家を整える

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Perch.のお手紙 #141

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身体は私の家なんだ、と今週ふと思いました。


4月は仕事の繁忙期にプライベートな予定も重なって、随分と密度の濃い毎日でした。

春のせいか人に会う機会も多くて、刺激のある反面自分との対話の時間が少ない1ヶ月。

身体が持つのか、体調を崩さないか、と少し心配をしながら過ごしました。それでもなんとか、それなりに元気に過ごすことが出来て、自分自身の身体に感謝をしなければ、と考えていた時の閃めきでした。



こまめに温度を調整したり、換気をしたり。お掃除をしたり、整理整頓をしたり。

好きな家具や絵を買って、お花を飾ったり。

家という空間を快適にするために使う時間や労力やお金は、暮らしの中にたくさんあって。


けれど、私が一次的な意味で住んでいるのは、果たして私自身の身体なんじゃないかと考えると、そして驚くべきことに、その家は死んでしまうその日まで、引越すことができないと考えると。


私はその家のために、どれくらいの時間を使っているだろう。


家は長年住めば、汚れが溜まって大掃除を必要としたり、どこかに不具合が出て時には修理やリノベーションを必要とする様に。

そして、その家から一生引っ越すことが出来ないとなると尚のこと、私自身の身体というもう一つの家も、ケアやメンテナンスが必要な時期に突入している気がします。


これまでは、自分の身体のために使う時間やお金は、ちょっとしたご褒美や甘やかしの類に属していた様に思います。


けれども、衣食住全てに関わる身体という家を長く快適に暮らすためには、時間もお金ももっと前向きに、積極的に使っていいんじゃないだろうか、と思い直しています。



今週手にとった西加奈子さんの「くもをさがす」というエッセイには、そんなことを考えていた自分にしっくりとくるテーマが満載で、とても充実した読書の時間になりました。


真夏の夕立を走りながら通り抜けた後の、太陽の眩しさ。

みたいな爽快さと希望のある読み物です。


良いゴールデンウィークを。