見出し画像

受験英語から 自由になる 2 ~テストのための勉強?~

こんにちは。
元アメリカの大学でスピーチを教えていた、英語コーチ高橋です。
月、木に中級者向けのスピーキング、プレゼン力アップのコツを書いています。
初めての方はこちらから(自己紹介):

今回は、「受験英語から自由になる」シリーズ、その2です。
日本って、テストと名のつく色々な英語の試験があります。多くの人にとっては、受験英語も通り抜けなくてはいけない物の1つです。

そして 多くの日本人は、資格試験が大好き。主な物は英検とか、TOEIC等でしょうか。それに合格したり、~点を取ったりすると、大喜びです。まるで英語力の証明になったような、英語力アップに必要な全てが、そろったような、英語学習の頂点に登りつめたような、感じで喜んでいる方達がたくさん。

しかし、本当にそうでしょうか。試験と名前がつくものは、ある一定の基準を満たすと、合格したり、問題に、試験を作った所が期待するような答えをすると、点が上がったりします。

つまり、問題作成者の決めた基準をクリアーすればいいのです。だから、合格したり、~点を取ることが、必ずしも、世界に通じる英語力の証明には、なりません。

なのに、日本国内では、英検1級を持っている、TOEICで900点を超えた、となると 英語スピーキング力があるように思われています

確かに、上のことを達成するのは、簡単なことではありませんし(私は両方、条件を満たしています)、一定の英語力はあるでしょう。しかし、英検一級に合格できても、TOEICのL&Rテストで900点取れても、海外で英語を話しながら、自由にコミュニケーションを取れるかというと、そうでない場合も多々あるかと思います。

裏を返せば、上のテストに受からなくても、点がそこまで取れなくても、
練習のしようによっては、海外で英語で十分にやっていける力をつけることが、できます。
(私は英検一級の2次のスピーチに4回落ちました。アメリカ滞在後、日本に戻り、一回で受かったのですが、それは、テスト用の勉強をしたのではありませんでした。)

だから、テストの結果に一喜一憂せず、総合的な、できれば4技能の力をつけていってほしいのです。(読む、書く、話す、聴く)テストに受からないのは、嫌なものですが、上に書いたように、テストが課してくる、一定の条件を満たしていないだけなのだから、テストに受からない、が英語ができない、には、必ずしもなりません。

残念なのは、懸命に受験も含めて、勉強してきたのに、第一志望の大学に不合格になってしまったり、目指すテストで~点を取れなかったりした時に、自分の英語は駄目だと多くの方が、思いがちなことです(私も含めて)。

今だから言えますが、勉強って決して無駄には、なりません。今回の結果が思わしくなくても、原因を探り、そこを強くして、またテストの傾向などを調べて、再び臨めば、きっと受かるでしょう

上の言葉を、四回続けて、英検1級のスピーチで不合格になった私に、言われても、当時は素直には、聴けなかったと思います。ただ、これは、皆さんに、是非試していただきたいのですが、もっと相性がよくて、前の不合格だったテストと同じぐらいの難易度のテストが、別にあったら、そちらを試してほしいのです。

私は、あまりにも落ちるので、英語の才能が無いと思い込み、人生から英語を取って、生きていこうと思い詰めました。それをする前に、英検一級と同じぐらいの難易度で(合格率6%)、少し毛色の変った試験はないかと、探したのです。

そうしたら、唯一の国家試験である、通訳案内業国家試験が、見つかりました。一年目は一次で敗退しましたが、とても手応えがあり、二年目に無事合格。予備校にも通信教育で通いました。色々 不思議なこともあって(試験前5分間に見ていた問題がでたり。。。)これで、英語をやめなくてよくなったと、ひとまず安堵しました。官報に名前が載って、上司に呼ばれて、褒められました。

英検のことで、あれほど嫌な思いをして、努力しているのに、なぜ不合格なのだろうと、ずっと自問自答してきた日々。やっと報われたと思いましたが、英検は依然として不合格のままでした。

今だから、言えるのですが、試験との相性ってあります。たまたま通訳案内業試験は、私に合っていたのでした。なので、もし複数の試験から選んで受けることが、許されるのならば、ご自分に合ったのを選んでください。(留学用のTOEFLとIELTSとか。)

また、ガイド試験が易しい年、というのがあるそうで、合格できたのは、その年でした(受験を辞めなくてよかった)。不合格だったのは、必ずしも、あなたの力不足だけが原因ではない時もあるので、試験の傾向をさぐり、英語の基礎力(単語、文法。。。)を鍛えていれば、合格できると思います。

それに、そのテストを受けることは、あなたやあなたのキャリア構築にとって、本当に必要なことでしょうか。周りが受けているから、英語力の証明に、というのは、日本国内でだけ通用する理由だと思います。TOEICは、世界中の受験生の80%は日本人と韓国人だと言われており、海外に留学する際には、その点は問題になりません。

英検1級に受かったら、それで終わりではなくて、更にその先に、もっと海外で通じる力を測るための、TOEFLやIELTSという試験があります。試験時間も長いし、4技能全て試されます。「うちの大学・大学院に入って、やっていけるか。」を見るテストなので、大学一年生が実際に授業で使うような~学入門のテキストに載っているような文章が出たりします(TOEFL)。

英検1級に受かれないまま、アメリカの大学院に入学した私は、TOEFLで
一定以上の点を取っていたので、英語力は問題ないと見なされていました。しかし、実際に大学院の第一日目で、それは違っていると、よくわかりました。

あの過酷なTOEFLという試験を、くぐり抜けるだけではだめな、ものすごい速さのディスカッションに入って、意見を言ったり、これまたものすごい量のテキストを毎日読んだり、レポートも一定以上の長さの物を書いたり。。。するスキルが、ありませんでした。

懸命に努力しましたが、毎日辛かったです。そして思ったのは、日本の通訳者養成講座をよい成績で出ても、通訳案内業国家試験に受かっても、それだけでは、アメリカの大学院では、やっていけない、ということでした。

日本で使っていた英語教材は何?と思えるほど、現地の人達の話す速さが速く、日本では知らないような口語表現が満載でした。当時(1990年代)と比べれば、ずっといい教材も、日本で出ているでしょう。しかし、留学希望者にTOEFLやIELTSのスピーキングを教えていると、根本の所は、まだ変っていないと思うのです。日本の英語教育。

4技能のなかで、スピーキングの練習が一番遅れていると思います、日本。なんせ大学で、入学希望者に英語で1:1の面接試験を自信を持ってできる先生が、足らず、それを受験に課せないという国なのです。(お声がかかれば、やりますが、私^^)

だから、日本の人気があるテスト勉強よりも、あなたが使いたい英語の力を世界レベルで測れるテストを受けるべきだし、テストがなくても、受容れてくれるのであれば、現地で通じるような英語を話せるように、訓練すればいいです。

企業によっては、課長さんになる条件の1つが、~月~日までに、TOEICで600点を取ること、だったりする場合があるのは、知っています。だったら、それは必要なので、TOEICの傾向を徹底的に調べて、基礎力をつけながら、早めにクリアーされて、課長さんに成られたり、海外赴任されたりなさってください。

TOEIC L&Rで、高得点が取れても、それだけでは、スピーキングの力はつきません。なので、スピーキング力アップの練習が、更に必要になってくる、というわけなんです、TOEICの目標クリアーの後に。

テストで~点とか言う前に、義務教育で、何年も英語をしても、うまく話せない人達がこんなに多いの、教育制度に問題があるとは、思われませんか。学校を卒業したら、海外で買い物ぐらい余裕でできるぐらいに、日本人全員がなるべきだと思います。

それには、受験に収斂される英語教育から、変えていかなくてはいけないのですが、今の受験体制で生活している多くの方達の意識が変っていくのが、大切だと私は思っています。

政府は、色々な方策をしていますが、あまり効果がないようです(英語の先生達をいきなり短期留学に行かせたり。。。)。先生達を国費でホームステイに送り込んでも、外国の学校に送り込んでも、根本の日本でされてきた英語教育を変えていかないと、話せるようには、なっていきません。

どこを、どうしたらいいのか、わからずに、話せない理由も分析せずに、いきなり外国に送っても、駄目だということです。やる気と既に一定の英語力のある先生達の時間を、もっと有効に使ってあげないと、もったいないです。

政府が変えてくれるのを、待っていたのでは、いつまでたっても、何も変らないので、民間レベルで、自分のできることから、始めることにしました。

今回は、これで終わりです。ここまで、お読みいただき、ありがとうございました。次回は、日本人にありがちなマインドで、英語を話す時に損をしてしまうことについて、触れたいと思います。


よろしければサポート御願い致します。いただいた費用は、私の研鑽費、そして日本の英語スピーキング教育改革に使わせていただきます。