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べんりとゆたか。

ミニマリストとかシンプルライフとか「物を少なくする」生き方があります。

自分もどちらかといえばシンプルライフ寄りの生活が好きで、定期的に断捨離したり、ストックもあまり持たないようにして生きてきました。

というのも、母がとにかく物を捨てれれない性分で、実家が狭いのに物であふれていて、とても窮屈な気持ちでずっと育ってきたため、「大人になったらスッキリとした・・・ESSEみたいな雑誌に載っていそうな部屋に住むんだ!」と心に決めていたのです。


で、少ない物での生活はというと、何の問題もありませんでした。

いざというときに足りないことがあったとしても、使わない物、気にいらない物が保管されている環境の方がよっぽど精神的に不健康でした。


子どもが生まれるまでは。


子どもが生まれてからは足りない物が山ほど出てきました。

オムツ、おしりふき、哺乳瓶、粉ミルク、沐浴の道具、肌着・・・

足りない物の中で、必要な物は買わなければなりません。
物が増えて当然です。

では、必要でない物は・・・?

たとえば抱っこ紐。

なくても抱っこはできますもんね。

授乳クッション。

なくても授乳はもちろんできます。

他にもおもちゃだったり、匂いのしないゴミ袋だったり、スタイだったり・・・

なくてもいい物もたくさんあります。

でも我が家にはあります。

どうして?

それは便利だから。


便利。

「役に立つこと」という意味です。「役に立つ」とは「使って効果があること」。便利の対義語は不便。

便利な物は必要な物とイコールではありません。

もしかしたら必要な物には便利さが含まれていないので、人間は便利な物をどんどん発明していったのかもしれません。(たとえば人間にとって水は必要だけど、水をいつでも手に入れることができるために下水道やダム、水道が作られた、みたいな。)

なので自分では必要!と思っていても、実はなくても困らない物もたくさんあるのかもしれません。

だから、「必要な物を見直して、どんどん物を減らさなきゃ」と言いたいのではありません。

ただ、「物が増えること」に罪悪感を感じたり、恐怖心を感じる方に聞いてほしい。

あなたの「幸せな状態」ってなんですか?


これが定まっていないと「物」は増え続け、圧迫され、「物」に殺されてしまうでしょう。

幸せな状態が分かっていれば、多少物が増えたって、何も怖くありません。


わたしの幸せな状態は「健康」です。

自分と家族、そして大事にしたい人たちの。

健康な状態を保つ、健康な状態になるためなら、
物が増えても構わない。そう考えるようになったのです。


赤ちゃんの脳を刺激するためにおもちゃはあった方がいいし、家の中が臭いとストレスがたまるので匂いのしないゴミ袋があった方がいいし、スタイがないと洋服が汚れて不衛生だし洗い物が増えると時間がかかるし。

「健康のために役に立つ物」=わたしにとっての「便利な物」

だから、物が増えてもいい。

そして、この状態は幸せであり、「豊か」なことだと思うんです。


つまり「物が増えること」=「豊か」ではありません。

「便利な物が増えること」=「豊か」でもありません。


「あなたが幸せな状態になれる物があること」=「豊か」なのです。

「あなたが幸せな状態になれる物」=「便利な物」であるべきなのです。


「物を減らすこと」で見えてくる生き方もあると思いますが、「物が増えること」で見えてくる生き方もあっていい。

どちらにせよ、「自分が幸せな状態」であることが大事なんじゃないかなって思うのです。



具のない🍙まき子(@makicome1986

※この記事は稲垣えみ子さんの「寂しい生活」を読んで書きました。


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