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先生、バスケがしたいです。

オタクというとアニメや漫画が好きだと思われがちだが、すべてのオタクが人気アニメを履修しているわけではないのである。『鬼滅の刃』も『呪術廻戦』も履修していない脆弱なオタクもここにいるよ、という話。

人気先品を履修していないのは特に理由はなく、ただ見る機会がなかっただけなので、見たいと思えば見るのである。別に逆張りをしているわけではないよ、ということで。大人気作品『THE FIRST SLAM DUNK』を遅ればせながら見てきた。

いつも余裕をかましながら頭脳的なプレーと電光石火のスピードで相手を翻弄する湘北の切り込み隊長、ポイントガード・宮城リョータ。
沖縄で生まれ育ったリョータには3つ上の兄がいた。
幼い頃から地元で有名な選手だった兄の背中を追うようにリョータもバスケにのめりこむ。
高校2年生になったリョータは、湘北高校バスケ部で、桜木、流川、赤城、三井たちとインターハイに出場。
今まさに王者、山王工業に挑もうとしていた。

prologue|映画『THE FIRST SLAM DUNK』

まず初めに感想を素直に書くのでネタバレらしき部分が入ってしまうかもしれない。これから見る予定の方はこの先を見ない方がいいだろう。何事も初見の楽しみというものがある。

もう一つ先に言っておくべきは、私はスラムダンクをまったく知らない状態で映画を見に行ったということ。予備知識は”バスケの話である”ことと、”主人公の名前が桜木花道である”ことくらいだろうか。あとは、少しだけキラーフレーズも知っていた。(この記事のタイトルとかね。)

発表されてから時間もあったので予習することもできたとは思うが、せっかくだからまったくの無の状態で見に行きたいな、と思ってできる限り事前情報を持たないで見に行ってみた。初見というのは一度きりだからね。

見終わってまずおもったのは、この作品は映画館で見るべき作品だ、ということ。試合シーンの迫力がスクリーンと自宅のテレビでは段違いだろうからだ。特にラスト30分、試合時間で言えばラスト1分を切るころ。コンマ一秒を切り取ったような原画の動きと、静寂のなかで唯一聞こえる心拍音はぜひ映画館の大スクリーンとサラウンドで感じてほしい。一緒に見た友人が、SNSで見かけたところによると「試合時間ラスト8秒からポップコーンを食べるな」的なことが書いてあったらしい。わかる。あのシーンでは固唾をのむことさえ邪魔になるような気がした。77-76からの攻防、スピーカーから聞こえる心拍音と自分の心拍が重なる感覚は映画館でこそ、味わえる体験だと思う。

話の内容については正直初見には説明不足のように感じたが、そんなのは今から原作を読んで補完すればいいだけで。各キャラクターの関係性を掘り下げすぎず、1試合を魅せるために必要なシーンだけを間に差し込む、という構成は、2時間弱の映画としては一番わかりやすくきれいな流れだったように思う。一瞬間延びした気がしたのは否めないが、2時間ハラハラしっぱなしも疲れてしまうから、閑話休題ということだろう。

ちなみに私は小中学で水泳、高校で陸上と個人競技かつ体一つでできる種目しか経験していないので球技が全くできない。その私のかろうじてできる球技がバスケとドッジボールである。しかも高校の球技大会ではバスケで学年準優勝までしたことがある。バスケがしたいというタイトルはあながち間違いではないので、今度久しぶりにやってみようかと企んでいるだが果たして……。

総じて今年初の映画館からは、とても満たされた形で去ることができた。
原作、読みたいな。

不確かな夢叶えるのさ 約束の夜に
微かな風に願うのさ 静寂の朝に
遠い星の少年は その腕に約束の飾り
まだ旅路の最中さ 幻惑の園に

第ゼロ感|10-FEET

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