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暇すぎた中卒ニートわい、無計画に山登りして咽び泣く。

前回の話

大まかな廃鉱山の場所を特定した私は、興奮冷めやらぬまま、その日のうちにホームセンターへ向かった、正直鉱物採取の基礎すら知らない私、予算は全財産2000円、そこらへんの小学生以下の全財産を叩いて、なんとなく900円の金槌と600円の防塵ゴーグルを買った、残りの500円でラキストメンソールを買って準備は出来た、親父に山へ行く電車賃をねだり、5000円もらった、明日の冒険に夢を馳せながらその日は寝た。


翌日、寝坊した。


起床した時間、なんと15時30分、ニート特有の昼夜逆転、大寝坊春場所をブチかました私は既に怠惰の化身だった

(もうちょいしたら暗くなるし明日でいっか)

昨日の意気込みはどこへやら、多分寝てる間に溶けて無くなったのだろう、ニートとはすぐにやる気のなくなる生き物なのだ、仕方ない、仕方ない。

その旨を親友に話したところ、当たり前かのようにこう言われた。

「いや行けよ。」

親友曰く日没まであと3時間もあるんだから行けとの事、それは既に怠惰の化身となり、甘ったれた私からしたら、どんな言語よりも何を言ってるか分からない答えだった。

私はニートの得意な術、言い訳を繰り返した

「山に慣れてない俺は登るのに時間がかかる、もし日が暮れて暗くなったら危ない、そもそも廃鉱山が山のどの辺にあるか等はざっくりとしか知らない、そして目的は廃鉱山を見つける事ではなく、見つけた上で鉱石を見つける事だからより時間がかかる。」

つらつらと並べたものの、行動派な親友には通じず、むしろ、「行くと決めていたのに寝坊したお前が悪いんだから行け、決めたことを覆すな」と重たい正論パンチを喰らった、そこで私は自分の負けを確信、仕方なくその重い重い腰を上げた。

とはいえ勝手ながら、動き出してみればやる気も湧いてくる、リュックサックに金槌とゴーグルを入れる時などトレジャーハンターになった気分でワクワクした、準備が終わり電車に乗って門司駅まで行き、そこからバスに乗って鉱山最寄りの青葉台公園へ着いた。

ぐだぐだと言い訳したせいで少ない時間が余計少なくなったが、日没までは2時間ある、幸いにも、公園には分かりやすい登山道へと続く道があり、そこを登ることにした。

最初は順調だった、多少険しいとはいえ道も開けていて歩きやすい、そして採掘痕と思われる小石がゴロゴロと落ちているのも、私の期待を膨らませた、10分ほど登山道を進んだ時、現在地の確認としてGoogleマップを開いた時、ある事に気がついた、私の進んでいる登山道、どうやら廃鉱山と反対へ向かっている、つまりどういう事かと言うと、私の進むべき道は今居る安全な登山道ではなく、その反対側、木や草生い茂る道なき道だったのだ。

心が折れかけたが、ニートにとってここまでの交通費800円は痛い、もはや何も無しでは帰りたくなかった。

仕方なく、今まで来た道を戻り山へ分け入る事にした、……本当に最悪だった、今まで登ったどの山よりも坂は急で、土は謎の粘土質、引きこもりが招く体力低下で息は上がりっぱなし、雑草の棘が全身を刺す、3進んだら2転げ落ちるを繰り返した。

泥だらけになりながら進み、日没まで30分と言った時にたどり着いた場所でマップを確認したら、目的地付近まで今まで移動した距離の倍の距離あった、私の心はその瞬間ポキリと折れてしまい、結局私はその辺に落ちていた石を5分ほどで拾って、もう既に暗くなった山を擦り傷だらけになりながら下った、なんとか鬱憤を晴らそうとその足でパチンコ屋に向かったが、なけなしの3000円を丸ごと呑まれて家に帰った。

結局この日私は傷だらけになったのに廃鉱山は見つけれず、5000円失って適当に拾った小石を数個持ち帰るというクソみたいな1日を過ごした。

…だが私は希望を拾っていた、私が5分で適当に拾った小石達、家に帰り風呂場で泥を落としていたら、その中に一つ異色な物を見つけた。

この赤丸の部分の石、光り方が違うのが分かるだろうか?、推測だがおそらく"ざくろ石"別名"ガーネット"、間違いのない宝石だった、私の求めていた種類ではなかったがこの山で産出すると論文にも書いてあり、そして実物を見つける事ができた、その事実は私にとって希望になった。

その夜、私は何十分もこの石を見つめた、光の反射でキラキラ光るそれは、本日一回だけ光ったGOGOランプの百倍輝いて見えた、今日を振り返り、幾つかの反省点をメモした後、私はもう一度行くことを堅く決心したのだった。



まさか今日終わらないとは…最後のリベンジ編は明日描こうと思います。

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