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IB教育のエッセンスをIB校でない学校にも広げたい。

わたしは大学院でIB教員養成コースに在籍していた。IBには大きくわけて3つのプログラムPYP、MYP、DPがあるが、そのMYPについて学んだ。

IBって「エリート教育」とか「スキルを身につける」みたいなイメージを持たれがちなようだが、1年間どっぷりとIBを学んだわたしの印象はIB教育は「全人教育」。全人教育で有名な玉川大学にIBのコースがあることには納得だ。

IBは、人を育てるエッセンスに満ちた教育プログラムだと感じている。

IB教育を学んでも、IB校には就職しないし…

実はIB教育養成コースにいたわたしの同期のうち、IB校に就職した人(またはIB校から派遣で学びに来ている人)は半数もいなかった。

ほとんどは、一般的な小中学校や高校に就職。(わたしもそのうちの一人。大学だけど。)

実はわたしは在学中に、IBの中等教育学校で非常勤講師として勤務していた。そこで出会う生徒や先生たち、学校のシステムなど、IBの魅力はひしひしと伝わってきた。もちろんそこで働いてみたいとも思ったが、状況的に採用されるのは難しいことも理解できた。(大変に狭き門)

しかしIB教育で学んだことは確実に、わたしの授業設計や実践にかなりの影響を与えている。大学院修了後に再び教壇に立った自分の1年間の実践を振り返ると、その実践はIB教育のエッセンスに溢れていた。

いや、自分で気づいたのではない。IB教員養成コースの先生に近況報告として大学での実践を伝えたところ、驚くほどIB的だと指摘してくださったのだ。

そこでわたしは考えた。IB的な学びのエッセンスは、IB校じゃない学校でも生かせるのではないか、と。

IBのエッセンスを生かしたアプローチをしている実践は多々あるのかも…?

IBを学びながら感じたことといえば、自分が実践してきたなかで、無意識に無自覚に行ってきたものがIBにおいて体系化され明確になっているような感覚である。

・「言語」よりも「人」を育てたい。
・ 非認知スキルに興味がある。
・ 概念理解を促す学び
・ 学び方を学ぶ
・ 逆向き設計で授業を組み立てる
・ ルーブリック
・ 学習者の権利
・ 協働学習
・ 転移できる学び

この辺りに関心があるひとは、気づいていないだけで、すでにIBのエッセンスを生かしたアプローチを実践しているのかもしれない。

大学の実践にIBの要素を取り入れたら、学生のハートに火がついた

ある学生が書いた記述はこちら。

「冷め切った私に再び興味を持たせてくれる、情熱的な英語の学びであった」

ある学生の授業の振り返り記述より

わたしは、学生のハートに火をつけたのは、IBのエッセンスを生かしたアプローチだったと感じている。IBは、学習者に「学び方の学び」を促す。


終わりに

もちろん、IB校でない限り完全にIBを再現するのは不可能だし、認定されていない場で簡単にIBを用いることもできない。

しかしIBは、素晴らしい学習アプローチである。IBの要素を知ること学ぶことは、IB校でない学校に勤務する教員にも、十分メリットになるのではと考えている。

気になる方はワークショップ等で、IB教育にぜひ触れてみてほしい。

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