私の足がキャタピラになってしまったのだが
「今日はどんな髪型にしますか?」
「この下半身に合う感じで」
ーーーーー
リーゼントにされてしまった。いやいや、確かにこの下半身に一番合う髪型かもしれないけどさ、限度ってもんはある
まぁ、この際どんな髪型でも同じかぁ…
「ねぇねぇお姉さん、ちょっとお茶でもしません?笑」
恐ろしく目が悪いのか、この男は。恋は盲目とかそういうやつ??
かわいそうに
ーーーーー
それにしても、本当に災難だったな、私も彼も。
全速力で転がして逃げてきた、神様はどこまで私に恥をかかせる気だ。
しかし、そろそろ20代も終盤だというのに何も成し遂げられず、だらだらと惰性で生活していることは反省している。だが、そんな私でも諦めたくないものがゴロリと残っている。
せめて、一つくらい幸せをつかみ取りたいものだ。
「すみません、そこのキャタピラのあなた!!」
「私ですか……?」
…いや私しかいないだろ。そう思って声のする方を向くと、そこには上半身が大砲の男性が立っていた。
「こんにちは!!!!!僕と結婚していただけませんか!!!!!!」
「こんにちは!!!!!嫌です!!!!!!!」
どんな姿になっても、ね、限度ってもんはある。乙女だし。
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