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未来について語る-1:就活生の相談に乗った時に

本当は今日、ウォン・カーウァイ監督作品について語るつもりで書き始めていたのですが、アウトプットしておきたいことがあり、映画語りと並行して別シリーズを綴ってみようと思います。

「未来について語る」ことについて

基本的にnoteでは”自分が好きなもの”についてだけ語るつもりで、①ガジェット(Notion)、②映画館&映画の2本柱でつらつらと書いていたのですが、書きながら整理しておきたいことができました。仕事に関することなのでちょっと迷いましたが、”若者にアドバイスをすることが好き”なので、”好きなもの”の3本目の柱として③未来について語るというタイトルで、思いついた時に纏めていこうと思います。

企業の新卒採用領域のコンサルティングを生業としており、その一環で、就活生の悩み相談や壁打ち相手を務めさせてもらう機会があります。企業から依頼されているのでも、職務でもないので、ボランティアに近いのですが、学生さんの悩みに寄り添ってアドバイスをすることで自分の仕事に活きるし、私と話すことで何某かの気づきを得てもらうことが何より嬉しいので、win-winだなと思っています。

今日、相談に乗ったのは、「これからインターンシップ先探し=就職活動をスタートしなければいけないけれど、勉強との両立が心配だし、どこから手を付けていいかわからない。自己分析もしなければいけないけど、気が重い」という大学3年生の悩みについてでした。一緒にいろいろ閑雅ながら、ひとつ、彼女の心に響いたことがあったので、それについて書いてみます。

就職活動のスタート時にすること

最近よく思うことがあって。就職活動(近年では、夏季インターンシップ先探し)はまず企業研究と自己分析から…っていう流れ、あまり好ましくないなと思っています。そこに苦しむ学生さんたちをたくさん見てきたからです。わからないことだらけで、でも”早く応募しないと”と急かされて。まるで、どこまで続くのかわからない、長いトンネルを走っているみたいな気持ちになるんじゃないかな?と思うのです。ものすごく窮屈な気がする。

それは、”誰かがつくったフレームに、自分の将来の姿を無理やり当てはめてみる”行為だからじゃないかなと思うのです。私だったら気が乗らない。妄想していても面白くないから。なんで自分の未来を、ぎちぎちの”既存の枠”に無理やり押し込まないといけないんだろう。まるでフローチャートで「当たり障りのない」「誰かが勧めてくる、あらかじめ敷かれた、幾つかの道(企業)」のどれに進みたいか?選んでいるにすぎないからじゃないかなと思うのです。しかもこの先、どの道が正解=安泰なのか、先輩にも先生にも親にも、誰にもわからないのに。

自由に発想すること

だから、企業研究とか自己分析は、いったん横に置いておいて、まずは、もっと自由に発想していいんじゃない?と思うのです。

私は幡野広志さんが仰っていた「好きなことが見つからないなら、スマホのカメラロールを見ればいい」という言葉がすごく好きです。

──ただ「好きなこと」が見つからないという学生も多いですよね。
それもスマホです。カメラロールをみればいいんですよ。

未来の自分を妄想する時は、ワクワクしてほしいなあ、と思うのです。自己分析やんなきゃ…じゃなくて。こんなかっこいい社会人になりたい!とか、めちゃくちゃ好きなものを極めたいとか、支えたいとか、そこから未来を描いてもいいんじゃないかな、と思うのです。その結果、選んだ企業に就職するのか、もしくは起業するのか、あるいは留学とか、学校に入りなおすとか。いろんな道=可能性が開けてくる。まずその地点からスタートした方がいいんじゃないかな、と思うのです。もっと手前にスタート地点ってあるんじゃないですか。

早く就活をスタートしないととか、企業研究と自己分析から着手しようとか、急かしてばかりの過去だったと反省しています。妄想の余地がないというか、描く未来がシュリンクしちゃいそうで、本当にもったいない。

経団連の中西会長のこのnoteも好きです。

会社とはもともと人とカネを集める「場」です。この「場」を上手に活用してお金を儲けるのが、ビジネスの基本。それなのに、会社という「場」が年功序列、終身雇用を前提にしていては組織は硬直化してしまいます。
 私が若い人たちに言いたいのは、もっと自分のやりたいことをやって欲しい、ということ。「自分探し」という言葉があること自体、おかしいですよ。やりたいことをやるために、会社という「場」はあるわけですから。金太郎飴のようにいい学校を出て大企業に入れば安泰、というモデルはもう存在しません。しかし、それを悲観的に捉えるのではなく、逆にそれだけ活躍の場がたくさんあるんだと思って欲しいですね。

今後、企業に就職するということは、”組織に属し、貢献する”ではなく、”guildに所属する”ことがスタンダードになると考えています。”やりたいこと”は自分のスキルやキャリア、ステージが上がっていくごとにどんどん変わり、拡がっていくはずだから、フィールドを移り変わるのが当然になると思う。

自分が大学3年生だったら

もし私が今、映画×Notion好きな大学3年生だったら、と妄想します。もしかすると、このコロナ禍の中でも、好きなもの…”文化を守るための仕組みづくり・インフラ整備を自分が支えること”に生きがいを見出すかもしれない。今、イメージに近いビジネスを手掛けている会社や、将来仕組みを作るときに必要な技術や知見を得られる会社。あるいは自分で閃いたビジネスを形にする方法…あたりを選択肢に挙げて行動するかも。ワクワクする。

もしくは、もうすこしシリアスに、自分がなすべきこと=使命を考えるのであれば、安宅さんの「シン・二ホン」を読んで、自分の志事を探すと思います。日本の未来を考えた時、個々が何を”為すべきか”がはっきり、くっきり理解できる名著だと思っています。

できること、やらないといけないことは、めちゃくちゃいっぱいある。もっともっと勉強もしたいし、いろんな人に出会って結託したい。やっぱり、ワクワクする。


まとめると、自己分析とか、業界・企業研究をする前に、妄想を働かせる時間をたっぷり持った方がいいかな、ということでした。まわり道に思えるかもしれないけど、多分それが、一番最短のルートだと思うのです。

誰に読んでもらいたいわけでもないnoteだったけど、書いてみて、ちょっとすっきりしました。また気付いたことがあれば、書いてみようと思います。

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