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裸銭

前に会社の先輩数名に「ぶっちゃけいくら貰ってるんですか」と聞いたことがある。
「ぶっちゃけ」という言葉を枕に添えれば何でも答えてくれるのではないかと密かに思っていたが案の定回答は得られなかった。中には会社の給料をアテに生活しておらず、投資で稼いでいるので会社の給料がいくらか知らないという強者もいた。とにかく、望む回答は返ってこないし、質問ベタがバレるだけだなと思い、それ以来「ぶっちゃけ」の質問は控えている。


26歳のいま、飲み会の酒の肴は「仕事の愚痴」、「誰々が結婚した」、「下ネタ」というテーマで8割を占める。残りの2割の話題として「ぶっちゃけいくら」というのが入ることもあるが、なぜだか、さっきまでしていた下ネタよりもキレの悪い会話になる。
誰もボケず、誰もツッコまず、その場の様子を見てちょうどよい正解を探す作業になる。まるで自分がモニタリングをされているような、よそよそしさ満載の会話とハイボールは、この世で一番食べ合わせが悪い。

先日久々に実家に帰って本棚を漁り、吉本隆明さん、糸井重里さんの「悪人正機」という本を読み返した。その中で、お金に対する考え方でその人の思考は丸裸になる、という話があり、なるほどと思った。みんな裸にされるのは嫌だし、飲み会で脱がし合うのは愚の骨頂だ。

お金は面白くない。
勝手にそんなレッテルを貼るのは憚られるものの、こと友人との飲み会に関しては、一番触れたくないのは君かもしれない。一通り美味しいお酒と会話を楽しみ、そろそろ帰ろうかとお会計をお願いした時にだけ登場してもらうぐらいの、都合のよい関係で君とはいたい。


#お金について考える #お金 #本

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