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【ズタボロ】OFII(移民局)初回訪問いってきた

以前、OFIIからお知らせがきたことを書いた。


この時はまだ先だなーと思っていたけど、気づけばあっという間に当日。
久しぶりの早起きに身体がついていかない感はありながらも、必要書類を持ち8時前に家を出る。1人でも大丈夫と言ったが、協力的な夫は「心配だから」とついてきてくれた。


数年後、この記事を読み返して笑い飛ばせることを願って記録しときます。



午前:胸部レントゲン撮影

これはOFIIではなく、指定された別の場所に行く必要がある。Radiologie あるいは Imagerie Médicale と呼ばれる検査機関で、レントゲンやマンモグラフィー、MRIなどを受けられる街中の施設。私が指定されたところはOFIIと真逆方面にあったので「うげーめんどくさ」と思ったが、仕方ないので9時の予約に間に合うようバスに40分ほど揺られて向かった。

着いてみると、人がぎゅうぎゅうすぎてドアを押し開けられないほど混んでいた(ざっと15人前後?)。私のようにOFII目的の移民もいれば、一般市民も訪れる上に受付スペースがそんなに広くないせいなのだが、そのままたじろいでいても割込されて終わるのが遅くなってしまうだけなので、ゆっくり隙間を作って声をかけながら入れてもらった。

その日は午前だけで計40人の予約があったそう。待つことおよそ30分、受付を済ませると順に名前を呼ばれるので、検査室へ。フランスなので当然 上裸になるものだと思って準備していたらブラと金属のついた服だけ脱げばOKとのことで、タンクトップは着たまま撮影。若い男性技師に Parfait! と言われなんか照れた。
そして受付で少し待っていたら画像入りの封筒を渡される。意外と早く済んでよかった。


午後:いざOFIIへ

レントゲンの施設から電車とバスを乗り継いで1時間以上の移動。まったくなんでそんなアクセス悪いとこ行き来させるかね。近くのモールを少しぶらついてランチを食べた後、いざ出陣!

建物の入口内でOFIIのセキュリティ担当が人数調整をしながら待機列をエレベーターに誘導していたので、1番後ろに並ぶ。経験者のブログから察していたけど、案の定この時点で付き添いの人はいっしょに上がれないのでその辺で待つよう言われていた。
私が並んだ時は1組だけ中国人らしきカップルがいて、彼女が全くフランス語も(英語も?)できないからと、フランス語が分かる彼氏の付き添いが許可されていた。

相変わらず心配していた夫は、名残惜しそうだったが「モールで時間を潰してるから終わったら教えて」と言い別れた。
大丈夫とは言ったものの、ここからフランス語ひとり勝負…と思うとやっぱり緊張した。(ストレスその1)

予想外の個別面談×2

特にセキュリティチェックのようなものはなく、4〜5人ずつ順にエレベーターでOFIIまで上がる。そして自分の番でパスポートと召喚状を渡す。フランス語はできるか聞かれて「少しだけ」と言うと語学資格の有無を問われ、去年の11月日本で受けたDELF A2の合格証書 (PDFを印刷したもの)を提出。原本じゃないことを不信に思われたのか?ちょっと待っててと指示された。

私より先にいた予約者たちは受付後に語学テスト会場に行ったか、テスト不要で違う場所に行ったかでその場に誰も参考にできる人がおらず、この後どんな流れになるのか状況が読めないことに戸惑った。(ストレスその2)

そして個室①に呼び出され、なぜ画像の印刷なのか聞かれた。そこを疑われるとは思ってもなかったので、ぱっとフランス語が出てこず、あべこべなことを言ってしまった。
本当なら、「試験を受けた日本の会場でしか証書の原本を受け取ることができない。海外発送は対応していないので日本の家族宛に原本を郵送してもらい(先週のこと)、そのPDFデータをもらって印刷した」と伝えたかった。

スタッフがどのくらい理解したか不明だが、めんどくさそうな表情でため息をつきながら「もういいから軽く自己紹介して」と突然ふられまた焦る。
いやもうこの雰囲気 無理やし頭真っ白やわ〜(泣)となりつつも頑張って何かは言ったと思う。(あんまり覚えてない、ストレスその3)

私のフランス語力を確認したかったんだろうけど、グダグダな様子を見た結果コイツA2レベルないわと判断され、待合スペースに戻されるとスタッフが全員に聞こえる大きい声で「A1、A1!」と歩き回りながら連絡していた。
そんな言いふらさんでも良くない?と屈辱感と悔しさでその場から消えたかった。(ストレスその4)
こんなことなら素直にテスト受けた方が楽だったかも、とさえ思った。

その後また別スタッフに呼び出され、個室②へ。
まぁひとまず語学テスト&講習は免れたっぽい。が、ここからもまた長くて大変だった。

現在の住環境や職業、学歴&職歴について、今後の予定や職業訓練を受けたいか等をフランス語と英語を織り交ぜながら質問された。
さっきの面談でだいぶ動揺したせいかこっちでも上手く聞き取りができなかったり、もう疲れて英語で返答しようとすると「French!」と制止されたり、じゃあ限られた語彙力でフランス語話そうとすると「oui ou non(イエスかノーで答えろ)」と言われたり、もう何なん!?って思った。まじで。何?

最初に何語ならスムーズに話せるか聞かれて、「日本語。あと英語の方がフランス語よりまだマシ」って言ったのに結局全部そっちのペースかい。(ストレスその5)

残り時間は oui の言い方がSPY FAMILYのアーニャっぽくならないようにすることだけに意識を集中させて乗り切ったよ。

市民講座の予約

もうなんでもいいから早く終わらせて帰りたい…と思い始めた。
引き続き市民講座の予約をとってもらい、全4回の日程をその場で決められ1〜3回目までの控えがショートメールで届く。各回に必ず持参する予約票を出力してもらい、受講は義務&書類を失くすなとクギを刺された。
3回目まできちんと受講したら、4回目の予約票をもらえるらしい。

幸い、5月の毎週火曜日にセッティングされ(上手くいけば)割とスムーズに修了できそうだと感じた。

ナース、ドクターとの面談

その後ナースの問診(既往歴、家族の病歴)と、身体測定(身長・体重・視力)。身長が170cmあって絶対ウソ、と驚いて翌日家で測ったら168cmだった。え、この歳で3〜4cm伸びるとか有り得る?日本と基準が違うとか?どれが正しいのか分からない。

ドクターとはワクチン接種歴、手術歴、今の体調についてやりとりして終了。 Covid について話した時、私がつい「コロナ」と言ってしまいドクターも笑いながら「ころな〜」と繰り返していてすごく可愛かった。
圧の強い女性たちの直後だとこの2人が穏やかすぎて天使に見えたし超癒された、ありがとう。

終了後、夫の前で泣く

全部終わって最終確認待ち中、圧強スタッフひとりが話しかけてきた。
「もっと話す練習しなきゃね。フランス語話す友達いる?」
頻繁に会える子はあんまりいない、夫とは日本語で話しちゃってると言うと、
「あー、なるほど、そのせいだ。でも頑張らないとね〜」
あれ、なんだ、良い人?最初から優しくしてくれたらよかったのに、と拍子抜けしたが、最後に少し救われた。
ビザ更新に必要な書類を受け取ってOFIIを出た。

夫と合流して帰りのバス停まで歩く最中、やっとストレスから解放された安心と疲労と情けなさと悔しさで涙が出てしまった。
移民ってこんなもん?言語ができれば問題なかった?
そりゃ言語できるに越したこと無いけど、きっとそれ以外にも越えなきゃいけない問題はもっともっとたくさんあるよね。

夫の慰めが優しすぎて更に泣く私。
「初めて外国に住むだけでも大変なのに、それがフランスだから余計に大変だと思う。きついのは自然なこと。何もおかしくないし、マキは私のためにここに来てくれただけでも頑張ってるよ。大丈夫、大丈夫。」

フランス人でも大変だと認識してるの、笑えた。


反省と気づき

・シンプルにリスニングとオーラルの準備不足
・語学資格の証明書は原本だとスムーズっぽい
・しぬほど疲れたけど意外となんとかなった
・下手くそなりにフランス語がんばったら聞いてくれる&最後は応援してもらえた
・良くも悪くも今後の励みになった


想像していたよりもイレギュラーな感じになってしまい、どっと疲れたけど、移住後ずっと夫に甘えてフランス語を話す練習をあまりしてなかった私の完全自業自得。
今回の反省点はこれに尽きる!

でもきっとこういう経験を重ねて なにくそー!って努力するんだろうね。


未来の私はどれだけ話せるようになってるかな。
無理なくほどほどに、マイペースでやってこう。

おつかれ様でした〜

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