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「MIU404」と綾野剛について

いつか邦画の俳優さんについてアウトプットしたいなと思っていましたが、初回が綾野剛さん、しかもドラマ軸になったというのが我ながら面白いです。それだけ「MIU404」の“伊吹藍”に夢中になりました。伊吹を演じた綾野剛さんの凄みについて、まだ覚めやらぬ熱を綴っておくためのnoteです。

「MIU404」が最終回を迎えた週明け早々に、菅田将暉さんや星野源さんのオールナイトニッポンで裏話を聴かせてもらったり、いろんなWEB記事や感想noteを読みあさる日々です。ロスりつつも、熱気の伝播が激しくて、めちゃくちゃ楽しい!

制作陣の裏話を見聞きするたび、私が夢中になった“伊吹藍”というキャラクターは、綾野剛さんおひとりの力だけでなく、いろんな人達の熱意のぶつかり合いで作り上げられたものなんだな…としみじみ感じています。
それこそピタゴラ装置のような、ケミストリーのスパークのような。作品作りって本当に面白いなと、惚れ惚れします。

ここでは綾野剛さんにフォーカスして綴りますが、志摩を演じた星野源さん、共演した演者の皆さん、制作陣の方々の熱のこもった仕事ぶりが本当に素晴らしくて頭が下がります。
仕事熱心な人のお話を聞くのが大好きなので、「MIU404」制作陣の発言を見聞きするたびに余計にテンションが上がってしまう、こんなに熱い余韻はなかなか無いことです。


“綾野剛”という俳優

邦画は結構観る方だと思います。監督や脚本よりも、演者さんで作品を選ぶことが多く、たとえば役所広司さん、佐藤浩市さん、蒼井優さん、黒木華さんが出演される映画は「間違い無いな」と選びがちです。若手だと綾野剛さん、松坂桃李さん、菅田将暉さんなど。
あまりストーリーや原作は気にせず、「いい演技に浸りたい」と劇場に足を運びます。結果、たとえ脚本が好みじゃなくても、演技に魅了されて満足することも多いです。

「MIU404」の放送開始を楽しみにしていたのも、スタッフ陣が「アンナチュラル」チームであることと、W主演の一人が綾野剛だったから。正直、6月下旬は私生活でいろんな変化があり、積極的に連続ドラマを観たい気分ではありませんでした。
それでも綾野剛と星野源のW主演は気になるし、派手なカーチェイスがありそうな予感がするしで、ひとまず第1話はじっくり観ようと、6月26日を迎えました。

そして「いい仕事じゃーん」の表情を見た瞬間、こんな綾野剛が観たかったんだ…!と震えたのです。この笑顔をずっと待っていたんだと。


いくつか綾野剛さんの出演作を鑑賞していますが、ここ数年はほんとに暗い…というか、表裏で言うと“裏側”な役が多かった。先日登場された「菅田将暉のオールナイトニッポン」で、「伊吹のような、こんな人に愛情たっぷりの演技は久々。病んでるかクズばっかりだった」と仰ってましたが本当に。陰キャ演じたら当代一ではなかろうか。

出演作はどれも見応えある作品で、綾野剛が出る映画はほんと間違いない。「信頼できる」俳優の一人だと思っています。

綾野剛出演作で好きな映画

-「天空の蜂](2015年9月12日公開)雑賀 役
-「リップヴァンウィンクルの花嫁」(2016年3月26日公開)安室行舛 役
-「64 -ロクヨン-」(2016年5月7日、6月11日公開)諏訪 役
-「日本で一番悪い奴ら」(2016年6月25日公開)主演・諸星要一 役
-「怒り」(2016年9月17日公開) - 大西直人 役
-「亜人」(2017年9月30日公開) - 佐藤 役
-「楽園」(2019年10月18日公開)- 主演・中村豪士 役
-「影裏」(2020年2月14日公開)主演・今野秋一 役

特に「天空の蜂」と「怒り」と「楽園」は最高でした。「天空の蜂」は絶望と凶暴の狭間に落ちた人間の結晶のようで壮絶だったし、「怒り」は思い出すたび、いまだに悲しい余韻を引き摺ってしまう…“儚い”という言葉がぴたっとはまる。

「楽園」は本当にやばかったですね…正直いまだに咀嚼しきれていないんですが、最後が本当に美しくて救われる。
あと今思えば「影裏」ではほんと線が細かったというか…伊吹と対比すると凄いですね、本当に同じ役者さん?と思う。生命線めちゃ短そうだ。

何というか、いつも極端ですよね、演じられているキャラが。濃ゆい。裏側な役を演じたら天下一品。「日本で一番悪い奴ら」はほんとに悪くて悲しくなるほどでした、公開予定の「ヤクザと家族 The Family」 も楽しみです!

とは言え、野木さん脚本の「空飛ぶ広報室」(2013年4月TBSドラマ) の空井大祐のような、明るくて爽やかな役もそろそろ見たいなと思っていたのです、さすがに。
なので野木さんがインタビューで「最近、綾野くんは本当の“悪”を背負うような役や深刻な役が多かったイメージなので、明るいワンコっぽさを出していこうとイメージを膨らませていきました」と仰っていて、それ!!!とめちゃくちゃ頷きました。ほんまそれ。

なので、第1話で伊吹の「超いい仕事じゃーん」の笑顔を見た時、こ!れ!だ!と唸ったのです。私はこんな綾野剛が、ずっとずっと観たかった…!


“伊吹藍”というキャラクター

「MIU404」で演じた伊吹藍。今まで拝見した役どころの中で一番好きです。徹頭徹尾、1話目から11話目まで“最高”でした。毎週金曜に目にできる彼の躍動が、楽しみで仕方なかった。

最終回後に読んだコラムで、「特に綾野剛・星野源の主演両者と、久住を演じた菅田将暉の鬼気迫る演技はK点を超えた感があった」と書かれていて、ほんとそれな!と思いました。
特に第8〜11話なんて、本当に映画を観ているみたいでした。ヒリヒリした。

なぜ自分が“伊吹藍”というキャラクターに強烈に惹かれたのかなと紐解いてみました。

インタビューやラジオで綾野剛さんは「少年マンガの成分だけで伊吹を作った」と仰っていて、そこにものすごく納得はしたのですが。

一方で、それだけじゃないのではないかな?と思いました。伊吹って、少年マンガのヒーローにしては、ちょっとだけ“意外”な顔をするんですよね、薄っぺらくないというか。
そこが伊吹という人物像に深みを増していて、より惹かれたポイントなのかなと思っています。

単純明快な真っ直ぐさ、だけではなくて。何かの弾みでダークサイドに落ちてしまいそうな危うさを秘めつつも、悩んだり傷ついたりしながら、さらに逞しく優しく成長していく…そんな人間味のある奥深いヒーロー像が、伊吹に当て嵌まる。
ゆたかに「正義は弱いものだから」と説く姿なんて、ああ、“こちら”の道を突き進んでくれてよかったなあ、としみじみ思いました。志摩との出会いが彼を変えたんだよな、なんて。

伊吹の立ち振る舞いに感じる奥深さって、綾野剛という演者がこれまで演じてきた、ダークだったりグレーな境地にいる人間が“地層”のように折り重なり、それに少年マンガの成分が乗ったことで人物像に深みを増してるのかな、と思うのです。
それって人間そのものですよね、人もそうやって成長していく。だから濃くて面白い。

演劇経験が無いので勝手な妄想で恐縮ですが…
キャラクター設定と脚本という“設計図”があり、演者が役作りのための解釈をする。そういう演者同士の掛け合いで、さらにキャラが相互に肉付けされていき、監督が演出という魔法をかける…というのが作品作りの基本的なピース。
その“演者がキャラを生きる”土台に、これまで彼が演じてきた人々の感情や機微があるから一層深くなるのかな…などと思いました。だから役者の皆さんがよく「いろんな役を演じたい」って言うのかな。

以前、菅田将暉さんのラジオに松坂桃李さんが出演された際、「孤狼の血」で共演した役所広司さんのことを「あの皺、積み重ねたものは、俺達には全然ないものだ」と仰っていました。
その「皺」っていうのは、表面的なものももちろんですが、役者として、人間として積み重ねてきた経験が織りなす厚み、層のようなものなのかなと思いました(そうだと私が嬉しいなという妄想です)。

才能や姿形も勿論のこと。そこに解釈や経験が層のように折り重なり、そして演者同士のぶつかり合いでスパークする。演技って素晴らしく奥深いですね。“脚本通り”に演じられていたら、ここまでの奥深さって醸し出されたのだろうか?


痺れた演技:各話レビュー

そういう視点で、各話で「あーーー、綾野剛いい演技する…!」と酔いしれたシーンをピックアップしてみました。細かすぎて伝わらないかもしれない、私がツボった好きな場面のメモです。

第11話「 」→「ゼロ」

・志摩を殴るところ。思ってたより0.5秒ほどタイミングが早いのがリアル過ぎてすごい

・悪夢の中、志摩を殺された伊吹が久住を撃つシーン。その瞬間の表情がすごい。ちょっと笑っているのは“無”だから?何も考えずに体が動いたから?
泣くのでも怒るのでもなく、ただ「殺してやる」としか思っていない人間の顔だった。ここは過去の出演作で“よく見た”顔を想起させた。深い深い絶望に落ちた時に表出する、人間の本性みたいなものなのではと思っている

・一方で屋形船の上で「くるっとくるっと〜」とか仁王立ちしてるのがもう、もう、サービスサービスぅって感じでした

第10話「Not Found」

「生きてりゃ何回でも勝つチャンスはある!」「了解、相棒」充血した目が印象的で、ほんの僅かな時間で苦渋の選択をした、そんな顔。伊吹が乗り移っている、生きている。そのものだと震えました

第9話「或る一人の死」

・「間に合った…!」「間に合った!」と言って抱き合うシーン。あそこは“綾野剛と星野源”ではなく、紛れもなく“伊吹と志摩”だった。すごい。ここがふたりのアドリブだったっていうのがもう…凄まじい

・「ここね、俺が1番好きな道ー!よっしゃ帰ってきたー!みたいな気持ちになんのよ」という伊吹の言葉に、ハムちゃんが「機捜の皆が守ってる街だね」と言ってくれる。その時に涙目になる伊吹。ガマさんのことを思い出してるのかな、恩人を守りきれなかった自分をずっと責めていて、それがほんの少し救われたような気持ちなのかなと。こういう細かな演技、演出、素晴らしいですよね。細部に神は宿る、とつくづく思う

第8話「君の笑顔」

・「麗子さんは病気で死んだでしょ?」の涙目がほんとつらくて。まるで体の中に水がぱんぱんに張って弾ける寸前のような、喉元まで突き上げてくる切なさ。そして言葉が通じない恐ろしさがじわり滲んでくる表情、声。静かだけど悲痛な場面

・「俺はどこで止められた?いつならガマさん止められた?どうするばよかった?ねえガマさん!」の表情、声。それがまるで、置いていかれる子供みたいで。あの時の伊吹は、ガマさんの目には高校生の頃と同じ顔に見えていたのではないかと思う。
ガマさんに手錠がかけられた瞬間に溢れる涙。ひとり居間で泣きじゃくる伊吹の背中が薄く見えて、切ない

・屋上の伊吹を迎えにきた志摩。「俺ひとりで生かせるつもりか?行くぞ、相棒」伊吹の目に涙が光る。伸ばされた手を握って立ち上がる…というラストシーン。
なんか笑って応えようか、笑うことができたら“いつも通り”に戻れるきっかけになるんだけどと逡巡して、相手が九重あたりだったら無理してでも笑って見せるんだけど、でも声を出したらもっと涙が溢れそうだし、声が喉で引っ掛かって何も言えなくて、でも志摩だからいいかわかってくれるはず、と思い直して、そのまま差し伸ばされた手を黙って握り、背中を押す掌の暖かさにさらに甘えたくなって促されるまま歩き出す…みたいな表情、所作。
最高に痺れた瞬間

第7話「現在地」

・「隣だ」の時の野性の勘が閃いた時の顔いい。脳の使用率上がってるような、感覚が研ぎ澄まされてる表情。こういうのとコミカルな時のギャップ、4話や11話で見せたような、何かのスイッチで道を間違えそうな危うさを秘めているところが奥深い

・「10年間、誰かを恨んだり腐ったりしないで本当によかった。俺はラッキーだったな。大熊の不幸は10年間、ここから一歩も動かず誰にも見つからなかったことだ。さっさととっ捕まえようぜ、なっ」のくだり。10年間逃げ続けた指名手配犯も、正しい道に戻れる可能性のある人間だと、同じ目線で考えている暖かさが良いなーと、そういう声だった。
これがあるから大熊の最後の叫び声が効く、堪えるんですね

第6話「リフレイン」

・「香坂ちゃん、サンキューなー(空を指差して)」の表情。志摩を救える!という嬉しさが滲んでいて。同じ”志摩の相棒“に対するストレートな感謝が良い

・「俺の生命線は長い!」の顔、強い。ほとばしる生命力。「殺しても死なない男」ほんまにそう見えますし。凄い

第5話「夢の島」

・居酒屋でガマさんと話してる時の伊吹、高校生みたいな表情をしている。ほんとに心から信頼していて、大好きなんだなあとわかる顔。
この顔を見ると、機捜でうどん食べてる時でさえも、ちょっと社会人モードというか、気張ってんだなと思う(小日向さんの演技がまた、ほんといいんだよな…!)

・マイちゃんの嘆きを全部受け止めた伊吹の表情に、申し訳ない気持ちを覚える程だった

第4話「ミリオンダラー・ガール」

「お前死にてえのか」の怒りmaxの表情はいつものスクリーンで見る綾野剛みありました

第3話「分岐点」

勝俣に「逃げるか来るか、いま決めろ」と言って駆け出す直前の笑顔。ガマさんに“信じてもらった”自分に重ねていた笑顔かなと。俺はおまえを信じるから、正しい道に戻ってこいよと告げるメッセージ。
きっとガマさんから貰ったものを、高校生に返したんだろうなと

第2話「切なる願い」

加々見の頬を撫でて「無実でいてほしかったな…」からの、志摩から手錠をかけろと促された時の、はぶてた顔(広島弁)。わかってるよ、わかってるし、やるけどさ…みたいな複雑な感情がもろに出ている表情。切ない

第1話「激突」

・「なんだかテンション上がってきたー!」がアドリブだったのか!という。志摩がゴミ箱を蹴飛ばすところも含め。あれをやるから“伊吹”が生きたんでしょうね、凄いな。
というかあのセリフが無かったたら、一体どんな空気になっていたんだろう?

・「おばあちゃん戻ってこなかったらどうしよう…」と千砂ちゃんが言うのを部屋の外で聞いていて、「よしっ行きますか」と立ち上がる時にちょっと笑顔になっている。あれはすっごい責任感じていて、「ぜってー見つける」と決意している表情なんだろうなと思う

・NIKEの厚底シューズを観た時は本当に驚いた、あれを履いて、あんなに速く美しく走れるのすごいな!?と思ったら陸上やってはったんですね。一瞬でトップスピードに乗る為のバネのようなしなりといい、毎回素晴らしいフォームでした

※伊吹が履いていたシューズ、NIKE:ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%

・「機捜っていいな/超いい仕事じゃーん!」の笑顔が、全力で持っていく。何度見ても最高の笑顔!


キャスト×キャスト×スタッフの化学反応

演技に関して見え方がすこし変わったのは、自分が強烈に惹かれたいくつかのシーンが“実はアドリブだった“と知ってからです。あそこ脚本じゃなかったんだ、アドリブだったんだ!?と。
たとえば9話のクライマックスシーンについて、野木さんが「抱き寄せると書いてなくて」とTweetされていて、本当にびっくりしました。

本当に、“キャストがキャラクターを肉付けしていく”という凄さをつくづく実感したドラマでした。
星野源さんのANNで制作秘話を聴いていて、演者発のケミストリーって奇跡のようでいて、「MIU404」は全員が同じ気持ちになることで自然発生しまくった現場だったんだろうなと、しみじみ思いました。
野木さんかな?「現場で生まれるって、そういうことよね」とラジオで仰っていましたが、「あれはアドリブというか、芝居の延長ですよね」という表現が、とても良いなあと。

脚本通りに演じるのではなく、伊吹や志摩という人間がその世界で生きていて、何を考え、どう動くのか。演者の“層”が厚ければ厚いほど、表情や所作に深みが増す。
そこにフィクションの世界の”味わい深さ”というか、奥行きが出てきて、私たちを感動させてくれるのでしょうね。

果たして、野木さんの脚本に、なにがエッセンスとして追加されたのか。綾野剛は、星野源は、どんな演技プランで望んだのか。できることなら全シーン知りたい!9月26日発売の公式メモリアルブックに、野木さんによる演出解説が載るかも…?とのことで、ますます楽しみです!(掲載されますように…!)


そしてANNで「MIU404」裏話が聴けた2日間。めちゃくちゃ楽しかったです!本当に最高だった。

9月7日放送「菅田将暉のオールナイトニッポン」ゲスト:綾野剛

- こんな人に愛情たっぷりの演技が久々。病んでるかクズかばっかりだった
- 少年漫画のエキスだけで伊吹を作った。8話位から、野木さんに「そろそろ青年漫画読んでください」と言われた
- 撮影が終わって数日、まだ浸ってる。「俺の中に伊吹はいるけど伊吹の中に俺はいない」伊吹は俺を知らない。MIU404が初ロス。いい奴だったから

演技トーク、めちゃくちゃ面白かったです。もっと聴きたい!どこかでたっぷり対談してくれないかな。

綾野剛さんの「伊吹の中に俺はもういない」という言葉が切なかったです。
綾野さんにとって、“伊吹藍”ってどういう存在になったんだろう。きっと公式メモリアルブックのキャストインタビューでじっくりと語られていると思うので、楽しみです。


9月8日放送「星野源のオールナイトニッポン MIU404スペシャル」/ゲスト:新井順子プロデューサー、野木亜希子(脚本)、塚原あゆ子監督

こちらを聴いて、9月19日からParaviで配信されるディレクターズカット版への期待値がめちゃくちゃ高まりました。11話の「幻のうどんシーン」が観れるのか…!?素材から選び直してるのって本当に凄い、豪華すぎますよね、ありがたすぎる!

0:50あたりからの撮影・編集作業の裏話がめっちゃ面白かったし、2:03辺りの、新井さん、塚原さん、野木さんの“本気のものづくり”について星野源さんが語ってるのが最高すぎました。熱かった!


「MIU404」最終回を見終えて感じるのは、本当に、天才的な脚本に天才的な演者が演じ、圧倒的熱量のスタッフがこだわり抜いた結果の奇跡だったんだなということです。
綾野剛さん——演者の才能と熱意も重要なファクターですが、全スタッフと全キャストが同じ方向を向いて走り抜けたからこそ、その輝きが乗算されたんだろうなと思うのです。もちろん、主題歌を提供した米津玄師さんも含めて!

当代随一の“エモい”第一線の人達が集結し作り上げた作品。2020年夏に「MIU404」があって、本当に良かった。

そしてParavi配信や公式メモリアルブック、Blu-rayBOX発売などでまだまだ続く「MIU404」の新しい世界。本当に、ロスってる暇はないな!って感じです。深掘りする余地がめちゃくちゃある世界!これからの展開も楽しみです!


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最終回直前!野木亜紀子が「MIU404」で描きたかったもの、そしてラストは?<「MIU404」インタビュー後編>

2人とも、台本以上に雄弁に語ってくれた
――元交番勤務で俊足の伊吹を演じた綾野さんと、元捜査一課のエリートである志摩を演じた星野さんの演技はどうでしたか?
「アンナチュラル」(2018年TBS系)のとき、予想を超えてキャラが濃くなっていたのは、中堂を演じた井浦新さんだけでしたが、今回は綾野さんと星野さんが2人とも自由に演じていてキャラがとても濃くなっている(笑)。アドリブも多いですしね。第1話で志摩がゴミ箱を蹴り飛ばしたのもそうで、その後に伊吹がうれしそうに「なんだかテンション上がってきた!」と言うのもアドリブです。自分で書いていないのに、第1話の中ではあのくだりが一番面白いなって思いました(笑)。


MIU404:“伊吹”綾野剛の演技に視聴者もらい泣き 「神回」の声も

ドラマが始まる前に、綾野さんは、伊吹について「少年マンガを読んで伊吹を形成した」と明かし、「あんまり『演じている』という感覚はないですかね」と話していた。
また、「自分を捨てて、役に成りきるというのはとてもいいことだと思いますが、僕はさんざんそのやり方をやってきて、もういいかなと。新たなやり方で自分のいいところをちゃんと伊吹にもアウトプットしていく。自分らしくやらせてもらっている」と表現し、「それぐらい整っちゃっているんですよ。脚本も現場も共演者も星野源という人も。(伊吹については)芝居で語っているので、ドラマを見てもらうのが一番いいなと思っています」と話していた。


『MIU404』でやっぱり魅せた 綾野剛の「変幻自在」

伊吹は暴力団・辰井組の事務所内で、麦がさらわれたことを知ると、怒りに震え、手がかりを知る男・澤部(福山翔大、25)を追い掛け始める。その際、辰井組のビルの2階から飛び降りた。
この場面はスロー再生で放送された。どう見ても飛び降りたのは綾野本人だ。スタントマンは使われていない。伊吹はその後、猛スピードで走り、澤部を追った。上半身が前屈みになっておらず、腕の振りも良く、中短距離走のお手本のような美しいフォームだった。
それもそのはず。綾野は中高時代、陸上部に所属。中学では岐阜県大会の800メートル走で優勝した。岐阜県でナンバーワンだった。高校でも準優勝。地域のトップアスリートだったのだ。


星野源「逃げ恥」から続く脚本・野木亜紀子氏への信頼「なんのためにこの物語を世の中に放つのか」綾野剛も自信<MIU404 インタビュー中編>

もちろん恐怖は常にありましたし、皆さんも同じように常に不安はあったと思います。でも誰かが一人ポジティブな気持ちになれば、その気持ちは必ず広がっていくのではないかと。やっぱり僕たちも家にいるから、立ち向かう体力がどんどん消耗していく中で、それでもちゃんとその体力を身に着けながらやっていくには、精神からだと思いました。そういう意味ではすごく源ちゃんにも助けてもらいましたし、スタッフの皆にも助けてもらいましたね。だからより熱量が高いのかなと思っています。
そして、やはり重要なのは、脚本と映像が最終的に合体したときに、どれくらい強度のある形に変身させられるかということです。僕たちからすると、野木さんの面白い本を面白くできないなんて、本末転倒です。逆に言えば、脚本におんぶにだっこではなくて、この本をより良くするんだという、その質量、熱量が同居してるように感じます。

過去に書いた「MIU404」感想note


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