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2人目の壁


先日、第二子となる女の子を出産しました。

2人目のことを初めて意識せざるを得なかったのは、実は長女が生まれる4ヶ月前。

今から約3年半ぐらい前のことです。

長女の心臓の病気がお腹の中で分かった妊娠6ヶ月。
病院の先生から「もし2人目を希望される場合、20%の確率でこの子と同じ病気になる可能性があります」と告げられました。


(長女の病名は「完全房室ブロック」。心房から心室への興奮伝導が完全に途絶した状態で、ペースメーカーを挿入しています)


まさかこんなにも早く、まだ希望するかどうかも分からない "2人目" の病気の可能性を伝えられるなんて、もちろん想定外で。

正直「1人目も生まれてないのに、そんなこと言われても...」と考える余裕は全くありませんでした。

でもいくら余裕がなかったとしても、あの時から私の中では "2人目" の前に急にいくつもの壁が立ちはだかったような、そんな感覚でした。


それは、長女の妊娠・出産で本当に大変だと感じたからです。


他の病気を防ぐために飲み始めた薬の副作用はかなり強くて不眠が続くし、肌は荒れまくり。(眠剤飲んで、やっと4時間まとまって寝れて大喜びしてたぐらい)

精神的に落ち込むことも多く、珍しく人に会いたくないと感じたぐらい自分の容姿の変化にも悲しくなりました。

そして、本当に生まれてこれるか分からなかったから後先の不安を考えると、周りにも妊娠報告が出来ませんでした。

無事生まれても生後すぐ手術になったりしたら、それが全て終わるまでやっぱり本当の安心は得られないし。

数ヶ月の入院を覚悟しながら全ての手術を終えて、地獄の付き添い入院を経て、、
(経験したからこそ分かる付き添い入院は、思い出しただけでも震えます。泣)

そうやってずっと安心出来ない日々が続くんだろうなぁ....と考えるだけで、それはそれは気の遠くなるような未来でした。

「とにかく1人目が無事に生まれてくれますように」と願うのに精一杯だったあの頃。

それでも長女が生まれて一年経った頃から「こんなに可愛い子が、我が家にもう1人やってきてくれたら、どんなに幸せだろう」と、少しずつ "2人目" を意識し始めた私たち。

でも、実は次女が生まれる2年前に一度、流産を経験しています。

まだまだ初期だったけど、心拍を確認した後のことでした。だから宿ってくれた命に対する喜びと別れが急にきて、身体と心が追いつかない時期がありました。

一度妊娠した身体が回復するまでに時間もかかるし、それ以上に心の回復に時間がかかった気がします。



でもそんな時期に私を救ってくれたのは、屈託のない笑顔で心を癒やしてくれた長女でした。

彼女がいたから乗り越えられた、それぐらい不思議なエネルギーをもらったし、何より私が諦めずに頑張れたのは、一緒に前を向き続けてくれた夫がいたからです。

あと落ち込み続ける暇がないぐらい、育児と同時並行で取り組めた仕事があったのも、私にとってはすごく大きな心の支えでした。

ちなみに私の場合、流産から2人目の妊娠まで1年かかりました。

偶然ですが、今回生まれてきてくれた子が私の元へやってきてくれたのは、流産からちょうど1年経った翌日。


ちょうど1年という節目は何かの巡り合わせかなとも思ったけど、この1年は「妊娠って簡単なものではないなぁ」と、心の底から感じた期間でした。


長女の病気発覚から、既にいろんな経験をしてきたつもりだったけれど。さらに流産まで経験した時には、「やっぱり妊娠も出産も、当たり前ではないんだなぁ」と身をもって感じました。


そうやって、毎回いろんなことがあるけど、お腹に来てくれる子はみんな【命が当たり前ではないこと】【生の尊さ】を何度も何度も命がけで教えてくれている気がしました。



そして、振り返ると、この子はいろんなタイミングを見計らって私たちの元にやってきてくれたのかなぁと感じています。

流産の後、私は今の会社で正社員になることが出来ました。その期間があったからこそ、今回の出産では産休・育休制度を使うことが出来ています。


もしかしたら「今だ!」と思ってきてくれたのかな。流産は辛い経験でしたが、無事生まれてきてくれた子が悲しみを癒してくれました。

お空に帰ってしまったあの子も、次女の誕生を一緒に喜んでくれているとうれしいな。


今回は妊娠が分かってからすぐに産院に通い、薬を飲みながら病気を予防していたので、そのお陰で無事、病気の発症を防ぐことができました。


妊娠中ずっと悪阻が続いたのはおそらく薬の影響で、辛かったですが...

病気の発症が多いとされる時期にはとくに頻繁に病院に通ったり(交通機関で片道1時間半かかる病院に、毎週通っていた時期もありました)

ずっと心配は尽きなかったし、大変だったけど。信頼できる病院の先生方、スタッフの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。


慣れない新生児育児は、メンタルはジェットコースター並み、身体はぼろぼろですが。笑

日々いろんな表情を見せてくれる次女の姿を目に焼き付けながら。今しかない、かけがえのないこの時間を楽しみたいと思います^^


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