いつかの朝、つづき

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Perch.のお手紙 #94

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5月にアトリエで自分たちの企画で展示を行おうと考えています。


タイトルは「いつかの朝」。


先日のメールマガジンでも、そのイントロダクションに当たるお話を掲載しました。



この2年間の不自由さの中、旅に出ることはいつもちょっと罪悪感を伴う様な経験でした。


去年の3月末、妹のようちゃんがコロナ禍を縫って沖縄を旅したそう。


那覇の、なんてことないホテルに泊まったその朝ごはんのブッフェで飲んだ、コーヒーの味のことを帰ってからことある毎に話していました。



自分の街で飲むコーヒーは、決まったお店に、おいしいものを飲みに行く。


知っている空間の、その落ち着きだったり、ほっとする時間を味わいに。


自分のお家で飲むコーヒーも、お気に入りの豆で、おいしく淹れる。


気分転換に、朝ごはんに、おやつの時間に。



旅先の、なんてことないホテルのブッフェで飲むコーヒーは、大きなコーヒーメーカーで淹れられて、長い時間保温されて、煮詰まって、香りが消えて酸化して、苦くて濃くて、全然おいしくないのだけれど。


全然おいしくないコーヒーを普段の生活の中で飲むことがない分。煮詰まったコーヒーを飲んだ時、「あー、これこれ。ご無沙汰でしたね、旅の空。」となるのだそう。



普段の生活では味わう機会がない分、それを飲んだ時、 いつかの旅先の、いつかの朝を思い出すのだと思います。


いつかの朝。


書くことを職業としない、知り合いの人たちに原稿を依頼して、その人の人生の、生活の、いつかの朝を集めてみようと思っています。



昔からのチームでの展示になりそうで、いつかの何かを思い出しながら進めていくことになりそう。


この2年がなかったら、始動しなかったプロジェクトだな、と思っています。


わくわくする。