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27/100 清水義範著「映画でボクが勉強したこと」/「好き」を一覧にして眺めてみたら

ふと思い立って、クローゼット管理アプリを入れてみた。

前々から似たような服を買いがちで、一体今、自分がどういう服を持っているか整理したいな、とは思っていた。とはいえ、アプリをインストールして、1着毎に写真をとって。こんなこと、全部の服に対してやるかな?と最初は半信半疑だった。ところがなんと、わずか2日で、しまいこんだ冬服以外の写真(100枚超!)を撮り切った。

この作業がなぜ捗ったかというと、楽しかったからだ。

手元にあるのは全部、自分が気に入って買ったモノ達。そんな「好き」が一覧になったのが嬉しくて、それ以来、時折アプリを開いては、「好き」の一覧を眺めてみてる。特に「靴」と「バッグ」は、以前断捨離した成果、本当に気に入っている物しか、今は手元にない。自分がいいな、と思う物を、探して、選んで、それを手に入れた、という事実。大袈裟だけど、これは自分の人生のちょっとした成果な気がして、単純に嬉しかった。

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清水義範さんのこの本、これまたどういう経緯で手にとったのか覚えていないのだけど、古い映画の解説本のようなところを重宝している。今までの引越しのたびにいつもリストラ候補に上がるものの、また古い映画をみたくなった時に役にたつから、という理由で、ずっと手元にあった。最近映画をみる習慣ができつつあり、今週は古い映画でもみようかな、と久しぶりに手にとることに。

「昔、例えば植草甚一氏の映画評論を読んで、観ていない作品がほめてあったりすると、くやしくて、はがゆい思いをしたものだ。それを観ることがむずかしいからである。ビデオのおかげでそういう時代は終わった。
つまり、映画というものが、時代とかなり結びついた風俗芸術の側面を持っていたところから切り離されたのだ。
面白くなってきたぞ、と私は思う。
清水義範著「映画でボクが勉強したこと」

この一節を読んで、本当にそうだなあと思う。特に今はAmazon PrimeやNetflixのおかげで、お店で借りるというステップすら必要がない。

今の時代のよくないところはもちろんある。ただ、今の時代の「面白くなってきたぞ」の部分は、いつも覚えていたい、清水さんの気持ちとシンクロしていたい、そんな心持ち。


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