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2021年:私的映画TOP10

久々のnote投稿ですが、去年に続き、これを書いておかないと年は越せないよねということで。走り書きですが、備忘録的に纏めておきます。

今年は劇場で鑑賞した作品は24本のみに留まりました。転職したてだったり、資格試験の勉強をしたりとなにかと忙しかったのですが、あとはシンエヴァを9回、ハサウェイ・孤狼の血・くじらびとを2回ずつ観たから…のような気がします。多いわさすがに。
年明け早々、「呪術廻戦0」を2回目鑑賞しようとしているし、この何度も観に行っちゃうムーブは加速しそうです。「シン・ウルトラマン」とか何回行くんだろうな。

今年の私的TOP10の傾向として、3位以降は順不同というか、ランキングにあまり意味はありません。自分の中でのジャンル、カテゴリそれぞれのNo.1を選出したという感じで。観た映画が、ドキュメンタリーとアニメに偏っていたこともあるのかもしれません。いわゆる“物語”っぽい、ドラマ重視の作品は、今年あまり観てませんでした。本当に“これだけは劇場で観たい!”という作品を厳選したからかな。来年はもうちょっと、劇場で鑑賞する時間を増やして、ちょっとした興味程度でも気軽に飛び込んじゃうようなフットワークの軽さが欲しいものです。

10位:ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”

嵐のファンというわけではまったく無く、ドラマが好きだったので「a Day in Our Life」と「Beautiful days」は歌えるけど、他の曲は聴いたことある程度…の認識でした。けど、映画の為にライブを開催した?という広告を見かけて、映画ファンとしてはどんなものか“目撃”しておかないとねと足を運んでみたのでした。これ、ドルビーシネマでも観たかったなあ…!
一言でいうと、最高でした。ファンと嵐のメンバーが生み出す“生のライブ”の、圧倒的なエネルギーを、スクリーンからもろに浴びるような。
嵐のライブ映像をまともに観るのは初めてだったんですが、こんなに楽しくてしあわせな気持ちにさせてくれる人達だったんだなあ、としみじみ実感しました。これまでバラエティやドラマ、映画でしか観てこなかったのがもったいなかったな…と。
ライトな興味程度の私がこんなにも感情を揺さぶられたのだから、何年も好きで居続けたファンの方々の心を思うと、いろんな感情の渦なんだろうなあ…と、ちょっと羨ましく思いました。
125台のカメラが追いかけた、映画の為のライブ。凄まじいですよね。あの瞬間の嵐だからこそ、映画に残す意味があったんだなと。普通のライブ映像ではない、特別な“ライブ映画”を劇場で観ることができて、良かったなあと思いました。
というわけで、ライブ映画部門No.1。

9位:竜とそばかすの姫

細田監督作品だから…というわけでもなく、CMで聴いた「U」がどうしても劇場で聴きたくなって。今年一番聴いたアーティストはmillennium paradeだったし。
映像も物語も、正直にいうとほどほどに好きって感じなんですが、Belle(中村佳穂)の歌声がめちゃくちゃ好きで。あと「U」を鯨の上で歌うシーンの、映像と歌声の一体感は、本当に“生きて”いるようで、鳥肌が立ちました。

作品と歌の幸せな関係性をしみじみ実感した一年だったんですが、実はそのどれもに常田大希が関わってるんですよね。「呪術廻戦0」の「一途」しかり。凄いわほんとに。
歌部門No.1です。(呪術廻戦0とほんと迷った!)

8位:パンケーキを毒見する

去年が政治系ドキュメンタリー映画の当たり年だったんです。今年も、12/24に「香川1区」が緊急公開されてますけど、まだ私は未公開エリアなので…(悔しい…!)
「華氏911」を彷彿とさせる構成ですが、ほんと自国のことなので笑えないというか。TVはいろんな思惑やフィルターがかかっちゃうので本質を伝えてもらえてる感覚が薄いですが、映画はストレートに届けられる唯一の映像メディアになるのかもしれませんね。
もっとこういう作品が増えてくれたら、市民教育も進んで行くのではと思います。期待を込めて、今年の政治系映画No.1です。

7位:機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

これはもう、監督が村瀬修功さんなので!観るしかなかった!ガンダムはファーストとZとF91位しか履修していませんが、村瀬監督の作風は子供の頃から大好きで。最近は「虐殺器官」が好きで好きで。何度観たことか。今回も最高でしたね。
ハサウェイとギギの意味深なやりとりや日常?パートの空気感や色彩も村瀬ワールド全開って感じでしたけど、MSによる夜の襲撃&市街地線と、それによる閃光の中で抱き合うハサウェイとギギの姿、多分一生忘れないだろうな…と思いました。

あと海上での一騎打ちシーン、波間にビームライフルの光の粒子が落ちて海面が輝く様が本当に美しくて、芸術だな…と酔いしれました。映画館で観て本当に良かった。続編も楽しみです。戦闘系アニメ映画No.1。

6位:コレクティブ 国家の嘘

評判がめちゃくちゃ高かったので、すごく楽しみにしていました。
すごく良かったんです。でも、めちゃくちゃ怖い。本当にドキュメンタリー?嘘でしょ?と言いたくなる、残酷な現実です。
ラストシーンが本当に怖い。思い出すたびに胸の奥がひんやりと冷たくなります。エンドロールが始まった瞬間、「嘘でしょ、これで終わり?」と思ってしまった。誰かがヒーローとして颯爽と登場して、希望を見せてくれるんじゃと、心のどこかで期待してたんだな、現実は全然違う、と思い知りました。
ルーマニアの、底無し沼のような悪夢。日本も決して他人事じゃないんですよね。ヒーローを待つのではなく、自分から一歩踏み出さないと、と思わせてくれる映画でした。ドキュメンタリー映画部門No.1です。

5位:空白

これも、重い映画でした。もう一回観る?と問われたら、コンディション次第と答えたくなるような。
でも、ひとが救われる瞬間がくっきりとわかる、素晴らしい映画だと思います。私の中では、「怒り」と並んで忘れられない作品になりました。
松坂桃李と古田新太の演技対決を楽しみにしていたんですが、鑑賞時は、こんなに“印象が薄い”松坂桃李(の役)もなかなか見ないなと。さすがですね。そして古田新太が恐ろしくて、凄まじかったです。徐々に変化していくとこも素晴らしかった。
あと片岡礼子さんをはじめ、素晴らしい俳優陣ががっつり固めていて、邦画って良いなあ!と思えた、骨太な映画でした。
松坂桃李は2021年、映画にドラマに大活躍でしたけど、「孤狼の血 LEVEL2」と迷ったけどこっちで!
俳優陣の演技とシナリオが素晴らしかった邦画部門No.1です。

4位:ヤクザと家族 The Family

これも「俳優の演技が素晴らしかった邦画No.1」ではあるんですが、この映画がちょっと忘れられないなと思ったのは、鑑賞後、主題歌「FAMILIA」のMVを観てからです。

藤井監督と綾野剛のタッグ、という前情報だけ仕入れて観に行って、めちゃくちゃ重たいものを手渡されて呆然と帰路につきながら、Spotifyでこの曲を聴きながら帰った時の光景や感情は、約一年経った今もくっきり思い出せます。「これ以上は無いラスト」なんだけど、重くて苦しくて。藤井監督は本当に“見える世界”を変えてくれる方だなあ…としみじみ実感しました。
そしてもうふたつ驚きがあって。エンドロールが流れる直前(映画にマッチしない歌声が流れて、この余韻が台無しになったら嫌だな)と思ったんですが、井口理の歌声が聴こえてびっくりしたんですね。主題歌がミレパと知らなくて。重石のような余韻に、millennium paradeの歌と歌詞が寄り添ってくれて、最高のエンドロールでした。
監督、綾野剛、常田大希のインタビューを読んで納得しました。最高のコラボレーションでした。

あと帰宅後にMVを観て、(映画の続き…!)と驚きました。映画と音楽がこんなにも融合した作品は観たことがなくて。主題歌の力を実感した映画No.1です。

3位:くじらびと


石川梵監督の2作目です。「世界でいちばん美しい村」が素晴らしかったので、クラファンにも参加しました。
これは後世に語り継がれるべき作品だと思います。素晴らしかった。
石川監督は、ジャーナリストの身体に、映画監督のセンス使命感、と撮影監督の技術を備えた稀有な方ですね。どうやって撮影したんだろう…と慄くようなシーンの連続な一方、ラマレラ村の人々の“魂”に寄り添った日常風景があたたかくて優しくて、本当に美しい映像でした。

鯨漁のシーンが凄すぎて、息が詰まって涙が出ました。はじめての感情が渦を巻いて、まだこんな“未知の感情”が自分にあるんだなと驚きました。興奮と恐れと畏怖と尊敬が入り混じったような。エネルギーの塊のような作品でした。
エンドロール、Special thanksの5枚目に自分の名前が出てきて、改めて泣きました。素晴らしい作品に関わることができて、本当に嬉しいです。


2位:フリー・ガイ


今年観た映画は、重ためのものが多くて、観賞後「あー楽しかった!」とにこにこできる作品はこの「フリー・ガイ」位かなと。観てよかった!
大好きな「レディ・プレイヤー1」並のつくりこみ具合と面白さでした。散りばめられたオマージュ、小ネタ最高だったなあ。配信を待ってたら、絶対に公開していました。劇場で観てよかった!
ポスターを観ていた頃は、なんとなく(印象に残らないし、観なくていいかな)とスルーしかけていたんですが、それもそのはずでモブキャラなんですよね、ライアン・レイノルズが。でもガイを観ていると、薄っぺらい善人(ただの人)に見えて、4歳児納得のピュアさとチャーミングさで、一気に好きになってしまう不思議な存在でした。出てくる人みんな良かった。
思い返すたびにハッピーな記憶が蘇る、しあわせな映画体験でした。


1位:シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

いやー終わったなあ…終わるもんだなあと。終わらせてくれて、庵野監督をはじめ全スタッフ、キャスト、関係者の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。いまだに。
TVシリーズからほぼリアタイしているファンなので、生きている内に“大団円”のエンディングを観られるなんて、感無量です。オリジナルのキャストが揃った状態で、誰ひとり欠けることなく、最高のクオリティで展開してくれた“最終話”。エヴァファンでいて本当に良かったと、しあわせな体験をさせてもらいました。

3月12日(金)に1回目を観に行って(初めてSNS断ちしました、ネタバレ見たくなくて)、7月18日に9回目を観ているんですが、鑑賞のたびに新しい発見や感動があって。9回目の最後は、もう映画館で観られないんだと思うと寂しくて泣けました。
公式からアウトプットされる情報量も、公開後の考察や感想の豊かさも凄くて、ずっとエヴァが身近にあった1年だった気がします。情報を溜めていったNotionページも、他作品と比べると桁違いにボリューミーで、エヴァが持つコンテンツとしての魅力と奥深さに改めて感嘆しました。
終わらせてくれてありがとう、と、何度でも言いたいです。
新劇場版は、宇多田ヒカルがずっと主題歌を担当してくれたのも、本当に嬉しかったです。「One Last Kiss」の“初めてのルーブルは…”を聴くたびに「あのシーン」を思い出して涙ぐんでしまいます。

シンエヴァが“映画として1位”かと言われると、ちょっと迷うくらいに自分の思い入れが強すぎるんですが、コンテンツの魅力含めて映画でしょう、とも思うので、1位です。別格すぎる。

今年も良い映画をたくさん観ることができて良い1年でした。
2022年は初頭から、大島監督の「香川1区」や、ワイズマン監督の「ボストン市庁舎」など、期待しかない作品が目白押しなので、本当に楽しみです。

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