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まちおこし 宝はすでにここにある

備前長船刀剣博物館に行ってきました。

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現在、備前長船刀剣博物館では、国宝「太刀 無銘一文字 山鳥毛」の特別展示が行われています。(2019年10月27日まで)

国宝「山鳥毛(さんちょうもう)」は、上杉謙信・景勝の愛刀であり、その高い芸術性から、備前刀の最高峰とも言われています。

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山鳥の羽が毛羽立つような、また山野が燃えるような、激しい刃文が特長です。

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入口ではこんなアンケートが行われていました。刀を擬人化したキャラクターへの人気投票です。

備前長船刀剣博物館は、2015年にも人気オンラインゲーム「しんけん!!」とのコラボレーション企画「真剣少女の日本刀展」を開催したり

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2012年には人気アニメ「エヴァンゲリオン」とのコラボレーション企画「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展」を実施したり

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まちおこしに文字通り「真剣」に取り組んでいます。いまクラウドファンディングが行われている「山鳥毛里帰りプロジェクト」もその一環です。

最近では漫画の舞台やモデルとなった場所を『聖地』と呼び、そこを訪れることを『聖地巡礼』と言いますよね。

聖地巡礼の経済波及効果はあなどれません。アニメ『氷菓』の舞台となった高山市では、総額21億円にもなったとか。

『聖地巡礼』は、漫画やアニメの舞台になったというだけで、何の変哲もない喫茶店が、巨万の富を呼び込む観光資源に変わるわけです。新規の観光客を誘致するのに、新たな観光施設を建設する必要もない。つまり、ほぼノーコスト。

アンゾフのマトリクス、という図があります。

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マトリクスの縦軸を顧客、横軸を商品とします。

➀の「市場浸透」は既存の客に既存の製品を売る。たとえば格安旅行プランでリピート率を高めるなど。
➁の「市場開発」は新規の客に既存の製品を売る。たとえば大河ドラマのロケ地に外国人観光客を誘致する。
➂の「製品開発」は、既存の客に新規の製品を売る。たとえば、ミュージアムやアウトレットモールなどの新施設を作って、行き先を増やす。

そして➃の戦略が『聖地巡礼』にあたるのです。
いままで観光スポットではなかったところに、これまで来ることがなかったような人たちがやってくる。新規×新規になるわけです。

備前長船刀剣博物館の試みは、アンゾフのマトリクスに当てはめると、➁の「市場開発」ということになります。刀剣の里、という既にある観光資源を、これまで刀剣に興味がなかった層に売り込んだわけです。

自分が持っている資源で、すでに「売りつくした」と思っているものでも、少し手を加えたり見せ方を変えることで、爆発的に売れることがあるのかもしれません。

学ぶところの多い展示でした。

#備前長船刀剣博物館 #聖地巡礼 #アニメ #経済効果 #マーケティング  #まちおこし

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