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人生はカードゲームに似ているけど違うって話。

私は前職でモバイルゲームアプリを作っている部門にいて、自社他社問わず売上ランキング上位のゲームを片っ端からプレイしていた時期があった。時代はカードゲーム全盛期。とにかく毎日、ものすごい数のカードゲームをプレイした。

カードゲームでは、各カードに「ステータス」が振られている。それはたとえば知力、体力、魔力といったもの。それぞれのステータスの初期値が高く、のびしろの上限が大きいカードが、カードゲームの世界では貴重とされている。

私はこの類のゲームをやりながら、人生に似てるなという感想を持った。
カードゲーム同様、人には持って生まれたステータスがあると思う。見た目だったり、頭の良さだったり、体力だったり、親の財力といった家庭環境というのもあるんだろう。
40年間生きてきて、思うのは、人間このあたりの生まれつきのパラメータに、結構なバラツキがある。タフな人って特別なことをしてないのにタフだったり、不摂生極まりない生活をしている人が、ものすごく綺麗な肌の持ち主だったり。
たとえばとある知り合いの男性はめちゃくちゃ頭がよくて、高校の時は半年で偏差値が40から70にあがったし、大学在学中に日本の司法試験をあっさり突破(当時合格率が数パーセントの時代だ)。その後、帰国子女でもないのにニューヨークの弁護士資格をあっさりと取得した。これは努力とか要領という言葉だけでは、決して説明がつかないと私は思う。

そして世の中には特に有益と思われるパラメータがある。男性にとっては知力✖野心だったり、女性にとっては美貌✖気立てのよさだったり。
これはカードゲームのレア度が高いカードとちょっと似ている。実際はそんなに出回っていないのに、存在があることをみんな知ってるし、みんな自分の生まれつき持ったカードがそれだったら、どんなによかったのだろうと思う。

ただ私が40年間過ごした現実社会は、パラメータがいいカードを持って生まれたからといって、その後の人生が無双状態かというとそうでもない。それより自分のパラメータと伸びしろをよく知り、そしてそれをどう伸ばすか、を考えた人がより輝く世界にみえる。
たとえば世に名を売っている人を冷静に見渡すと、そこまで美男美女ばかりじゃないし、生まれだって実家がお金持ちな人ばかりじゃない。別にいい大学を出てなくても、中卒でも高卒でも、ぶいぶい言わせてる人は言わせてるし、じゃー何が違うか、ていうと、自分の手持ちのカードを嘆くんじゃなくて、いかに強化するか、を考え生きてきたということ。

そして昔はそれを若いうちに頑張らないとどうにもならないと思っていたけど、実際はそうでもなくて、ずいぶん年をとってから人生が変わった人も、よく見渡すとたくさんいる。今公開されている映画「ザ・ファウンダー」のモデル、マクドナルドの創業者も、アラフィフから大成功。私が尊敬している女性のひとり、トモコさんも64歳でポールダンスをはじめて、70歳の時に全世界から脚光を浴びた。

私は高ステータスのカードを持っている訳じゃない。ただ自分のステータスを受け入れて、伸びしろの限界までは成長したいなと思っている。
それはなぜか、というと多少なりともパラメータがあがった方が人生は楽しい。第一伸びた分のパラメータは、自分の努力で勝ち取ったもの。それだけですごく「生きる」ということに、私は価値というかやりがいを感じている。

人生はカードゲームに似ているけど違うっていうのはそういうこと。別に高ステータスのカードが手に入らなかったとしても、カードゲームとは違い、それなりに楽しく、この世界で遊ぶことができる。

楽しく遊ぶ人がどんどん増えるといい。そう思う。

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