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夏の読書感想文①【七帝柔道記】

武道場にただよう湿度の高い空気・・・
その表記だけでも、なんだか厳つい
男子の香りムンムン!

スナック万喜のお客様から勧められて
Amazonでポチっ!そして七帝柔道記
届いたのは、ちょうどオリンピック柔道で
阿部兄弟が優勝した日で・・

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(阿部兄弟、、本とは全く関係ありません、笑)


柔道なんて全然知らない世界でしたが、
金メダル続出の雰囲気にも乗じて
一気に読んでしまいました。

柔道一筋、憧れと涙と忍耐の青春小説

どんな本なのか、ざっくり・・・
作者の増田俊也さんの自伝的小説であり、
井上靖の「北の海」を読んた著者が、寝技中心の
七帝柔道に憧れて、北海道大学の「柔道部」に
入学したと言っても過言でない、主人公の
柔道一筋な学生生活のお話しです。

とにかく柔道のために留年を決めていて
涙と忍耐、憧れや友情のエピソード満載、
気持ちよい破天荒ぶりを発揮する増田青年。

なんだか書いてある時代背景や描写が、
私が垣間見て来た大学の体育会系の雰囲気と
通じるところもあり、
(もちろん七帝・・と比べたら幻くらいですが)

こんな濃さって、今の大学に存在しているのかな?とまず思いました。

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そもそも七帝柔道って?

この本に描かれている七帝とは旧帝国大学、
北大、東北大、東大、名大、阪大、京大、九大。
7つの大学に脈々と受け継がれているのが
七帝柔道と言われていて、
寝技中心の柔道なんだそうです・・・。

いまオリンピックで見ている柔道は、
嘉納治五郎が立ち上げた講道館柔道で
世界中のスタンダードであり、投げ技のあと
寝技OK
だけど、七帝はいきなり寝技OK

時代は新しい柔道に変わっても、意地で?
抵抗して、7つの大学のみで行われるのが
七帝柔道・・のようで、それが増田さんが
現役の時も脈々と受け継がれていた。

毎日柔道一筋、終始、寝技で最後は腕立て100回。

・・・それだけでも壮絶そうですよね、笑。

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私も少しだけ分かる懐かしい雰囲気。


前半は、男気ある柔道の姿勢に憧れて入部した
主人公が寝技をかけられ続け、同期がどんどん
辞めていく中で、先輩と寝食共にするうちに
気付いたら肉体はゴリラ化、人間としても
大きく成長していくストーリー。

先輩や同期の描写、会話が
時にシュールで面白すぎる
(室伏や故古賀稔彦の名前も出てきます)

昔、こんな雰囲気の先輩達いたよな~!!

私の卒業した大学には体育学部があって、
学部近くの居酒屋に連れていかれた日の光景を
忘れはしません。お店の壁はぼっこぼこで・・
ジャージ姿で、髪や御髭が伸び放題、
体格のいい男性が店中で喧嘩していたり、
酔っぱらって伸びていたり、戻していたり・・

その光景と、文章がオーバーラップします。

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また、同じ体育会系の応援団の人や武道系も
登場しますが、
そこも自分の大学時代とヒットする部分が。

女子高卒だった私と親友は、
入学したてのキャンパスで、学友会という
学ランを来た集団につかまってしまい、
楽しいイベントや食事会で会計監査やら総務
応援団も含むだったかな、そんな団体に
しばし籍を置く・・という経験をしました。

授業後に活動の部屋に集合と言われ、
学ランの先輩達が自己紹介を始めた時の衝撃は
忘れもしません。

妙な雄叫び調・・(あ、すみません、笑)
それに対して声が小さい!と怒鳴る大先輩。
なんだか笑が止まらないのをこらえるのに
必死だったのが思い出されます。

そう。この著者の増田さんと私は、学生生活は
5年違うことになるかと思うのですが、
七帝の足元にも及ばない地方の私大でも
体育会のみならず硬派な感じのたたずまいが
存在していたわけですね~、時代感じます、笑。

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経験した者でないと分からないことがある。


作者自身も書いていますが、
前半のストーリーは、この練習に意味は
あるのか?と自問自答の日々。

説明で解決することはなく
まさに、考えるより感じろ・・の世界。

後半のストーリー展開は
鬼のように感じていた先輩が、試合や合宿を
通して、いつのまにか尊敬する存在に。
正式な部員として迎えるためのおふざけ尽くしの
イベントは後輩に必ずやらないと終われない感。
先輩には喜んでごちそうになる。
女の子と話も出来なかったのが、いつの間にか
話せるように。
去っていく先輩を涙涙で見送る儀式・・・

分厚い胴着の世界ですが、心技体、
同じ釜の飯を食った仲間とはこういうものなのか!

最後に・・まとめ

いやはや、格闘技の魅力は私にはない世界観
でしたが、寝技の気迫は、まるでオリンピックの
試合を見るかのように臨場感を楽しめました。

増田青年があんなに辞めたいと思いながら
柔道を辞めなかった理由は、
突き動かされるように柔道をしたい衝動に始まり、
何かを共にやり遂げた仲間や先輩の言葉、
また伝統や歴史の存在もあるのだと思いますが、

当のご本人は、理由なんてない!
難しいことは語らないでしょうね、きっと、笑。

何かをやり遂げる連帯感。
勉強、試験、部活、新入社員研修、組織立上げ・・
困難を耐えて乗り越えた時に、力が抜けて
男子女子関係なく、苦労話を肴に、笑に変えて
酒盛りできますもんね!

私、それめちゃ好きな感覚ですね~
そんな話を聴かせて頂くのも楽しいです。

何かを振り切れるくらいやる。
七帝柔道記のような世界はクレイジーと
いう現代の考え方もあるかもしれませんが
やり遂げた人にしか分からない魅力がある。

だから、今でも七帝・・
支持されているんだろうなと思いました。
マンガもあり、相当面白そうな気がします、笑。

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