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作品集入稿を終えて 1

 2023年10月10日、私の4冊目の著書が発売される。
 長い間、請負仕事の商業カメラマンをやっていたことを振り返ると、50歳を過ぎてから「著書」を持てるようになるとは思わなかった。ましてや、53歳から57歳の4年間で4冊も出せるとは。
 写真の仕事が回るようになった初めの頃は、いつか自分の作品集を出してみたいと、ぼんやり思っていたが、テーマを持って撮りたいと思うものもなく、特別変わった写真が撮れるわけでもなく、作品撮りなんてめんどくさいとしか思わなかったし、とにかく、プライベートでカメラを持つのが面倒だった。フイルムだって高いし、すぐにお金になるわけでもない写真に現像代を使う気にもなれなかった。
 そんな私が、著者として自分の作品集を出せるとは、人間どうなるかわからないものである。
 ただ、とにかくものぐさな私が、トチ狂って仕事以外の写真を撮ろうと思うようになったのは、写真がデジタルになったことが大いに影響しているだろう。

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