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#4雨を感じる人々

茶道を始めるきっかけとなった北鎌倉での朝茶会のこと。
育児の日々に一息つきたくて
申し込んだ(駆け込んだ)朝茶会。

早朝、北鎌倉の駅を降りると
たくさんの学生が部活へ向かっていた。

そして、数週間後には
紅葉で色づくであろう山道を抜け、
茶室へ。

入口から更に奥に奥に入り込んでいく。
そこはもう鳥の囀りしか聞こえない。

育児の日々とは真逆の空間。

そして
朝の光を楽しむため、
あえて光を灯さず薄暗い和室。

天気は曇りでパラつく雨。

雨の日ってなんて会話します?
私は、
「今日雨か〜〜〜最悪だ〜〜〜仕事休みた〜〜〜い」
とか笑

まあよくても、
「生憎の雨で〜」とか
「今日はお足元が悪い中〜」とか。

ですが、茶道の世界の方たちは違うんです。

「雨がまた艶やかで
しっとりとした朝で良いですね」
と亭主と他の方が会話をされていました。

雨の日を楽しんでいるんです。

とある名言を思い出した。
ボブ・マーリーの名言
「雨を感じられる人間もいるし、 ただ濡れるだけの奴らもいる」

こちらに雨を感じられる方々がいらっしゃいました❗️❗️

私もただ濡れるだけの奴から
感じられる人になりたい!!
何て素敵で心地よいのだろう。

今思えば、
日々是好日の精神に触れた日。
私が茶道の世界に魅了された日。

そしていよいよ茶会が始まるようで
別部屋に案内された。

初めてで作法もわからないため、
他の方の真似をする気満々で下座に座っていたら、
「どうぞ上座にお座りになって」と言ってもらった。

「あ、私初めてなのでここで!」と言ったら、
「今日は朝の時間を楽しむ会だから気にしないで」と
他の方にも上座に座ることを勧められた。

トップバッターなので
見本がいない!!
作法わからん!!

そんなことはどうでもいいかと思わされるくらい
亭主の所作が
湯煙が
美しすぎて
味わい楽しめた。

帰り道、席を譲っていただいた方たちと一緒になり
上座を譲っていただいたことにお礼すると
「あの席から色んなものがよく見えるから
最初なら絶対に良いと思ったの」
と。

この茶会も有料なのに・・・
見ず知らずのソワソワしている私のために・・・。

私は茶道を通して
お茶会でご相伴させていただいた方から
人の心の豊かさに触れた。
私はとても幸運な最初の茶会となっただろう。

雨の美しさを見つける心。
人の喜びを自分の喜びにできること、
本当の豊かさに触れられた朝の始まり。

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