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2022年:私的映画TOP10

一昨年昨年に引き続き、今年“映画館で鑑賞した新作映画”の自分的TOP10を纏めたいと思います!

今年、映画館で観た映画は29作品でした。良い映画体験をさせていただいた作品ばかりでした。

例によってNotionのMOVIE LOGを眺めつつ、鑑賞当時の感想を見返しながら纏めてみたいと思います。



10位:MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

長編デビュー作「14歳の栞」で注目を集めた竹林亮が監督を務め、タイムループに陥った小さなオフィスの社員たちが脱出を目指して奮闘する姿を描いたコメディ。

小さな広告代理店に勤める吉川朱海は、憧れの人がいる大手広告代理店への転職を目指しながらも、仕事に追われる多忙な日々を過ごしていた。ある月曜日の朝。彼女は後輩2人組から、自分たちが同じ1週間を何度も繰り返していることを知らされる。他の社員たちも次々とタイムループに気づいていくが、脱出の鍵を握る永久部長だけが、いつまで経っても気づいてくれない。どうにか部長に気づかせてタイムループから抜け出すべく悪戦苦闘する社員たちだったが……。
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めっちゃ面白かったですね!天才か!!!と震えました。二転三転するストーリーに夢中になりました。確か休日勤務を終えてふらふらしながら映画館に駆け込んだのですが、仕事終わりに美味しい焼肉&ビールを飲んだ時みたいな幸福感に包まれたのを覚えています。
仕事大好き人間なので、このシチュエーションや主人公の気持ちに共感できるやら身につまされるやら、情緒が忙しかったです。鑑賞しながら(自分だったらどの1週間をループしたら辛いかな…)などと考えていました笑。あと、部下から見て、ずっと一緒に働きたい!と思える上司って得難い「宝」だよな…とも思ったり。
2022年のコメディ映画部門No.1です!

9位:ラーゲリより愛を込めて

第2次世界大戦後の1945年。シベリアの強制収容所に抑留された日本人捕虜たちは、零下40度にもなる過酷な環境の中、わずかな食糧のみを与えられて重い労働を強いられ、命を落とす者が続出していた。そんな中、山本幡男は日本にいる妻や子どもたちのもとへ必ず帰れると信じ、周囲の人々を励まし続ける。山本の仲間思いの行動と力強い信念は、多くの捕虜たちの心に希望の火を灯していく。
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こういった「戦争を描いた作品」に、二宮和也さんのような、ジャニーズ事務所のかたが参加する意義を、改めて噛み締めます。意義あることだと思うのです。
メインどころの演者の皆さんの演技が本当に良くて。一番は松坂桃李さんの出征シーンですね。朝加さんの演技も本当に本当に素晴らしかったです。
あと、二宮さんと松坂さんが対話するクライマックス間近のシーン。二宮さんの「飲み込み」っぷりが凄くて、ちょっと鳥肌が立ちました。


8位:女神の継承

「チェイサー」「哭声 コクソン」のナ・ホンジンが原案・製作、ハリウッドリメイクされた「心霊写真」や「愛しのゴースト」を手がけたタイのバンジョン・ピサンタナクーン監督がメガホンをとった、タイ・韓国合作のホラー。タイ東北部の村で脈々と受け継がれてきた祈祷師一族の血を継ぐミンは、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返すようになってしまう。途方に暮れた母は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。ミンを救うため、ニムは祈祷をおこなうが、ミンにとり憑いていたのは想像をはるかに超えた強大な存在だった。
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同時期に、Netflixで「呪詛」を観たので、相まって強烈な鑑賞体験となりました。一番は、「愛犬家は鑑賞注意」と書いておいてほしかったですね。半年経った今も、若干トラウマ気味になっています(実家の愛犬がシーズーじゃなくてよかった…)。本当に「タブー無し」のホラー映画です。強烈。
昔「リング」を観た時の衝撃を思い出しました。ホラー映画界のゲームチェンジャーになりうるというか。
POV、モキュメンタリーなのが恐怖増し増しですね。ただ「クローバーフィールド」のような、「なぜその映像を手に入れられたのか」的な説明がなかったのが、余計に不気味でした。


7位:香川1区

2021年秋の第49回衆議院議員総選挙で注目を集めた選挙区の香川1区に焦点を当てたドキュメンタリー。衆議院議員・小川淳也氏の初出馬からの17年間を追った「なぜ君は総理大臣になれないのか」が大きな話題を集めた大島新監督が、同作の続編的位置付けの作品として手がけ、香川1区の選挙戦を与野党両陣営、双方の有権者の視点から描く。2003年の初出馬から1勝5敗と闘いに窮し、比例復活当選を繰り返してきた小川氏。香川1区で彼の前に立ちはだかってきたのが、自民党の平井卓也議員だ。四国新聞と西日本放送のオーナー一族にして3世議員の平井氏は、前回2017年の総選挙で小川氏に辛勝。その後、小川氏は統計不正についての国会質疑や映画で注目され、その知名度は全国区に広がっていく。2020年に菅政権が誕生すると、平井氏はデジタル改革担当大臣に就任。保守地盤である香川の有権者にとって「大臣」の肩書は絶大で、小川氏の苦戦は免れないと思われたが、平井氏はオリパラアプリに関する不適切発言などでマスコミの標的となっていく。
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2021年12月上映スタートでしたが自分が視聴したのは3月のオンライン上映だったので。
「体験型選挙映画」ですね。10月31日の総選挙での、香川1区の「ゼロ確」の瞬間。当時SNSでその瞬間も拝見しましたし、それまでどんなふうに活動をしてこられたか、SNSを通して見守っていました。だから経過も結末も知っているドキュメンタリーだったんですが、小川議員を支える家族や後援者、市民の方々が主役でもあるんだなと思いました。
娘さんの「正直者の気持ちは、いつか皆に届くんじゃないかっていうのを、今日初めて感じました」という言葉が、忘れられないです。
「頑張ってくださいじゃなく、頑張りましょうと言わないといけないんだ」「数年後にはきっと日本中が香川1区になっている」有楽町での青空対話集会での言葉の数々も、本当に素晴らしかったです。沁みます。


6位:ブエノスアイレス

「欲望の翼」のウォン・カーウァイ監督のもと、レスリー・チャンとトニー・レオンが恋人役を演じ、アルゼンチンを舞台に繰り広げられる男同士の切ない恋愛や人間模様を描いたラブストーリー。

激しく愛し合いながらも別れを繰り返してきたウィンとファイは関係を修復するためイグアスの滝へ向かうが、途中で道に迷って言い争い、そのままケンカ別れしてしまう。その後、ブエノスアイレスのタンゴバーでドアマンとして働いていたファイのアパートに、傷ついたウィンが転がり込んでくる。仕方なくウィンを居候させるファイだったが、ケガから回復したウィンはファイの留守中に出歩くように。そんな中、転職して中華料理店で働きはじめたファイは、同僚の青年チャンと親しくなる。

第50回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した。1997年に劇場公開。18年2月、カーウァイ監督の「欲望の翼」デジタルリマスター版の公開にあわせて、Bunkamuraル・シネマで特別上映。2022年には4Kレストア版が「WKW4K ウォン・カーウァイ4K」(22年8月19日~シネマート新宿、グランドシネマサンシャイン、シネマシティほか)で上映。
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1997年公開時、時間が有り余っていた子供だったので、2回連続で観たのです(入換制になる前だった)。でもあまり意味がわからない程度に子供でした。
だから2022年の今、4Kレストア版が上映されたのは、本当に本当にありがたくて。「恋する惑星」「天使の涙」「2046」を観ましたが、この「ブエノスアイレス」が、やっと理解できる程度には、大人になりました。
ファイの気持ちも、ウィンの思いもめちゃくちゃわかるなあと。「形容しがたい関係性」を、自分自身が知ったからかもしれません。
灯台のシーンが、本当に美しくて“完璧”です。傑作ですね。



5位:スペンサー ダイアナの決意

クリステン・スチュワートがダイアナ元皇太子妃を演じ、第94回アカデミー賞で主演女優賞に初ノミネートを果たした伝記ドラマ。ダイアナがその後の人生を変える決断をしたといわれる、1991年のクリスマス休暇を描いた。

1991年のクリスマス。ダイアナ妃とチャールズ皇太子の夫婦関係は冷え切り、世間では不倫や離婚の噂が飛び交っていた。しかしエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスに集まった王族たちは、ダイアナ以外の誰もが平穏を装い、何事もなかったかのように過ごしている。息子たちと過ごす時間を除いて、ダイアナが自分らしくいられる時間はどこにもなく、ディナー時も礼拝時も常に誰かに見られ、彼女の精神は限界に達していた。追い詰められたダイアナは故郷サンドリンガムで、その後の人生を変える重大な決断をする。
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クリステン・スチュワートが好きです。(と言っても「チャーリーズ・エンジェル」しか観てないのだけど)
映画のポスターを見た時から、このビジュアルで、クリステン・スチュワートが演じるならもう間違いないでしょう…と期待していたのですが、想像を超えていきました。彼女が演じるダイアナ元妃、ずっと観ていたかった。
本当に美しくて切なくて、実在の人物の、ほぼ実際に起きた出来事なのが平衡感覚をおかしくさせるような。ぴんと糸が張り詰めたような、薄氷を踏んでいくような、美しさと儚さ、脆さが共存しているような。
映像も演出も、音楽も装飾も衣装も、そして俳優陣、本当に素晴らしかったです。


4位:コーダ あいのうた

家族の中でただひとり耳の聞こえる少女の勇気が、家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク。海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。テレビシリーズ「ロック&キー」などで注目の集まるエミリア・ジョーンズがルビー役を演じ、「愛は静けさの中に」のオスカー女優マーリー・マトリンら、実際に聴覚障害のある俳優たちがルビーの家族を演じた。監督は「タルーラ 彼女たちの事情」のシアン・ヘダー。タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」のこと。2022年・第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞の3部門にノミネートされ、同3部門を受賞。ルビーの父親フランク役を務めたトロイ・コッツァーは、男性のろう者の俳優で初のオスカー受賞者になった。
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4月に鑑賞した映画なのに、今も思い出すと、心があたたかくなるような。本当に素敵な映画でした。
笑いあり、ズドンと重たい感情もあり、甘酸っぱさもあり。本当に“人生”でした。家族も教師も、皆“よかった”ですね…。
コンサートシーンの“演出”が、今でも忘れられないです。ゾクゾクしました。映画史に残る名場面だと思っています。
あとこの映画、広島のサロンシネマで観たのです。大好きな映画館で鑑賞できて、最高に幸せでした。



3位:トップガン マーヴェリック

トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた1986年公開の世界的ヒット作「トップガン」の続編。アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット、マーヴェリックが教官として帰ってきた。空の厳しさと美しさを誰よりも知る彼は、守ることの難しさと戦うことの厳しさを教えるが、訓練生たちはそんな彼の型破りな指導に戸惑い反発する。その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿もあった。ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙するが……。主人公マーヴェリックをクルーズが再び演じ、「セッション」のマイルズ・テラー、「ビューティフル・マインド」のジェニファー・コネリー、「アポロ13」のエド・ハリスが共演。さらに前作でマーヴェリックのライバル、アイスマンを演じたバル・キルマーも再出演する。「オブリビオン」のジョセフ・コジンスキーが監督を務め、「ミッション:インポッシブル」シリーズの監督や「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家として知られるクリストファー・マッカリーが脚本に参加。
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めちゃくちゃ評判が良かったので前作を観ないまま鑑賞して(IMAXで)、めちゃくちゃ面白くてかっこよすぎてノックダウンされ、2回目は4DXで観ました。最っ高でした!!!あとはGを体験できてたら私もF-18に乗っていた。
カタパルトオフィサーのアクションとビーチでのラグビーシーンが狂おしいほど好きです。ずっと観ていられる…。
“映画館で観る映画”って素晴らしいなと思わせてくれました。最高の映画体験をさせてもらえました。やっぱりトム・クルーズは凄い。本当に、最高の映画スターですね。


2位:流浪の月

2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうのベストセラー小説を、「怒り」の李相日監督が広瀬すずと松坂桃李の主演で映画化。ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗に、19歳の大学生・佐伯文が傘をさしかける。伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。“被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗と文は、事件から15年後に再会するが……。更紗の現在の恋人・中瀬亮を横浜流星、心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみを多部未華子が演じる。「パラサイト 半地下の家族」のホン・ギョンピョが撮影監督を担当。
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世界に輸出してほしいと思うほどのクオリティでした。アカデミー賞にノミネートされないのでしょうか。基準などよく知りませんけども。
12月までずっと、今年No.1映画だと思っていました(思わぬ伏兵が…!)、それほど素晴らしかったです。
撮影監督の手腕で、ここまで“完璧”になるんだなとしみじみ実感しました。監督が表現したい世界を具現化する。演者の繊細な演技を120%まで引き出し、美しく映し出す。最高でした。松坂桃李と広瀬すずの演技が、本当に素晴らしかったです。
こういう叙情的な作品は、演出と映像が本当に大事なんだなと思い知りました。
主人公たちを取り巻く環境や人間の感情がドロドロと澱んでいて、それらが全部混ぜこぜになって絶望的なのに、世界はどこまでも美しい。李監督の作品は「怒り」もそうでした。中毒になりそうです。



1位:THE FIRST SLAM DUNK

1990年から96年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、現在に至るまで絶大な人気を誇る名作バスケットボール漫画「SLAM DUNK」を新たにアニメーション映画化。原作者の井上雄彦が監督・脚本を手がけ、高校バスケ部を舞台に選手たちの成長を描き出す。

湘北高校バスケ部メンバーの声優には、宮城リョータ役に「ブルーロック」の仲村宗悟、三井寿役に「ガンダムビルドダイバーズ」の笠間淳、流川楓役に「ヒプノシスマイク」の神尾晋一郎、桜木花道役に「ドラえもん」の木村昴、赤木剛憲役に「僕のヒーローアカデミア」の三宅健太を起用。1990年代のテレビアニメ版も手がけた東映アニメーションと、「あかねさす少女」のダンデライオンアニメーションスタジオがアニメーション制作を手がける。

ロックバンドの「The Birthday」がオープニング主題歌、「10-FEET」がエンディング主題歌を務め、作曲家・音楽プロデューサーの武部聡志と「10-FEET」のTAKUMAが音楽を担当。
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前情報が何もなくて、ただムビチケだけは2枚買っていて…という状態での、公開初日の鑑賞でした。やばかったです、最高でした。井上先生は本当に神。観る前までは、果たして原作者(漫画家)に映画監督ができるのだろうか?と疑問に思っていました。正直言って。原作者だからこそ、の映画でしたね…神すぎた。
すべてにおいて芸術点が高すぎました。バスケの試合を観にきたのかなという。
私はどうして三井寿のムビチケを買わなかったのか。一生悔やみそうです。全員分買っておけばよかった!!!


いろんなタイプの映画を観ることができて、今年も楽しい1年でした。
来年もたくさん映画館で鑑賞したいと思います!

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