見出し画像

This 15 it

今朝テレビを見ていたら2022年も残り2週間だという。
個人的に2022年は変化がたくさんあった年であったので早いような、短いような不思議な感覚である。
コロナ禍となったここ2年が何も出来なすぎた、といってもいいのかもしれない。やり残したこともいっぱいあるけど、それはまた来年の楽しみとしようじゃないか。

前にこの投稿で少しだけ触れた”Original Entertainment Paradise -おれパラ- 2022 This 15 It”というライブに参加してきた。

Original Entertainment Paradise -おれパラ-(以下、おれパラ)は、毎年12月第1土日~第3土日あたりの年末に行われる、男性声優4人をホストとしたライブイベントである。初演である2008年は中野サンプラザでの1公演、その後2011年までは両国国技館での各日1公演の2DAYS、計2公演。5周年を迎えた2012年からは両国公演に神戸ワールド記念ホールでの2DAYSも加わり計4公演を行う大規模なライブイベントとなった。

公演によりゲストの有無も数も異なるが、出演者全員に共通するのは”男性声優アーティスト”であること。ホストメンバーである小野大輔、鈴村健一、寺島拓篤、森久保祥太郎はもちろん、過去に参加したゲストも皆、声優として活躍しているアーティストばかりである。

そんなおれパラが今年で15周年。テーマは”This15it"。
公式HPには
”15周年の記念すべきおれパラは
これまで培ってきた”まさにこれだ”という
エンターテインメントをお届けします”
との言葉があった。

This15itとはThis is it.と15周年をかけた造語である。(読みはそのまま”ディスイズイット”)おれパラは2年目以降毎年テーマがついているが、ときどき周年とかけたダジャレのようなテーマになることがある。テーマは毎年ホストメンバーで決めていることが多いが、主犯はたいてい小野大輔である。

各公演のDVD特典でテーマ決め会議から当日までのメイキングが見られる。

私は8年目である2015年から毎年、両国公演に参加しており、タイミングが合えば神戸公演にも参加していた。
しかし、2020年、2021年は新型コロナウイスの流行により、有観客ではなく、無観客配信での開催となった。
つまり今年のおれパラは、15周年かつ2年ぶりの有観客という長い歴史の中の節目ともいえる公演であった。

その公演の千秋楽が本日(日付が変わっているので正確には昨日)、おれパラにとっての聖地(出演者やファンは”約束の場所”と呼んでいる)両国国技館で行われた。

私は前日の両国公演1日目から参加していたが、やはり2年ぶりの約束の場所での有観客公演ともあって、出演者もファンも熱量が高い。声が出せなくても届くものがあると信じて拍手を送り、ペンライトを振る。ステージの上のアーティストは会場中のファンの顔をひとりひとり眺め、微笑み、うなずいていた。

通常、対バン形式となると自分の好きなアーティストにのみ反応する観客も少なくないと思うが、おれパラに参加するファンはホスト、ゲスト関係なくすべてのアーティストに声援を送るファンが多い。もちろん好きなアーティストだけを応援することも何ら問題はないのであるが、おれパラはとにかく着席率が低い。”おれパラ”というコンテンツを最初から最後まで余すことなく楽しんでやろう、という気持ちを持ったファンが多いのかもしれない。

ホスト4人や複数回ゲストに来たことのあるアーティストがよく口にする「おれパラはホーム」という言葉があるのだが、それはそんなファンの貪欲におれパラを楽しむ気持ち、からきているのだろう。私が8年もおれパラに通い続けているのも、その居心地の良さのとりこになっているからだ。

しかも今年のおれパラは今までと一味違った。今までは完全なる対バンという形式で、各アーティスト個人のライブがイベントの大半を占め、公演の最初と最後のみ全出演アーティストが共演しテーマソングを歌う、というような形であった。
それが2年間の無観客公演を経て、ホストメンバーそれぞれがお互いの曲に参加するようになったのである。

例えば、小野大輔の楽曲に『KissKissKiss』というトンデモキラーチューンがある。この曲はパラパラのような振付があり、いつもはバックダンサーが小野とともに踊るのであるが、今回はバックダンサーとともに他3名のホストメンバーも参加し、小野のステージを盛り上げたのである。

2年間続いた無観客公演の際、会場で生でステージが見れなくてもファンを楽しませることができないかと、ホストメンバーやスタッフが考えたのが、出順も出演者もバラバラなセットリストでのライブだった。

それを今回の有観客の会場にもとりいれ、”これまで培ってきた”まさにこれだ”というエンターテインメント”を表現したのである。

15年という歴史があり、その年月を共にしたからこその絆がもたらしたステージであった。アーティストたちが口々に「自分の曲よりみんなの曲の方が練習した」と言っていたのはそれだけ仲間の楽曲を、ステージをより良いものにしたい、という気持ちのあらわれであろう。15年の間に卒業するもの、仲間になるもの、参加できないというハプニング、たくさんの出来事があったが、それでも続けてきたコンテンツの集大成がまさに今日のステージだったと思う。

今日の公演中、いや、いつだってアーティストたちは私たちファンにたくさんの感謝の気持ちを伝えてくれる。何度も「ありがとう」と「大好き」を口にしてくれる彼らに私たちからも「ありがとう」と「大好き」を。そんな空間、楽しくないわけがないじゃないか。

おれパラがなくちゃ年が越せない、とファンはよく言う。アーティストたちはおれパラを「終わりが始まる場所」という。1年の集大成、それまでの集大成、そのすべてをアーティストもファンも持ち寄る場所が年末の両国国技館なのだ。

2年ぶりの国技館で改めて感じた生でライブを楽しむ高揚感と、声の出せないもどかしさ。2年前とは状況も情勢も何もかもが違うが、今しかできないライブがそこにあった。

今日の公演で対バンパートのトリを飾った森久保が「声が聞きたい」と願った姿に感動をおぼえた。自分のパートでは声が聞こえるんだといった鈴村も寺島も公演最後のあいさつでは「きっと声が出せる時がくるから」と未来を語った。

このご時世、というものはエンターテインメントを不要不急ということがある。しかし今日までエンターテインメントはなくならなかった。それどころか進化し続けている。だからこそ願う、進化したエンターテインメントに大きな声を届けられる日が早く来ますように。

もう幾つ寝れば願いは叶う?と数えてた白紙のカレンダー
待ち望んでたこの景色この時を Come closer, Now!!

ディスタンス越え交わす約束の祝杯さFace 2 Face, Face 2 Face, yeah
一つ一つ重ね合わせ 今 感じ合おうFace 2 Face, Face 2 Face, yeah

もう一つ叶う願いがあるのならば
声を聞かせて 溢れだすキミの声を

Face 2 Face|森久保祥太郎

サムネイル出典:おれパラ公式サイト|http://orepara.com/index.html#d_release


この記事が参加している募集

お気に召しましたらサポートをいただけると幸いです。いただいたお気持ちは私自身の知識をつけたり、記事のネタに使用できる何かへ投資させていただきます。