メガネ初恋 (410字) 〜毎週ショートショートnote参加作品〜
私、メガネ。
さっきまでは、他の子達と一緒に店頭に並んでいた。でも、今は違う。愛するご主人様のおメガネに叶ったの。
ただのフレームだった私のボンヤリした視界に、急にフレームインしてきたご主人様。一目惚れ、そして、初恋だった。
そう、メガネだって恋をするのよ。
迷っているご主人様がピントを合わせてくれるように、私、精一杯フレームを輝せてみせた。勇気を出してコンタクトをとったの、メガネだけど。
そしたらご主人様、私を手にとってくれた。まだレンズ入ってないけどはっきりわかったわ、伊達男だって。
自分で言うのもなんだけど、私ってそこそこ見た目もイケてると思う。別にそれを鼻にかけてなんかないけど、なぜだか選ばれる自信があった。そして、ご主人様は私を気にかけて、かけてくれた。
レンズを入れられて完成。今さらやめるなんて近視、いや、禁止なんだからね!
でもご主人様、私をかけたまま小首をかしげた。
再調整?うーん、ちょっぴり度が過ぎたかしら。
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