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JICAと戦争

 行きつけの歯医者に行く途中にJICA地球ひろばがあります。国際協力に関する展示がしてあり一目で理解できるというわけです。やはりテーマと言えばSDGs(持続可能な開発目標)。SDGsは、2015年に国連が定めた開発目標で全部で17あり2030年までに達成することを目指します。2000年に貧困を撲滅しようと国連がMDGsを打ち出します。これは8つの目標を数値化したとして注目され、その延長線上にSDGsが出てくるわけですが、大きな違いは、開発途上国だけではなく、先進国も達成状況が数値されて評価されるという点でしょうか?例えば、ジェンダーや環境破壊など。そうすると企業も積極的にかかわらざるを得なくなってSDGsという言葉が一気に広まりました。目標が17もあるととても複雑ですが、MDGsでは、一切触れられなかった戦争や紛争に関してもSDGsでは目標16としてあげられています。
「平和と公正をすべての人に」がそれです。早速、地球ひろばでどのように展示されているかを見てみましょう。

世界の主な紛争地図というコーナーがあり、やはり1991年の湾岸戦争から2003年のイラク戦争は日本にとっても大きな戦争でした。中東を見ると、パレスチナ紛争、シリア危機、レバノン戦争、アフガニスタン内戦が選ばれておりイラクが入っていません。
 「レバノン戦争(2006年) イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに拉致された兵士救出のために侵攻」
と書かれています。どこの国の兵士が拉致されたのか、どこの国が進行してきたのかさっぱりわからないですね。あえてイスラエルという国名を出すことができなかったのでしょうか?
「アフガニスタンの内戦(1979年~)旧ゲリラ各派の横行に対し、進学生組織のタリバンが進撃」
という説明が書かれています。これだけ見るとタリバンを称えている風に読めてしまいます。しかも1979年は内戦ではなくソ連のアフガン侵攻です。


SDGsの目標16は、いくら途上国が頑張ろうとも、大国の介入がある限り達成できません。特に
16.4 2030年までに、違法な資金及び武器の取引を大幅に減少させ、奪われた財産の回復及び返還を強化し、あらゆる形態の組織犯罪を根絶する。
武器輸出の問題は、安全保障上の機密事項として扱われ結果的に、紛争を長引かせる結果にもなるので要注意ですね。企業が武器で儲けないという倫理感を持つこと、市民が監視していくことも大切です。今まで武器輸出は、米国を除き全面禁止という方針を貫いていた日本ですが、安倍政権で見直しをして積極的に武器輸出を行おうとしています。
武器取引反対ネットワーク(Network Against Japan Arms Trade【NAJAT】)という市民ネットワークを紹介しておきます。

さて、イラクにおける2つの戦争は、日本も多大なる協力をアメリカにしたわけですからしっかりと考えていく必要があります。特にSDGsという言葉に関心を持った若い人達の入り口となるJICAひろばの展示は責任が大きいと思います。展示内容をぜひ修正していただきたいものです。一応担当の方には伝えておきました。参考にさせていただきますとのことでした。


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