね……皆さんご存知の通り、ひとつの体に三つの頭でやらせてもらってるわけなんですけども」

グギ「今年は龍年ということで、より一層頑張っていかなあかんねぇ」

ドラ「ちょっと待って……オレら龍という扱いでええんか?一応宇宙怪獣やねんけど」

キン「ええんちゃう?言ったもん勝ちちゃう?」

ドラ「そんないい加減なのあかんて……今はSNSですぐ叩かれるんやから」

キン「気にしいやなぁ……そんなこっちゃ、体がいくつあっても持たんで」

ドラ「ひとつしかないやないか!オレら三つ頭あって体ひとつ……ほんま不便でかなわんわ」

キン「ほんまほんま」

ドラ「まぁでも、この三つの頭がゴジラと戦う時には強みになるねんけどな」

グギ「せやなぁ、打球もよく見えるしな」

ドラ「そのゴジラちゃう!令和にゴジラ松井はもう厳しいぞ!」

キン「……じゃあ、赤のほう?」

ドラ「嶋はもっと無理!赤ゴジラなんてオールドカープファンしかわからんわ!」

グギ「なぁ、そこの客席のネェちゃんカワイイな……ちょっと茶でもシバきにいかへん?」

ドラ「おい、なにいきなり漫才中にナンパしとんねん!自由過ぎる!」

キン「えー、オレはあっちの子がええなぁ」

ドラ「お前も乗らんでええねん!」

キン「まぁまぁ、そうかたいこと言わんと、お前も好みの子誘って3対3でグループデートしようや」

ドラ「3対1や、実質!3人の女性と1匹の宇宙怪獣!」

グギ「まずはどっかファストフード店入って……モスラバーガーとか」

ドラ「モスバーガーな!無理やり絡めんでええねん」

キン「で、次は小洒落た居酒屋行って」

ドラ「宇宙怪獣、居酒屋入れるかな?」

グギ「いい感じにみんな酔ってきて、王様ゲーム始めて」

ドラ「なにをしとんねん」

キン「まぁ一応、キング、ギドラやからね」

ドラ「言うてる場合ちゃうねん」

グギ「王様だーれだ!……あ、エミーちゃん!」

ドラ「映画『ゴジラVSキングギドラ』の主人公かつヒロインな!説明さすなよ!だいたいなんで参加しとんねん!敵やぞ?」

キン・グギ「王様の命令は、ぜったーい!」

ドラ「敵と仲よろしいなぁ!ゴジラ出る幕ないやん」

キン「え?命令なに……2番と5番がキス?」

ドラ「アホか」

グギ「オレ、2ばーん!」

キン「……オレ、5ばーん!」

ドラ「そのパターンもあんねや!なんでや!」

グギ「マジかよー」

キン「しゃあない……ほないくで」

グギ「……」

キン「……」

キン・グギ「あかん、はずい!」

ドラ「なにを見せられとんねん!……両端の首同士がキスして、真ん中でオレはどういう感情でおったらええねん!」

キン「……妬いてんのか?」

ドラ「妬いてへんわ!気持ち悪い……」

グギ「で、最終的には女の子と1対1に分かれてやね」

ドラ「分かれられへん!万が一お前がひとりの子とええムードになっても、もれなくあと2匹ついてくんねん!体ひとつやねんから」

グギ「えー……ちょ、オレが会ってる間、目隠ししといてぇや」

ドラ「そないなこというても」

グギ「オレも目隠しするから」

ドラ「なんでやねん!」

グギ「そんでロウソク垂らされて……ゾクゾクするわぁ」

ドラ「なんで初手からいきなりSMプレイやねん!だいたい体に垂らされたら、オレらも『熱い熱い!』ってなるやんけ!」

キン「……ゾクゾクするわぁ」

ドラ「お前もMか!ええか、宇宙怪獣がロウソク垂らされて、両端は恍惚の表情、真ん中だけ『熱い熱い!』……どんなんやねん!」

グギ「逆になんでお前だけMちゃうねん」

キン「そうやで……体と心の不一致やん」

ドラ「そんな大層なもんやないわ」

キン「不安がらんでもええんやで、今ボーダレスな社会やねんから」

ドラ「社会っていうか、まずオレらの体がボーダレスな!」

グギ「アレか、もしかして、お前逆にSなん?」

キン「オレらがいたぶられてるの見て興奮してるんちゃうん?」

ドラ「んなわけあるか!そんなロウソク垂らされて……」

キン「熱っ……ええわぁ」

グギ「熱っ……ええわぁ」

ドラ「熱っ!……でも、あいつらの苦悶の表情……ええわぁ」

キン「ええわぁ……」

グギ「ええわぁ……」

ドラ「そそるわぁ、ええわぁ……」

キン「もっと!」

グギ「もっと垂らしてぇ!」

ドラ「もっと垂らしてるの見せてぇ!」

三匹「あー……ええわぁ……」

ドラ「なんやねんこれ!快楽の永久機関か!」

キン「最高やん」

ドラ「最低や!ただのド変態怪獣やないか!」

キン「いや、ええやん……もう、それに備えて今からレッドブル飲まな」

ドラ「モンスターがレッドブル飲むな!ややこしい……」

キン「翼を授ける、いうて」

ドラ「オレらもうあんねん、翼は!」

グギ「さっきからうるさいなぁ……そんなこと言うヤツには白米食わさんぞ」

ドラ「立浪監督!ドラゴンだけに!唐突なボケやめぇ……自由過ぎる!」

グギ「いや、自由がないねん、あの球団は」

ドラ「やめぇやめぇ!炎上する!」

キン・グギ「♪燃〜えよドラゴ……」

ドラ「やめぇ!その燃えるちゃうねん……もう、そんなんやから、オレらシン・ゴジラ出られへんねん!」

キン「えっ……」

グギ「お前、それは……」

ドラ「なんや……正直なぁ、龍年やからキングギドラやいうてオレら出てきたけどな……若者にイメージできてるか不安やねん!わからんかったら、オレらただのド変態怪獣やん!」

キン「……」

グギ「……」

ドラ「……すまん、ちょっと言い過ぎた」

キン・グギ「……ええわぁ」

ドラ「あかん、こいつら真性のMやった」

三匹「どうも、ありがとうございましたー」

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