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subarasikiai
カレーライス、リンゴいり
2歳の子の食事は悩ましい。うちの場合「野菜も全部食べなさい」というような理屈がまだ通らないから、好きなものを食べさせることが多く、本人が好きな「肉」または「ごはん/麺類」にメニューが偏りがちだ。この日も大人のメニューは魚。が、子はきっと食べないだろうから、まあパスタでも買うかなあ、なんて気持ちでコンビニに行った。
ところがチンするだけの食べ物達を陳列棚で眺めていたら、なぜか子と一緒にカレーライスを作ろうかと気が向いた。そこでコンビニではルーだけを買った。帰宅後、子は、皮むき器で少々にんじんの皮を剥き玉ねぎの皮をはぎ、ただその後は飽きてしまって、一緒にカレーライスを作った、とまではいかなかったのだけど。
コンビニにルーは中辛しかなかった。薄く作れば大丈夫かなと思ったものの、入れてみると薄味にしても思いのほか辛みがあった。そこで思いついたのは、子が半分だけ食べ、残りを冷蔵庫にいれっぱなしだった古いりんご。茶色くなった部分を切り落とし、皮を剥いてすり下ろしてカレーに入れた。笑っちゃうくらい、甘くなった。
そして思い出した。幼い時に私の母がよく作ってくれたカレーライス、りんご入り。いつからかりんごが入ることはなくなったから、味わったのはほんの短い間だけ。いつからか実家のカレーにりんごは入らなくなった。
その晩、私もそして彼も、魚と一緒に甘いカレーを食べた。いつか子も、大人になってこの味を思い出す日が来るんだろうか。ちょっと胸が熱くなる。
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