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映画感想文「護られなかった者たちへ」

護られなかった者たちへ
異様な殺人事件の裏に隠された切な過ぎる真実を描いたヒューマンミステリー

Amazonプライムで視聴できる映画でした。
評価は星4つ。

阿部寛が刑事役で、若い刑事とコンビ組んで…
という設定だったので、なんとなく、東野圭吾原作の新参者シリーズのような、ミステリードラマを想像して観ていたら、全然、全く違うストーリーでした。
(星4つという評価だけで視聴し始めたので)
いわゆる謎解き系の殺人ミステリー映画と全然違くて、人と人の繋がり、愛情をテーマにしたヒューマンドラマでした。

お恥ずかしながら、清原果耶さんという役者さんを存じ上げておらず…。朝ドラにも出演された実力者さんだったのですね。素人意見で恐縮ですが、まだまだお若いのにいい演技をされる女優さんで。とても引き込まれました。

過去と現在を行き来しながら物語は進んでいくのですが、最初のほうは現在軸がどこなのかが曖昧で、よくわからず「佐藤健は髭あってもなくてもカッコいいな」ぐらいのテンションで見進めていました。
途中、震災と生活保護制度の関連づけは、ちょっと飛躍してないか?とも思ったりしていました。

最後の方は、「これ、フィクションなんだよなー」って思えてきて。だって、実際に起こった東日本大地震が描かれていたし、本当にこういう現実があったのでは?と思わされる描写でした。
そりゃ、殺人事件はフィクションなんだけど、それ以外のこと、震災の被害にあった方々の苦悩というか…
実際、避難所だったり役所だったりの対応は本当にそうだったんじゃないのかなって感じられた。

最後は、なんかもう、誰が「」とかないね。人を想う気持ちが生んだ悲しい事件だ。って思った。

人は助け合って生きていくものだって思ってる人、それを経験して理解している人であって、でもそれなのに、殺人を犯した。それくらい、理不尽を感じたんだろうし、行き場のない気持ちがそうさせてしまった。そして死のうとした。けど、生きていて欲しいと願う人がいた。

ちょっと残念に思ったのは、犯人がなぜ殺人者になってしまったか?の背景がよくわからなかったこと。「人を殺める」という結論に至るにはそれ相応の何かがきっとあったと思う。殺人の動機は描かれていたけれど、動機となる事件が起きてから数年経っていて、その間犯人はずっと犯行の機会をうかがっていたというのか?そうではないと思う。何かそうせざるを得ないきっかけがきっとあったと思う。トリガーが何だったのか疑問のまま終わった感じです。

限られた時間の中で到底描き切れるものではないのでしょうけど、そこだけ、そこだけ気になってます。

はぁぁぁ。しかし、悲しい、切ない物語でした。
最後は、涙が溢れて溢れて、鼻水まで溢れ出ていました。

万人が見てGood評価した作品は、良いものが多いですね。

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