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#56 プロポーズ

※この文章は2013年〜2015年の770日間の旅の記憶を綴ったものです

アフリカで、わたしは何度かプロポーズをされた。

「今さらモテ期~♪」とか浮かれている場合じゃなくって、これが時にはかなり厄介だった。

現地で出会った人とちょっと長く話す機会があって(といっても30分程度)、別に何か特別甘いムードになったわけでもなく、簡単な自己紹介やら旅のことなどを話しているうちに「I love you」とか「I want to marry you」とか言ってくる輩がいるのだ。

まぁ、相手ももちろん本気ではなく冗談で言っているのは分かるので、いかにも日本人的?に苦笑いしながら適当に受け流そうとすると、スキンシップに発展してくることがあるのだ。生まれも育ちもまるまる日本で、親しくもない異性とのスキンシップに慣れていないわたしは、これがかなり苦手だった。少なくとも日本人女性の多くが同意してくれると思うけれど、よく知りもしない男の人に頬やら髪やらを触られて、気分が良いわけがない。ここでも苦笑しながら後ずさり…。にわかにササーッと距離をひらいてその場をおさめ、ひそかに鳥肌パターンがほとんどだ。

一体全体どこの世界に、会ったばかりで世間話しかしていない男から愛の告白やらプロポーズやらをされて受け入れる女がいるというんだろう。わたしのことを日本人だと知って「車何台持ってるの?」などと不躾なことを聞いてきて、「僕を日本に連れて行って」とか言うパターンならまだわかりやすい。(こういう時は腹を立てつつも“日本人”であることはブランドなんだなぁ、とつくづくと思う)あるいは「外国人の女(しかも一人旅)なら、あわよくば何とかなる」とでも思っているのかもしれない。

ある時、なかなか来ないバス待ちでイラ立ちと疲れ切った中で話しをしていて、思わず「Don’t touch me!」と目を三角にして叫んでしまった。すると一気にその場の雰囲気が悪くなり、まるでこちらがひどいことをしたようなとても後味の悪い気分になった。

こういう時にはどういう対処方法が一番良いのか、いまだによくわからない。
きっと「Do you have a boyfriend?」「Are you married?」の質問に「Yes!」と力強く答えておけばいいんだろうけど、「何だか見栄を張っているようで嫌だ」という妙なプライドのせいで、正直に「No」と答えてしまうのが良くないんだろうなぁ…と反省してみたり。「わたしもうすぐ40歳だから!」と、年齢をかなり?サバ読んで言ったこともあったけれ、これは言ってから自分で悲しくなった…。

このプロポーズネタを人に話すと「アラブの国の男はもっとひどいよ~」と脅かされることがある。中東はわたしの中で”旅のハイライト”と位置づけてかなり楽しみにしているだけに、この話を聞くとゲンナリする。何か良い対処法があったら教えてほしい。

子供たちの素朴な笑顔に癒される日々
マダガスカルは、どこか東南アジアを思わせる懐かしい感じがした
マダガスカルと言えば、輪尾キツネザル
私と同じ名前

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