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自分ハック#1 承認欲求も使いよう

臨月に入ってから鬱々としていた。いつ陣痛がきても、破水してもいいようにと家で大人しくしていたものの、寝るか仕事するかネットサーフィンするしかない毎日だった。
妊婦というのは周囲に気を使わせてしまう存在だ。友人と出歩くのは気がひけた。かといってひとりではお腹が重くて出かけるのが億劫。安産のために歩いた方がいいと分かっていても、あまり気乗りせずにいた。

ところが昨日、ランチを食べようと近所のカフェに行く道すがら、どうせならインスタ映えするものを、とふと思った。頭に思い浮かんだのは表参道にある人気のハンバーガー店。せっかくだから歩いて行こうと近所のカフェを通り過ぎて、そこから約30分弱のウォーキング。あいにく臨時休業という運のなさだったのだけど、それならと足取り軽く次に向かったのは、そこから更に10分弱あるもうひとつの人気店。念願のインスタ映えのする食事をして、気分良く帰った。

帰る道すがら、ふと、これからは話題のお店でランチをして、その後お洒落なカフェで読書をしようと思った。すると急にやる気が湧いてきて、そして笑っちゃうくらい、気分がみるみる上向いた。

***

私は承認欲求が強い。「何か」をするのであれば、それを誰かにみてもらいたい、認めてもらいたいという強い欲求が心の奥底にある。

今までずいぶんその欲求との付き合い方に苦労した。ついつい人目を意識して行動しがちな自分。そんなんではいかん、他人を意識せずに、「自分」で「自分」をもっときちんと認めなければと葛藤することも多かった。

ところが「インスタ映えする店に出向く(そしてそこで写真をとってインスタにあげる)」というミーハーな自分の欲求に従うことで、ここ最近の鬱々としていた日常が一変した。お洒落な場所で何かをしたい、そんな下世話な欲求がある自分に苦笑しながら、ただこれは、自分を上手くやる気にさせるコツのようなものなのかもしれないと気がついた。

雑誌やネットで見かけるキラキラしている人達。

彼/彼女はまるで「承認欲求」なんてとっくに卒業してしまったかのように、自分が好きなものを自分で選び取り、周囲の視線をまったく気にしていないようにみえる。できれば私もそんな風に、モノを、そして場所を選びとれればいいのだけれど、残念なことにいまの私には、そんな指針はなくて、あるとすればなんとなく、お洒落なインスタ映えのする店、というくらい。

ただそんな自分を認めてしまうと、心はすっと楽になる。懸案だった1日の過ごし方が「インスタ映え」によって楽しみになった。承認欲求の強さがエンジンとなって、自分の行動が一変する。

さっそく今日は話題のお店で1時間ばかり読書。家で鬱々としているよりはるかにいい1日が過ごせたような。

承認欲求も使いよう。そう思う。


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